チベット代表サッカーチームが大善戦

スィッキム州都ガントクで、12のクラブがエントリーするSikkim Governors’ Gold Cup football tournament 2017が開催されている。初戦でパンジャーブ州のCRPF Jalandharを6-5で振り切り、勢いに乗るチベット代表(大会にはRoyal Tibetan NSAという「クラブ」としてエントリー)は、本日、インドを代表する名門クラブチームのひとつ、モーハンバガーンA.C.と対戦。

同クラブは1889年の創立。インドで現存する最古のサッカークラブだが、おそらくアジアでも最も歴史のあるクラブということになるだろう。

インドサッカー界のレジェンド、バイチュン・ブーティヤーも在籍したことがあり、元アルビレックス新潟の末岡も引退前には、ここでプレーしていた。同じくカルカッタを本拠地とするイーストベンガルF.C.とのマッチは、「カルカッタダービー」として、多くのファンを集める。

そんな強豪を相手に、チベット代表は90分もの間、相手に自陣ゴールを割らせなかったが、ついに試合終了直前に得点を許した。しかしそれでも0-1という大善戦だ。Iリーグのプロ、しかもインドのサッカーを牽引してきた伝統あるビッグネームを相手に、インド全国に散らばるサッカー好きで元気な亡命チベット人のお兄ちゃんたちが、「よもや?」を演じたとは嬉しい限りだ。

試合開始後、90分でようやく得点して勝ったモーハンバガーン。まさかチベット代表を相手にヒヤヒヤしながらのゲーム展開となるとは想像もしていなかっったことだろう。

2018年には、FIFAとは縁もゆかりもない別団体の主催による、国連加盟していない事実上の国・地域の代表が出場する「ワールドカップ」がロンドンで開催されるが、チベット代表はこれにエントリーすることになっている。ひょっとすると「クルディスターン」との対戦もあるかもしれない。

今後ともチベット代表から目が離せない。

北デリーのコロネーション・ダルバール

Coronation Parkとして整備が進む

ここは15年ほど前に訪れたことがある。当時は、子供たちがクリケットで遊ぶ広大な空き地であったが、現在は史跡公園として整備され、今もその工事は進行中。

1877年、1903年、1911年にイギリス国王の「インド帝国皇帝としての戴冠式」が、まさにこの場所で行われている。もっとも最初のふたつは、イギリスから本人が渡航して儀礼を行うことはなく、来印して戴冠を行ったのは、1911年のジョージ5世が最初で最後。

これが可能となったのは、1903年の即位時点ですでに高齢であったエドワードと異なり、1911年即位のジョージ5世は若かったのはもちろんのこと、1877年にはまだ建築中であったインドの鉄道ネットワークが完成の域に達していたことなどがある。このときジョージ5世は、ボンベイのインド門から上陸し、鉄道でデリーまで移動している。

ジョージ5世の像

この地でのダルバール開催について、英領時代から残る記念碑

さて、ダルバールでは、内外の要人たちが集まるとともに、インド各地の藩王国からも王、王子、側近などが専用列車などを仕立てて参列し、この周辺には豪華なキャンプが設営されて、仮設ながらも文字どおりの華やかなダルバールが出現していた。

1930年代には、英国国王はエドワード8世、ジョージ6世と2回変わっているが、インド独立運動の高まりで、大衆を動員して大規模なデモやストが頻発、加えて要人暗殺や爆破テロ事件なども頻繁するようになっていたため、ダルバールは開催されていない。

1911年のダルバールの様子はyoutubeで閲覧することができる。

長く打ち捨てられていた、植民地時代の旧宗主国の支配にまつわる場所で、独立以来、ことあるごとに英領時代の地名、英国の支配層にちなんだストリートの名前などが、改められてきたのだが、ここに来て「英国人のインド皇帝の戴冠式典」が行われたとして整備されるというのは注目に値する。

しかしながら、コロネーション・ダルバールを整備しているのは、ASI(インド考古学局-考古学だけではなく文化財保護・研究などを包括的に行う政府機関)ではなくDDA(デリー開発公社)であることから、歴史や文化的な背景についての考察等はなされず、ただの公園建設となるのだろう。

ちょっと残念だが、やっぱりという気もする。

DDA管理下の公園であることを示す看板。(園内は禁煙、ゴミ捨て禁止、家畜進入禁止等々の注意が書かれている。)

インドのPremier Futsal League

7月のことなるが、インドで「プレミア・フットサル・リーグ」が開催された。

Premier Futsal (flashscore.com)

7月15日から24日までの9日間という短い期間に、総勢6チームが2グループに分かれて総当たり戦を行い、各グループ上位2チームが決勝トーナメントに進出。

いずれのチームも登録選手は12名で、うち3名の外国人選手を含めることができるのだが、サッカーの元ブラジル代表のロナウジーニョ、同じく元アルゼンチン代表のクレスポといったスター選手、さらにはフットサルの現役ブラジル代表のファルカンも出場するなど、非常に豪華な顔ぶれを揃えた。

各チームのメンバー構成については、こちらをご覧いただきたい。

Premier Futsal 2016: Full list of teams, players (one india)

7月17日に行われたロナウジーニョ擁するゴア対ベンガルールをYoutubeで垣間見ることができる。ロナウジーニョが5ゴールを記録したとのことだが、実に鮮やかなプレーぶりである。

Ronaldinho vs Bengaluru 2016 (Indian Futsal Premier League)

出場するスター選手中、フットサル界の大御所は前述のファルカンだけで、あとはサッカーの花形プレーヤー、ラインを割ってからのリスタートがキックインではなく、スローインであったりと、なんだかよくわからない大会ではある。フットサルというよりも、「ミニサッカー」という感じの試合運びでもあったようだ。

このあたりについては、フットサルがあまり普及していないインドであること、おそらくインドア・サッカーという切口からの人気掘り起しを狙っているのではないかと思われる。

2022年あたりには、中国を抜いて世界最大の人口大国となるインド、しかも一人っ子政策が長く続いた中国と違い、若年層が非常に厚いインドでのサッカーとフットサル普及の先行投資ということで、国外からの資金も大量に投下されているのだろう。

NEPAL FESTIVAL 2016

東京渋谷の代々木公園で8月6日(土)から7日(日)にかけて、NEPAL FESTIVAL 2016が開催される。

暑い日が続いており、屋外イベントに出かけるには、ちょっとキツイという方もあるかもしれないが、幸い緑豊かで木陰も多い代々木公園なので、木立を吹き抜ける心地よい風を楽しみながら、のんびりと休日を過ごしてみるのもいいかもしれない。

くれぐれも小まめな水分補給をお忘れなく・・・。

タイフェスティバル2016

屋外イベントを快適に楽しむことができる季節に入っているが、今年もGW連休明けに東京都渋谷区の代々木公園で、タイフェスティバルが開催される。

第17回タイ・フェスティバル2016 (公式タイフェスティバルホームページ)

この場所では幾多のイベントが年中開催されているが、その中で圧倒的に人気が高いもののひとつが、このタイフェスティバルだ。使用されるスペースの広さ、露店を含むブースの数とバラエティ、人出の多さ、招聘されるアーティストの豪華さ等々、どれをとってもトップクラスである。

ただし、あまりの混雑のため、最近はここでゆっくりと過ごす気にはなれないのは少々残念。かつては、会場の隅のほうで、レジャーシートを広げて、家族や友人とのんびり過ごすのも良かったのだが、これとて近年はその数が目に余るようになり、会場を出入りする人々の動きを阻害するようにさえなってしまっている。

概ね天気に恵まれる時期ではあるものの、空模様ばかりはどうなるか、その時になってみないとわからない。会期には好天に恵まれるよう期待したい。