個人的には、近年におけるインド国鉄の快挙といえば、eチケットの導入である。わざわざ駅に出向いて列に並ぶ必要がなく、あるいは物グサして代理店に予約を依頼する必要もない。ただ自宅で予約サイトにアクセスして、IDとパスワードを入力して、運行日時と発着時間帯を見て、列車とクラスを確定するだけ。カードで支払い、eチケットをプリントアウトして、カバンにねじ込む。
ネット予約しても、結局は駅の窓口に出向いて(時には長い時間列に並んで・・・)予約票を提示して切符を受け取らなくてはならない某国のJRとかいう鉄道よりも、この点においては利用客にとっての利便性は非常に高いといえる。
唯一難点としては、すべての座席・寝台がネット予約販売されているわけではないので、込み合う時期やもともと運行数が少ない路線では、窓口ではまだ空きがあるはずでも、ネット予約分は早々に完売していることが往々にしてあること。
ところで、eチケット導入については、しばしインドに遅れを取っていたタイ国鉄だが、このほどようやく同様のサービスを導入している。
タイ国鉄予約サイト
インドから日本への帰りに、タイ航空を利用してバンコクにチョコッと滞在するという人は少なくないだろう。日数は限られているけど、市外にちょっと足を伸ばしたい、できれば夜行列車でチョイ遠くまで・・・というとき、バンコクからチェンマイ方面でも、あるいはハジャイ方面でも、タイ入国前に鉄道チケットが手元にあれば、行動範囲がグンと広がる。
道路網が非常に良く発達しており、高速バスが全国各地を頻繁に結んでいるタイだ。発着数やカバーする目的地の多さでは比較にならないが、旅情という点からは鉄道、あまりビュンビュン飛ばすのは嫌だから列車がいい、という人は私だけではないはず。
だがこのウェブでの予約について、全体の席の10%のみeチケット販売とか。残りはやはり従来どおりに鉄道予約窓口(タイの旅行代理店を通じての予約を含む)を通じての販売となるらしい。
とりあえず予定が確定したら、早めに席を抑えるのがよろしいようで。
カテゴリー: column
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タイ国鉄もeチケットの時代に
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煽る政府と暴走するメディア
今回はインドと関係のない話題で恐縮である。先週土曜日に初めて耳にした『豚インフルエンザ』の話題だが、その後の急速な展開には大いに戸惑っている・・・というよりも、日本のメディアによる取り扱いやこれに対する社会の反応について、大いに疑問を抱いている。
4月28日までの報道によれば、メキシコでこのインフルエンザの感染によるものと疑われる死亡例が152件であることが目を引くが、その他の国における感染者は、アメリカで64人、カナダで6人、スペインで2人、ニュージーランドで3人、イスラエルで1人、コスタリカで1人の感染が確認されている(その他の国における推定感染者を除く)とのことだが、実際のところどういう病気なのかはよくわかっていないようだ。
先述の報道の時点では、メキシコにおける死亡例の多さが注目されているものの、その他の国ではまだ死亡例は報告されていない。また症状は通常のインフルエンザと同程度で、患者は順調に回復しているとのこと。
何故、同じ型のウイルスでも、メキシコとその他の国々でこうも違うのか、まだその理由はよくわかっていないようだ。現地の医療事情や地域的な要因、つまりインフルエンザが頻繁に流行する地域ではよく見られる型のウイルスによる流行であっても、普段それとあまり縁がない地域では大きな被害をもたらすことがあるという。
日本で馴染み深い(?)A香港型のインフルエンザの流行により、2002年にマダガスカルで、5,000人の患者中、死者374人という惨禍をもたらした例がある。当地でこの型のウイルスにかかった経験が少なく、免疫が低い人々に広まったこと、栄養状態や医療の普及状態などといった要因も絡み合い、重症化する例が多くなったとされる。もちろん今回のウイルスは、私たちにとっても新型であるとされるわけだが、地域的には人々の持つ耐性に差があったりすることはあるのかもしれないという説もある。
メキシコとそれ以外の国において、ウイルスが悪さをする程度が違うことだけではない。メディアの報道とそれを目にした人々の反応にも、国や地域によってかなり温度差があるようだ。日本の対応は、ご存知のとおり非常に厳格である。
もちろん死者が大量に出てからでは遅いわけで、その前に被害を限定的に封じ込めよう、またその被害が及ばないように水際で阻止しようという意図はよくわかる。だが今回のインフルエンザについて、メキシコ以外で感染した例においては、毒性がそれほど強いものではないことがほぼわかっている今、これほどヒステリックになる必要があるのか、こうした対応に伴う高い代償を払ってまでそういう姿勢を取ることに合理的な理由があるのかどうか疑問なのだ。
日本のマスメディアにも問題があるようだ。『言葉の壁』のため、大多数の人が読むのが自国の日本語メディアに限られるので、テレビのニュースや新聞記事等の論調にいとも簡単に『洗脳』されやすい。日本において、それらメディア自体の均質性が高いため、どこも同じようなことを書きたてる。そのため、情報が統制されている状態に近いともいえるかもしれない。
言葉の壁以外にも、日本語圏自体が人口1億2千万を越える大言語圏であり、しかもこれの言語圏が日本国内に限定されるといって差し支えないものであるがゆえに、日本語による報道自体がほぼ同じ傾向に集約されやすいということもあるかと思う。 -
Namaste Bollywood #18

今号の表紙を飾るのはディーピカー・パードゥコーンである。ボリウッド作品への出演はすでに公開されたもので、まだ4作(Om Shanti Om, Bachna Ae Haseeno, Billu, Chandni Chowk to China)しかないとはいえ、この人の存在感には格別なものがある。
他の女優たちにはない神々しいまでのオーラを感じる。Om Shanti Omへの出演がそうであったように、彼女自身のキャラクターが映画の中での役柄とうまくマッチしたならば、共演する大物俳優の存在さえも霞ませてしまうほど、まばゆく輝くことだろう。
まだまだ彼女のポテンシャルはこんなものではないはず・・・と、ディーピカー主演で映画史に大きな名前を残す超大作が出てくることを心待ちにしているのは私だけではないはず。
さてナマステ・ボリウッド#18号の目玉は、特集『ボリウッドがやってきた!日本公開特集』とのことで、この時期日本国内公開のChandni Chowk to China, Slumdog Millionaire、アイシュワリヤ・ラーイが出演するThe Pink Panther 2、そして今月上旬に来日したA.R.レヘマーンへのインタビューが目玉。ご存知のとおり、インドの音楽界を代表する人物だが、Slumdog Millionaireでアカデミー賞オリジナル音楽賞と主題歌賞を獲得している。
この時期にいくつか続くインド関係の映画上陸が、日本におけるインド映画ブームの再来、ひいてはボリウッド人気の高まりということになっていくのかどうかはよくわからない。
しかし以前のインド映画ブームと大きく違う点としては、これら3作は順に?ハリウッド資本が注入された中華風ボリウッド映画、?インドを題材として、インドの人材を活用したイギリス映画、?インドの著名映画人が出演したハリウッド映画であり、?はともかくとして?と?についても、ストレートにインド映画と言い切れるのかどうかという点がある。イギリス経由で日本に入ってきた『カレーライス』ないしは日本式の『中華料理』ほどではないかもしれないが、本筋から離れていることが、個人的には少々気にかかっているのだが。
日本において良くも悪くもかつての『インド映画ブーム』にて、「インド映画ってこんなもの」という、ステレオタイプなイメージが定着してしまっているとともに、出演者についても固定化したイメージを抱いている人が多いことが、新たなインド映画熱の盛り上がりを阻害していると私は考えている。この観点からすれば、これまで日本国内で大々的に上映されていたものと切り口の違う作品を提示することの意味は大きい。
これを機に、さらに違った趣のインド映画、個人的にはとりわけボリウッド作品が紹介されるようになるといいと思う。さすがは製作本数世界一の映画大国だけあり、あまりお金がかかっていなくてもよく出来た秀作、ファンを熱狂させるヒーローやヒロインの出演はなくても、実力派の玄人俳優が見事に演じる渋い作品、挿入歌やダンスシーンなどはまったくなくてもシミジミと鑑賞できる映画というは多い。日本で公開されるインド映画のバリエーションを豊かなものとすることが、ファンの裾野を広げることにもつながるのではないかと思う。
また、ナマステ・ボリウッド主催のイベント情報も見逃せない。5月23日(土)には、ボリ祭2、続く5月24日(日)に「ボリウッド講座『想い出の小路』を語る」というイベントが予定されているとのことだ。詳しくはナマステ・ボリウッド#18あるいは同誌のサイトをご覧いただきたい。 -
ワールド・デジタル・ライブラリー
グーグルの書籍検索で、著作権がとうに切れた図書をダウンロードできる。それらの中には、ときになかなか貴重な歴史的な書籍があったりするため、ネット上で入手できるアンティーク本がこのところ気になっていた。だが、ここにきていよいよ真打登場である。
昨日、4月21日にユネスコが米国議会図書館などの機関と共同で設立するワールド・デジタル・ライブラリーが開館した。20か国の30を越える国立図書館などが所有する書籍や資料などが、ウェブ上で無料にて閲覧できるようになっている。
日本関係の展示物はこちら、そしてインド関係のものはこちらをご参照いただきたい。
スタートしたばかりということもあり、まだ蔵書等の点数は少ないものの、こうした取り組みは大いに注目されるところである。今後その内容をますます充実していくことを期待したい。
歴史的資料は、それを生んだ地域や民族固有の財産であるのみならず、この地上に暮らす私たちすべてが共有すべき貴重な遺産でもある。
UNESCO, Library of Congress and partners launch World Digital Library (UNESCO)
グーグル、米議会図書館に300万ドル–World Digital Libraryを支援へ (CNET JAPAN) -
池袋のベンガルな日曜日

生活のサイクルの中で、駅までの道のりや電車やバスといった交通機関の中で『いつも見かける人』として記憶している人物は少なからずある。その人と擦れ違うのがどの地点であるかにより、『今日の私は少し時間に余裕があるな』とか『まずい、今日は遅れてしまった』などと感じたりする。毎日顔を合わせる人たちだが、どこかで何がしかの接点がなければ、会話どころか挨拶をすることもない。
本日4月19日、東京の池袋西口公園にて、『カレーフェスティバル&バングラデシュボイシャキメラ』が開催された。昼過ぎから会場に出かけて、長男とビリヤーニーをパクついていると、ちょうどそういう『顔見知り』がいた。いつも私が降りる駅で、ホームから乗り込んでくるインド系の人が。普段一人でいるところしか見たことがないが、今日は奥さんと子供と一緒である。
『いつも××駅から乗ってるでしょう?』と声をかけてみると、バーングラーデーシュの人であった。なかなか話好きな人のようで、しばし楽しく会話させてもらった。明日からは、憂鬱な朝の鉄道駅のプラットフォームで挨拶する相手ができたことにもなり、ちょっと嬉しかったりもする。
さて、今日のイベントは、少し汗ばむほどの好天に恵まれたこともあり、盛大な人出であった。池袋西口公園が文字通り『満員』といった具合で、そろそろ他の会場へのシフトも考慮したほうが良いのではないかとも思った。この手の屋外イベントで、外国出身の人が八割以上というものは他にほとんどないのではないかと思う。もちろんここで言う外国出身者とはベンガル人たちのことである。
私が常々感じているとおり、彼らが日本に定着してからすでにかなりの年月が経過している。特にバブル期に来日して、日本で所帯を持った人たちについては、子供たちがすでに中学生やそれ以上になっている家庭が少なくない。そういう早い時期に来日した人たちに限ったことではないが、配偶者が日本人というケースが多く、日・バ混血の新しいタイプの日本人が育ってきている。
果たして、日本に定着したバーングラーデーシュの人たちは、時間と世代を重ねるにつれて、日本社会に同化、あるいは消極的な表現を取れば埋没していくのか、それともベンガル人ないしは南アジア系としてのアイデンティティを保ち、独自のコミュニティや生活文化を発展させていくのだろうか。
もちろんバーングラーデーシュ出身者とひとことでくくることは適当ではない。80年代後半から90年代初頭にかけて来日した人々は出稼ぎ目的でやってきた者が多かったのに比べて、この国からやってくる留学生たちはおしなべて高学歴志向だ。大多数が理系専攻で、留学先である日本で専門分野の修士号や博士号を取得後、外資系を含む日本の一流企業でプロフェッショナルとして勤務するエリートが多いことは、意外にあまり知られていない。
そうして日本で生活の基盤を築いた兄は弟を、叔父は甥を呼び寄せて同じように日本で高等教育を受けさせる。もちろん彼らも大半が理系分野に進学する。やがては彼らもそれなりの蓄えができると、身内の中で優れた者に同様の機会を与えるだろう。こうしてバーングラーデーシュから理系に強い人材が次々に日本へと渡ってきている。
IT関係で来日するインド人技術者と比べて、今のところ彼らは日本での定住志向が高く、今後日本に南アジア系社会なるものが形成されるとすれば、その中核となるのは間違いなくバーングラーデーシュの人々であると思われる。
ともあれ、池袋西口公園で毎年この時期に開催されるベンガル人たちのお正月イベントは大盛況であった。今年もまた良い年でありますように!

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邦字メディア
このところ、タイの政治の動きが気になり、同国の英字メディアに加えて邦字紙バンコク週報のウェブサイトを眺めていたらこんな記事が目に止まった。
インドの民間航空、バンコク便を延期 (バンコク週報)
ここにある民間航空とは、キングフィッシャー・エアラインのことで、今年3月からバンガロール・バンコク便を毎日運行させる予定であったのだそうだ。しかし機材繰りの関係でこれを今年10月に延期。また発着地もバンガロールの代わりにムンバイーとコールカーターからそれぞれバンコクに就航させる予定だという。 今のところ、首都デリー便は予定されていないようだが、日本からバンコク経由でインド行きの選択肢が増えるのは喜ばしいことである。
ところでバンコク週報といえば、ご存知のとおりバンコクをベースとする週刊の邦字紙。昨日は、想像を超える多数のアクセスがあった模様で、日中一杯はまったくつながらなかった。もちろんタークシン元首相支持者たちのデモ活動、政府が鎮圧に乗り出し、軍隊と衝突して死者まで出る騒ぎになっているがゆえのことである。
1976年の創業当時は週間バンコクと称していたそうだ。他にも海外の邦字紙といえば、シンガポールの星日報、フィリピンのマニラ新聞、インドネシアのじゃかるた新聞等、各地でいろいろ出ている。
現在これらは紙媒体のみならず、多くがウェブサイトも開設しているため、昔は現地の日本人社会周辺でしか見かけることのなかったこれらのメディアに、いとも簡単にアクセスできるようになっている。たまに覗いてみると、日本で発行されるメディアには取り上げられないトピック、日本のメディアとは違った視点なども感じられ、なかなか興味深いものがある。
海外の邦字メディアへのリンクをまとめて掲載しているところはないかな?と探してみると、ちょうどいいサイトが見つかった。
海外の日本語新聞 (岸波通信)
こうした電子媒体をも含めた邦字メディア、つまり海外発の日本語による報道といえば、おおまかに分けて三つに類型できる。
?在留邦人向け
まず第一に、先に上げた仕事などのために現地に在留している日本人たちのためのメディアだ。往々にして駐在期間が数ヶ月から数年と限られており、往々にしてその国や地域の事情にあまり通じておらず、コトバの問題もあり地元メディアによるニュースをなかなか得にくい人たちが主な購買層となるだろう。現地ニュースを噛みくだいて伝え、これと合わせて在留邦人たちに役立つ生活・娯楽ニュースなどを提供することに意義がある。
?日系人ならびに定住者向け
サンパウロ新聞やニッケイ新聞に代表される、海外に移住した日系人たちを対象に発行されているものだ。在住国のニュースが日本語で書かれている点では前者と似ているとはいえ、読者層の大半にとって『故郷』とは在住国そのものであるため、日本に対するスタンスがずいぶん違う。『父祖の国』の日系人に対する処遇がしばしば記事になったりもする。また『納骨堂詐欺にご注意』などという見出しが目に付いたりするのも、そこに根を張って生きる日系人たちの立ち位置が感じられる。また日系人たち(おそらく年配の方々が中心か?)の間で、日本の出身地を単位とする県人会活動が盛んなことも、そうした記事が多く含まれていることから推測できる。
?と?は、かならずしもはっきりと境界を区切ることができるものではないかもしれない。タイやインドネシアなどで生活の糧を得る生業を持ち、長年定住して家庭をもうけ、終の棲家としている日本人は少なくないし、ブラジルをはじめとする日系人社会の中に出入りする非定住型の日本人もある。
?日本語版外国メディア
最後に前者ふたつとは明らかに発行主体と目的が異なる邦字メディアがある。日本から見て外国の報道機関が、自国その他のニュースを日本語により日本人読者を相手に発信するものだ。必ずしも発行主体のある現地在住日本人を対象とするものではなく、日本で暮らす日本人たちに自分たちの国の様子を伝える役目をも担っている。ウェブ版の韓国の朝鮮日報、中国の人民日報などがこのタイプに当たる。もちろんロイター・ジャパンのような外国通信社が発信する日本語ニュースもここに分類できるだろう。
?はともかく、?と?については、一時滞在も含めて相当まとまった数の現地在住の日本人ないしは日系人の人口がなくては存在しえない。それがゆえに、アジアを中心とする各地で、新たな邦字メディアが生まれたり、日本語による主に娯楽関連のミニコミ紙が登場したりと活発に推移しているのとは裏腹に、中南米の邦字メディアについては、日系人の世代が下るにつれて、日本語を理解しない人が増えていること、父祖の国への文化的な関心も薄れていくことから、かなり苦戦しているところが多いということも耳にする。
インドの邦人人口はまだそれほど多くはないとはいえ、今後日印関係がより緊密なものになっていくのだとすれば、いつの日かインドで発行される邦字新聞というのも出てくるのだろうか。『日本語で読むインドニュース』を標榜する有料のウェブサイト、インド新聞や無料のインドチャンネルなどというものがあり、活発にインド関連のニュースを発信しているものの、これらはちょっと違う気がする。内容もさることながら、メディア自身が立つ軸足の関係である。
今、広く知られている邦字紙によるウェブサイトは、言うまでもなく既存の紙媒体のメディアが時代に合わせてウェブ版でも発信するようになったものだ。今の時代に発刊する邦字メディアは、紙面作成や頒布に人手やコストがかかるうえに、流通するエリアに限りがあり、保存性もよろしくない紙媒体をスッ飛ばして、直接電子媒体で・・・というのがいいのかもしれない。
ともあれ、メディアは社会の公器とはいうもの、れっきとした商売でもあるので、やはりそこはそれなりの需要があり、採算が見込まれることなしに存在しえないことは言うまでもない。 -
4月19日 池袋西口公園でバーングラーデーシュのイベント開催
今年で10回目を数える『カレーフェスティバル&バングラデシュボイシャキメラ』が、Japan Bangladesh Societyにより開催される。時間は午前11時から午後6時まで。
特にバブル以降に来日して根付いたバーングラーデーシュの人々は数多く、日本で結婚し、子供をもうけて、この国を第二の祖国とする人たちは少なくない。生活の基盤を日本に築き上げた親族の援助により、留学その他の目的で来日する『新世代』の若者たちの姿もある。
毎回大盛況で、もはや池袋の年中行事のひとつとして数えられるこのイベントだが、この楽しい催しが今後も末永く賑やかに開催されることを願おう。 -
吉祥寺の井の頭公園でダヂャン

4月12日(日)に、東京の吉祥寺にある井の頭公園にて、在日ビルマ人たちの『お正月イベント』であるダヂャンが開催された。
国名をビルマと呼ぶか、ミャンマーとするかについては、ちょっと迷うところではある。1988年8月8日から始まった大規模な民衆蜂起で、それまでビルマを支配していた社会主義計画党による政権の瓦解を受けて、当時国軍参謀総長の地位にあったソウ・マウン率いるクーデターにより軍事政権が発足。
1989年6月に、軍事政権が英語による国名をそれまでのBurmaからMyanmarに変更。これをうけて、日本政府も『ビルマ』改め『ミャンマー』と表記するようになり、大多数のマスコミもこれに従った。だが『妥当性のない政権』による国名変更は認められないと、各国の人権団体や一部メディア等においては、今でも英語で『Burma』あるいは日本語では『ビルマ』と表記しているところが少なくない。
しかしながら、もともとミャンマー語において自国を『Myanmar』と称していたため、英語による名称もそちらに合わせることになったからといって、何か理不尽な名前を押し付けられたということにはならない。国名以外にも地名がラングーンからヤンゴン、パガンからバガン、ペグーからバゴーに改称されるなど、1,000前後の地名変更があった。多くはやはり植民地時代に付けられた英語式のものからビルマ語式のものへの統一であったようだ。
話は英語による国名の変更に戻る。民主化運動への関わりのため、自国を出て日本やその他の国で長期に渡り生活している人々にとって、軍事政権によるこの決定は受け入れがたいことから日本語で自国を旧来の『ビルマ』としており、このイベントにおいて『ビルマ』という文字はステージや各テントその他に見られても、『ミャンマー』という国名はどこにも見当たらない。
イベントを運営する、あるいはここに参加していた人々の意思を尊重し、今日の記事中において『ビルマ』という名称を用いることとする。

前置きが長くなったが、本日の会場は公園内のテニスコート脇にある緑地である。陸上競技場としても利用できるようになっている場所だ。週末ともなると大勢の人々で賑わう井の頭池や井の頭自然文化園のあるエリアと違い、スポーツを行なう目的で来る、あるいは近所の人がジョギングや犬の散歩のために訪れるといったケースがほとんどのようだ。吉祥寺通りからかなり奥に入ったところでもあり、「たまたま通りかかったら、ちょうど何かやっていたから覗いてみた」という具合に偶然このイベントに参加したという人はほとんどなかったようだ。
そんなわけで、会場にいた人々の大多数がビルマ人、それに加えて彼らの友人あるいは他前もってこの催しのことを耳にしてやってきた日本人がチョボチョボ・・・といった様子。それでも人出は相当なもので、いろんな食べ物や飲み物を出す露店では、料理のプロらしき人も、まったく素人らしき手伝いの人も、みんな賑やかに働いていた。
大勢の人々が集まっているといっても、在日ビルマ人の社会はけっして広いものではないようで、会場で多くの友人・知人と出会い、大いに盛り上がっている姿を目にした。
在日ビルマ人の知り合いはほとんどいない私でさえも、数少ない知人のうちの一人にバッタリ出くわし、『ああ、やっぱり』と思った。
この集まりで特徴的なのは、反体制側にある人々が開催するものであるがゆえに、こういう類のイベントでよくある在日大使館による後援ないしは協賛といったものはあり得ないこと。また在日ビルマ人たちの自治組織が多く参加していることだろうか。
主催がビルマ民主化同盟であり、屋台などを出している参加団体については、日本語あるいは英語による表記があって私が確認できただけでも、在日ビルマ難民たすけあいの会、在日ビルマ人ホテル・レストラン労働組合、ビルマ女性連合、在日ビルマ連邦少数民族協議会、Punnyakari Mon National Society等があった。
日本での在留に関する相互扶助、労働問題への対応といった日本での生活にかかわるものの他に、多民族国家ビルマらしいのは、様々な民族団体が多数存在することだろう。今回もモン族その他の民族団体が来ていたが、昨年以前に飛鳥山公園で開催されていたときには参加団体はもっと多く、在日のシャン族その他各民族組織による出店がいくつもあったことを記憶している。
会場には、数は決して多くはないものの、インド系ビルマ人たちの姿もあった。東京都内で営むハラール食材屋の中には、ビルマ人ムスリムないしはインド系ビルマ人ムスリムが切り盛りする店がいくつかあるが、そうした店舗ではハラール食材ないしは南アジア食材を買い求めるインド系ビルマ人の姿を目にすることがある。
姿カタチはインドと同様でも、味付けがいかにもビルマ風に深いコクのあるサーモーサーをパクつきながら、ビルマが一時は英領インドの一部であったこともあること、主に都市部におけるインド系住民の多さなどを差し引いても、文化習俗など東南アジアの中でも地理的に最もインドに近いところに位置していることからくるインパクトの大きさなどをあれこれ思い浮かべたりしてみる。
カチン州、サガイン管区、チン州、ヤカイン州などといったインドやバーングラーデーシュと境を接する地域は、まさに東南アジアと南アジアというふたつの大きな世界の境目にあるわけでもあり、このエリアを縦断するアラカン山脈など、大きな史跡などは存在しないとはいえ、このあたりの生活文化は実に興味深いものなのではないかと思う。
ただし、この地域は往々にして外国人の訪問に制限があり、飛行機で特定の街にピンポイントで訪れることしかできなかったり、通れるルートがごく限られていたり、あるいは訪れる許可さえも取れなかったりする。
国境の反対のインド側の地域と合わせて、自由に往来して訪れることができる日が将来やってくることがあれば、これまであまりよく知らなかった新たな世界が私たちの目の前に姿を現すことになるのではないか、とさえ思うのである。
・・・と、他愛もないことを考えつつ、初夏を思わせる陽射しと爽やかな風を肌に感じつつ、ビールをごくりと飲み干す。屋外でこうしてノンビリ過ごすのが心地良い。今年もまた楽しい季節が巡ってきた。 -
4月12日 井の頭公園でダヂャン開催
昨年4月に『今年のダヂャンは熱かった』と題して取り上げた、インドのお隣りの国、ビルマからやってきた方々によるイベント『ダヂャン』が開催される。主催はビルマ民主化同盟で、ミャンマー大使館とはもちろん何の関係もない催しである。
日時は4月12日(日)の午前10時半から午後5時まで予定されている。以前は東京都北区の飛鳥山公園で行なわれていたが、今年は会場を移して吉祥寺の井の頭公園で開催される。
在日ビルマ人の様々な団体が出店等を出し、様々な食べ物や飲み物が並ぶ。今年のステージでは何が予定されているのかわからないが、おそらく歌あり踊りありのカラフルなものとなるのではないだろうか。
ビルマの人々が、日本でいえばお正月にあたる自国の水かけ祭りの時期を日本で祝おうというイベントだ。昨年のように制服姿の公安当局関係者が会場をウロウロして、あたり構わず来場者たちの写真を取りまくるような無粋な行為のないよう願いたい。
今週末、東京の桜は満開。長く寒い時期が終わり、ようやく屋外イベントを楽しめるシーズンの到来である。 -
一眼+ビデオ

3月26日(木)から29日(日)にかけて、東京ビッグサイトで開催されたフォトイメージングエキスポ2009に足を伸ばしてみた。ご存知のとおり、カメラ、レンズその他周辺機器および写真関連のメーカー等による見本市だ。いまやカメラの世界も一気にデジタル化が進んでいるので、こうした場でアナログ的な機器の展示はほとんどなくなっており、時代の流れを感じずにはいられない。
パナソニックの展示スペースでは、ルミックスDMC-GH1の実機に触れることができた。現在販売されているDMC-G1に動画記録機能を与え、加えて多少の改良を施したものである。
G1の機能や描写性能といった点においては、特に他社の同価格帯の製品を凌駕するものはなく、エントリー機ということもあり、ごくごくありきたりのカメラということになるが、マイクロフォーサーズ規格初のカメラということで、昨年秋の発売以来注目されているのは、そのコンパクトさだ。
また従来の一眼レフからミラーを取り去ったフランジバックの短さからくるボディを小型化できるとともに、従来のフォーサーズ規格よりもレンズのイメージサークルをかなり小さくすることができるため、カメラ・レンズともに相当な小型化・軽量化が可能となる部分である。
加えて、マウントアダプターを介して古いマニュアルレンズを装着することもできることから、メーカーが当初ターゲットとしていた女性ユーザーとは対極にあるカメラマニアックな人たちをも取り込むという奇妙な現象が起きている。
GH1とは、基本的に現在発売中のG1が持つ性能に多少の改良を加えて、ビデオ撮影機能を付加したものだ。これまでカメラの動画機能といえば、オマケ的なものに過ぎず、なんでもかんでもそれで記録するつもりにはなれないし、ましてやテレビに出力して鑑賞するなどということは考えられなかった。
しかしながらGH1のAVCHD動画の美しさには正直ビックリした。先述のフォトイメージングエキスポ会場では、40インチ超の大きな画面で再生されていたが、まるでビデオカメラで撮影したかのような鮮明かつ臨場感あふれる映像であった。
写真を撮るのは好きでも、ビデオには特に関心もなかった私だが、もし手持ちのカメラに専用のビデオカメラに引けを撮らない動画撮影機能が付いていたならば、ちょっと使ってみたいと思う・・・というよりも、ハマッてしまうかもしれない。
このGH1がマイクロフォーサーズ規格の第2号機ということになる。今後、G1も並行して販売されるようだ。こちらは、現在ボディのみだと5万円程度とかなり価格が落ちてきている。ビデオ機能の有無でどの程度の価格差となるのかまだわからないが、金額的によほど大きな開きがなければ、敢えてG1を選ぶ理由はないだろう。それほどGH1の優れた動画機能は魅力的だ。
G1にしてもGH1にしても、機構上の弱点としては、コントラストオートフォーカスという、端的に言えば一眼レフで使われるものではなく、通常コンパクトデジタルカメラに搭載されているオートフォーカス機構を採用しているため、他社のエントリークラスの機種と比較しても、フォーカス速度、連写速度ともに不利であるところだろうか。
それでも巷では『コントラストオートなのによくぞここまで快適に仕上がっている』との評価もあるのだが。しかしこの部分も、今後モデルチェンジを重ねるとともに改良されていくことだろう。
GH1と同時に、7-14mm/F4.0、14-140mm/F4.0-F5.8といったレンズも発売される予定。やや気になるのは、すでに発売されているG1のボディの価格に比べて、また他社のレンズの価格帯等と考え合わせると、かなり高めであることだ。 本日現在、kakaku.comに掲載されている価格を参照してみると、前者が10万円前後、後者が8万円台半ば前後といった具合だ。
いつかシグマやタムロンから、マイクロフォーサーズ規格の個性的なレンズが、よりリーズナブルな価格で発売されるようになるといいのだが。写真を撮るのは好きだが、カメラにそんなに大きな金額を注ぐことはできない。
このマイクロフォーサーズ、オリンパスからファインダー無しの非常にコンパクトにまとめたボディが2009年内には発売される予定らしい。機能面ではどういうことになるのか不明だが、パナソニックからそう遠からず発売されることになっているパンケーキタイプのレンズ20mm F1.7と合わせて、常日頃から携行するのもいいだろう。オリンパスからも同様のレンズの開発が進行中らしい。
まだまだボディ、レンズ、その他周辺機器も合わせて品揃えが貧弱なマイクロフォーサーズだが、今後商品ラインナップの充実に期待したい。マイクロフォーサーズが発表前の、つまり従前のフォーサーズ規格と違い、キヤノン、ニコンの二大巨頭との直接対決することなしに、個性的かつアイデアに富んだ面白い発展を目指しているようだ。今後も注目していきたい。 -
映画フレンドリーなPMP
以前、インド映画を屋外に持ち出そう!で取り上げてみたコウォンのA3は、とかく世代交代の早いこの手の商品の中にあって、まだまだ現役で売り場に並んでいる。
しかしこのところ、iPodをはじめとするPMP(Personal Media Player)と呼ばれる商品のバリエーションが拡大するとともに、低価格化が進んでいることが明らかに見てとれる。
現行のiPodにおいて、動画再生機能については、どちらかといえばオマケ的な位置付けとなっているのに比べて、新たにこの分野に進出してきた各メーカーによる製品は、動画再生に強いものが多く、映画を屋外に持ち出すのになかなか良い環境が揃ってきたように思う。

IriverのP20あるいはその下位機種のLplayer、前者は1万5千円前後、後者は容量にもよるが1万円前後で買えるようだ。

またCREATIVEのZEN X-FiはワイヤレスLANを搭載しており、32GBだと3万円くらい、16GBのものは2万円強と価格は高めだが、下位モデルのZENになるとかなり手頃感が出てくる。
これらのモデルは、価格面もさることながら、とりわけ動画再生に重きを置くとすれば、かなり有力な選択肢になり得るのではないかと思う。

ただしあまりに画面が小さすぎると見づらいのは言うまでもない。出先でもじっくり映画を楽しみたいという向きには、COWONの新製品A3のFlash PMP O2がいいかもしれない。
記録媒体にフラッシュメモリー(8GB, 16GB, 32GBの3種類)を採用し、画面はタッチスクリーンになっているため、同社のA3に比べて軽量かつ衝撃等に対する安心感に優れ、操作性も同社のA3に比べて大きく向上している。また画面サイズも4インチから4.3インチに拡大、重量は280gから205gへと軽量化している。
再生できる動画フォーマットは、AVI、WMV、ASF、MP4、MATROSKA(MKV)、OGM、MPG/MPEG、DAT、MTVだ。これだけ扱うことができれば、たいていの場合わざわざ変換する必要はないだろう。必要があれば、同社のマルチメディア再生・変換PCソフトJetAudio(ダウンロード無料)に含まれる機能のひとつである『video converter』を利用して変換することができる。
もちろんDVDデッキやテレビに直に接続して録画することもできるし、反対にテレビに出力して鑑賞することもできて便利だ。A3の場合は、別売りのオプションを入手することにより、ワンセグの視聴と録画も可能となる。
PMPとしてはマイナーな存在ではあるが、『音楽だけじゃなくて映画も』という方には、結論として、画面が大型で動画機能が充実しているCOWON製品を大いにオススメしたい。
これらの製品の中に日本メーカーの製品がひとつも取り上げなかったが、どうもいまひとつ『映画向き』というモデルを見つけることができないのである。東芝のギガビートのVシリーズなど、画面が大きめで悪くないかもしれないが、価格の割に容量が小さいし、対応する動画フォーマットが少なく、映画の持ち出し用としてはあまり魅力を感じないのが現状だ。
もっともこういう分野は変遷のスピードが速いので、半年あるいは1年後にはどうなっているかわからない。今後、定期的にチェックしていきたいと思う。 -
いつでもどこでもDropbox

昨年秋ごろサービスが正式に開始されたドロップボックスというウェブ上の無料のストレージサービスがある。
容量は2ギガバイト。従来のネット上のこうしたサービスの場合、いちいちパスワードを入力してログインしなければならないなど、使い勝手は良くなかった。だがこれは手持ちのパソコンに専用ソフトをインストールして、所定の手順を踏めば、使っているパソコンの『ドキュメント』の直下に『My Dropbox』というフォルダが作成され、あたかも自身の端末のローカルディスク上にあるかのような操作感が良い。
一度設定すれば、複数の異なるパソコンで同じフォルダをエクスプローラ上の同じ場所に共有することもできる。ローカルディスクの上に存在するかのような使用感でありながらも、ウェブ上に保存してあるため、他の端末からファイルにアクセスしても、ファイルに加えられた修正がちゃんと『同期されている』ということになる。
もちろん自宅外のパソコンを使用するときでもアクセス可能で、その際にはインターネットエクスプローラでDropboxのサイトにアクセスし、IDとパスワードを入力してデータを開くことができる。
多少難があるとすれば、普通の文書ならともかく、画像やPDFのようなサイズの大きなデータを保存すると、例えスピードの速いネットワークを利用していても、フォルダ上に反映されるのにかなり時間がかかることか。
だが普段アクセスするデータ類をこのフォルダに入れておけば、旅行の際でも利用するパソコンに日本語を扱う環境さえあれば、自宅で使っているパソコンに近い状態で利用できる。それがなくても、ID関係、eチケットの控え、旅行情報などをPDF化して保存しておくと、何かで役に立つこともあるかもしれない。
無料のサービスなので、突然サービスが停止・中止されないとも言い切れないこと、ちゃんとした安全対策は取られているようではあるが、ウェブ上で公開されているものである以上、セキュリティ面での懸念がないとはいえない。特に不特定多数の人が利用するネットカフェなどでは、たとえインターネットのブラウザからIDやパスワードを入力してファイルを開いても、第三者が不正にアクセスしたり、データが漏洩したりする可能性なども頭に入れておかなくてはならないだろう。
だがこれらを差し引いても、非常に便利なサービスだ。少なくとも必要になるかもしれない情報をUSBに入れて持ち歩くのと違って紛失の危険はないし、普段自宅で使用しているのと同じフォルダ構成となり、ファイルに手を加えるたびに同期されるため、ウェブメールのアカウント上に送っておいたりするよりもよっぽど効率的だ。
自宅で、出先で、はてまた旅行の際にも、いつでもどこでも活用したくなるDropboxである。
