今回、カトマンズの旧王宮を見学して気が付いたのだが、ここにもムガル建築から入った意匠があるようだ。この「バングラー」型の屋根がそうだ。
こちらはオリジナルのベンガルの建築。このようにふたつの湾曲屋根を重ねて配した「ジョール・バングラー」とひとつだけ使用した「エーク・バングラー」は、ベンガルのテラコッタ建築でよく見られる。農家などで干し藁を積んで作った特徴的な形の屋根が原型。
ムガルやラージプートの宮殿にも多用される「ジョール・バングラー」型の屋根というか庇というか。ベンガルの建築がインド西方の建築に与えた影響の代表的なものだが、おそらくカトマンズの旧王宮のバングラーの意匠もムガル建築から取り入れられたのだろう。
※内容は新型コロナ感染症が流行する前のものです。