Namaste Bollywood

Namaste Bollywood
 ついに日本でボリウッド映画専門情報誌が創刊された。現在この『Namaste Bollywood』の第2号が発行されており、日本各地のインド料理店や通販サイト等で無料配布されている。旬な話題作、注目のヒーローやヒロインたち、日本でのイベントや上映に関するインフォメーション、書籍や映画ソフトの販売情報、スター家系図等々、ボリウッド映画ファン必見の濃い内容の記事が並ぶ。またウェブサイト上にも、銀幕のスターや名脇役たちの紹介や作品レビューなど、読みごたえのある充実したコンテンツが満載だ。
 同じインドの映画でもタミル、テルグ、カンナダ、マラヤーラムといった各言語による他地域の作品は『圏外』とのことだ。この国における映画の世界はあまりに広く、『インド映画』という括りでは、何とも掴みどころのない茫洋としたものになってしまうことは必至なので、あくまでもボリウッド専門という潔さが個人的にはとっても嬉しい。
 さあ、あなたも行きつけのインド料理屋でこの情報誌を見つけたら、ぜひ一部ゲットしよう。
ボリウッド専門情報誌 Namaste Bollywood

加齢と闘うスターたち

 今年41歳になるサルマーン・カーン。特にインドではかなり大きな息子や娘がいても全然おかしくない年齢だが、80年代後半のデビュー当時と変わらないような役柄を演じ続けている。1965年生まれのアーミル・カーンだってまだ学生の役を演じることができるし、シャー・ルク・カーンもそんな歳にはまだまだ見えない。それでも3人とも1965年生まれだ。ジューヒー・チャーウラー、マードゥリー・ディクシト、アクシャイ・クマールらは彼らよりもふたつ下で今年39歳。
 でもこうした年齢は、日本はもとよりインドにおいてはなおさらのこと名実ともに立派なオッサンでありオバサンである。
 そういえば今では老人役ばかりの旧世代スターたち、今年64歳になるアミターブ・バッチャンは、50歳を目前にした15年前の『HUM』あたりまでは若者役が多かったし、リシ・カプールも10年少々まではまだまだ青年の役柄で映画に出演していた。90年代に差しかかったあたりは彼らにとってキャリアの大きな節目であった。
 観客側にしてみれば、野心溢れる青年たちがギラギラした中年期を経ることなく、いきなり年配者としてスクリーンに出るようになったのだから、どうも解せない気がするのは私だけではないだろう。

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ショーレーが帰ってくる

SHOLAY (1975)
 1975年公開のショーレー(SHOLAY)といえばプロデューサーのG.P.スィッピーとその息子ラメーシュ・スィッピー監督が製作、アミターブ・バッチャン、ダルメーンドラ、アムジャド・カーン、ジャヤー・バドゥリー(現ジャヤー・バッチャン)、ヘーマー・マーリニー、ヘレン等々、当時の豪華キャストをそろえた超大作。
 主人公のジャイ(アミターブ・バッチャン)とヴィールー(ダルメーンドラ)演じる若者のふたりが勇気と知恵をしぼってガッバル・スィン(アムジャド・カーン)率いる盗賊団を退治する冒険活劇はまさにマカロニ・ウエスタンならぬ『マサラ・ウェスタン』である。公開当時はまさに西部劇のコピーだとして批判も少なくなかったそうだが、現在のお金に換算して5千万ドルもの興行収入、ムンバイの映画館ミネルヴァ・シアターにおけるなんと286週!という超ロングラン上映期間ともに、ボリウッド映画史上燦然と輝く金字塔を打ち立てた。
 私はその当時の熱気を知る世代ではないためビデオで鑑賞しただけだが、YEH DOSTIの歌とともにアミターブとダルメーンドラがサイドカー付きのバイクで駆けてくるシーン、ガッバル・スィンの野営地でバックに流れる音楽MEHBOOBA MEHBOOBA とともに挑発的なヘレンのダンス等々、とにかくワイルドなカッコ良さに大いにシビれた。
 この映画に出演した豪華キャストの中からアミターブ・バッチャンとジャヤー・バッチャン、ダルメーンドラとヘーマー・マーリニーという当時の映画界を代表する二大カップルが実生活でゴールインしている。
 1975年リリースのオリジナルのショーレーでは、ジャイ役にモヒト・アフラーワト、ヴィールー役にはアジャイ・デーヴガン、盗賊団の親分を倒すジャイ役を演じたアミターブ・バッチャンが今回の新作ではかつてとはまったく逆に大悪党ガッバル・スィンに扮する。ちなみにガッバル・スィンは1950年代にマディヤ・プラデーシュ州のグワリヤル周辺を荒らしまわり悪名を馳せた同名の実在したダークーがモデルとなっている。旧作にてこの役で出演したアムジャド・カーンは、1991年公開のラームガルのショーレー(RAMGARH KE SHOLAY)でも同じ役を担ったが、映画公開の翌年1992年にはそれまで長く患ってきた心臓病が原因で亡くなった。
 来年、そのショーレーが私たちの前に帰ってくる。監督はラーム・ゴーパール・ヴァルマー。彼が32年前の超大作を現代の私たちの前でどのようにリメイクするのかお手並み拝見といったところだ。
 世代を超えて愛される冒険活劇として旋風を起こし、映画史に再び名を残すのだろうか、それとも時代錯誤の懐古趣味、あるいはくだらないパロディーと一蹴されるのか。
 彼が指揮を取る作品ならば必ずやヒネリの効いたオリジナリティ溢れる面白い作品になるのではないかと期待している。でもあまりに偉大な『ショーレー』の看板を背負う以上、ある程度の興行成績を収めることができたとしても、世間は月並みな評価で放っておいてはくれず絶賛か酷評かのふたつにひとつなのではないかという気がするのだ。
 ともあれ2007年版のショーレーが今からとても気になっているのは私だけではないだろう。

Bollywood Legends

Bollywood Legends
 イギリスの玩具製造販売会社Spin Master Toys UKが、シャミーン・ジヴラージのプロデュースによるボリウッドスター人形の販売を始めてひと月あまり。在英の方はこれらをToys R Us、 Harrods、Argos などの店舗で購入することができる。価格は一体25ポンド。ちなみにインドでは999ルピーという価格設定になっている。
 イギリス、インド両国以外の国から取り寄せるならば、amazon.co.ukに注文するのが最も手っ取り早い方法だろう。
 今のところ出回っているのはシャー・ルク・カーン、カージョル、リティク・ローシャン、プリヤンカー・チョプラーだが、今後も新たなモデルを市場に投入していく予定らしい。
 個人的に最も気になるのは、サンジャイ・ダットがどんな格好でこの『Bollywood Legends』シリーズに加わるのかというところ。映画MUSAFIRそのままの格好で登場したら即ゲットして部屋に飾りたい。
 もしBollywood Legends Classicとしてラージ・カプールやナルギスの人形も出てきたりすることがあればそれらもぜひ手に入れたいが、果たしてそんな予定はあるのだろうか?
Bollywood Legends (amazon.co.uk)
B’wood dolled up to catch them young! (CNN-IBN VIDEOS)

「ロリウッド」にボリウッドの足音が聞こえてくる

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 1965年に勃発した印パ戦争以来、パキスタンではインド映画上映が禁止されているが、人々は主に海賊版等によるレンタルビデオ、VCD、DVD、ケーブルテレビなどといったメディアにより、インド映画によく通じていることは広く知られているところだ。そのパキスタンで今、「インド映画解禁」の動きがあるという。もちろんそれとは並行して強硬な反対意見もあるのだが。
 下記リンク先の記事によれば、パキスタンで1970年には1300もの映画館があり、年間300本もの映画が製作されていたものの、現在では映画館わずか270と見る影もなく、昨年の製作本数はなんと18作品でしかないのだという。この国では映画産業の衰退が深刻な問題になっている。
 その背景にはいろいろな原因があるようだが、インドにくらべてショービジネス界への偏見が強く、才能あるタレントを発掘しにくいことからくる人材不足、隣国インドの映画を締め出した結果生じた保護主義的な環境の中で、競争力が失われたことなども含まれるのではないだろうか。映画界の尻すぼみ状態から資金も不足すれば、優れた演技者や制作者の育成が難しくなることは想像に難くない。ハリウッド、ボリウッドといった呼称にならい、パキスタン映画製作の中心地がラホールであることから「ロリウッド」と呼ばれていても、産業としてはインドのそれと比較して相当脆弱なのだ。
 インド映画が本格的に入ってくることにより、地元映画の「ボリウッド化」が懸念されているというが、パキスタンの映画館そのものが自らの生き残りのためにインド映画を必要としているというのは皮肉な話だ。ハリウッド映画の配給は高価だし、庶民たちには言葉の壁もあるため、やはり頼りになるのはボリウッドというわけだ。
 とりあえず今年末をメドに最近カラー化されたクラシック映画MUGHAL-E-AZAMが上映されようかという動きになっている。

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