追放される喫煙シーン

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 近年、インドでタバコを吸う人がずいぶん減っているように思う。鉄道その他公共の場所での禁煙化がとみに進んでいるこの国、日本に比較して喫煙率はかなり低いようだが、それでもインドで喫煙が原因とされる病気で亡くなる人の数は年間80万人から100万人と言われる。
 そんなインドの保健省から、今年の8月から(あるメディアには7月とも)映画やテレビで喫煙シーンを流すことが禁止されるとの発表があり、波紋を呼んでいる。
 現在のところ未確認とのことだが、ひょっとするとインドは映像から喫煙シーンを排除する世界最初の国となる可能性もあるらしい。
 今後、スクリーンに登場する悪役たちをどう演出していくのかちょっと気になるところだ。安易に紫煙で斜に構えた役柄や退廃した雰囲気を出すのではなく、それなりの工夫が求められるようになる。禁止以前の古い映画については喫煙シーンが映る際に「タバコは健康を害する」と警告を字幕で流すのだという。
 表現の自由にかかわることとはいえ、映画の大衆性と影響力を考えればそういう判断もまあ是とも非とも言えない気がする。喫煙行為への風当たりがとみに強くなっている昨今である。
 だが下記のリンク先(BBC South Asia)記事中の「今度は暴力を助長するから銃器を見せることを禁止するんじゃないか?」俳優アヌパム・ケールのコメントにあるように、政府によるさらなる干渉を危惧する声もあるのはもっともなことだろう。
 個人的にはタバコよりもある意味同調できる部分がある。近年のボリウッド映画の中で、かなり行き過ぎた暴力シーンが少なくないように感じる。ある程度自粛ないしは規制がなされてもいいのではないかと思うのは私だけではないだろう。
 
फ़िल्मी पर्दे पर धूम्रपान पर रोक (BBC Hindi)
Anger at Indian film smoking ban (BBC South Asia)
Smoking scenes banned on screen as India steps up anti-tobacco war (YAHOO ! NEWS)

「追放される喫煙シーン」への3件のフィードバック

  1.   おっ!
    今回はBBC Hindi記事へのリンクがヒンディー語でいきなり表示されたのでドキッとしました。
    さらに内容と関係ないコメントで恐縮ですが…、
    チャール・ミーナール印の煙草なんてあるんですね!
    やはりハイダラーバード産のブランドなんでしょうか?

  2. え〜と・・・?
    インドのどこから出ているタバコでしたっけ??
    両切りの安いものですが、味は決して悪くないです。
    だいぶ前から禁煙しているので、タバコの味から遠ざかっていますが。

  3.  個人的にはフォー・スクエアが好きです・・・
    チャール・ミーナールは日本でも売ってますね。300円くらいしますが。
    タイでは喫煙シーンでタバコにモザイクがかかっているらしいですが、実際どうなのでしょう?安宿ばかりでタイであまりテレビ見なかったので・・・

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