珍しいムスリムのフレスコ画ハヴェリー

シェカワティのフレスコ画のハヴェリーは、ヒンドゥー教徒のマールワーリー商人コミュニティ独自のもの(及び一部のジャイナ教徒)というセオリーがあるのだが、ジュンジュヌーには稀な例外が存在している。

ジュンジュヌーのイスラーム地区にあるムスリムのフレスコ画ハヴェリーだ。場所がどのあたりかよくわからなかったので、ムスリム地区にあるDargah of Kamaruddin Shahを目標に移動してみる。ダルガー自体にも、シェカワティらしいフレスコ画があしらわれており、なかなか見応えがある。

このダルガー参拝後、通りがかりのムスリム男性に道筋を質問すると、そのハヴェリーの界隈の住人であるとのこと。ヌール・マスジッドというモスクの隣にあるとのことが判った。

訪れてみると、ここに暮らす家族はこれを建てた人物の子孫で、その中の一人から話を聞くことが出来た。このハヴェリーを建てたご先祖は、ムスリムの商業コミュニティの人ではなく、このあたりの地主だったそうだ。神々や人物の絵の無いハヴェリーは、かなり印象が違って見える。

彼は、フレスコ画のあるムスリムのハヴェリーは他にほとんど例のない貴重なものだと言うものの、このハヴェリーはあと10年もすれば取り壊す予定であるとのこと。維持に手間も費用がかかるため、フレスコ画を修復したりする意志もないそうだ。もう一軒、こうした屋敷を所有していたが、そうした経済的な理由からだいぶ前に取り壊してしまったそうだ。

貴重な文化遺産とはいえ、私有財産なので、持っている人自身の都合もあるわけだ。
そんな事情もあるため、最近は博物館や宿泊施設として用いる目的で修復の手が入るハヴェリーも増えているが、その他はやはり存続が危ぶまれることには変わらない。

残念ながらあまり保存の状態は良くないのだが、取り壊す前に訪問できたのは幸いである。

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