インドで植民地時代に建設された鉄道網の中で、唯一現在も「私鉄」となっている区間がマハーラーシュトラ州にあるのだそうだ。
インド独立とともに、各地に存在した鉄道会社は国有化され、「インド国鉄」に統合されたが、なぜかこの区間だけは民間所有のままで残ってしまったらしい。
これは、シャクンタラー鉄道と呼ばれているメーターゲージの区間で、かつてはもっと長大な鉄道ネットワークを運営していたCPRC (Central Provinces Railway Company Ltd)という、1910年創業の歴史的な鉄道会社が現在も所有しており、この区間にインド国鉄が列車乗り入れて運行させているという具合らしい。よって、これを「私鉄」というのはどうか?という気がしないではないが、民間の路線に国有鉄道が乗り入れる形になっている点で、非常にユニークである。
Central Provincesとは、植民地後期のインドにおいて、周囲を複数の藩王国に囲まれたインド中央部の英領直轄地域のことで、このあたりで生産される綿花を輸出するため、この地域に鉄道を敷設したのがCPRCだが、その後まもなく旅客輸送も始めている。
なお、このCPRCはインド独立後は経営が現地化されており、「イギリス企業」という訳ではない。
The little known story about Shakuntala Railway (rediff BUSINESS)