インド国営航空会社二社統合へ

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indian
エア・インディアとインディアン(元インディアン・エアラインス)の統合がいよいよ差し迫ってきた。両社を併せて122機のエアクラフト、3万4千人の従業員(1315人の操縦士を含む)国内線およびインド発着のフライトのそれぞれ2割のシェアを持つ。
今のところエア・インディアがインディアン・エアラインスを吸収合併するのか、あるいはその反対なのか、はてまた両社とも一旦解散してふたつを合わせた新会社が立ち上がるのかよくわからない。
だが主に国際線を飛ばす前者と国内線を主体に近隣国へのネットワークを持つ国営二社の合併により、従来よりも効率的かつ競争力のある航空会社へと脱皮させようというのが狙いである。両社を所有するインド政府は統合後の新会社を世界のトップ30航空会社の中のひとつとなり、1億1300万ドルの利益を稼ぎ出すことが期待されているのだという。
航空省のパテール大臣の発言によれば、今後2、3か月のうちに統合させるとのことだ。

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今や北東地域にも進出 新興航空会社ネットワーク

北東インド
コールカーターからグワーハーティー、テーズプルからジョールハート、インパールからアイゾール、シローンからコールカーター・・・。
コールカーターを軸とする北東インドへの航空路、北東州内の空のネットワークといえば、ついこの間までは国営のインディアン・エアラインス(および子会社のアライアンス・エアー)にジェットエアウェイズ、そしてごく一部にエアー・サハラといった具合に旧来の会社による独占市場であった。
近年、雨後のタケノコのように次々と会社が設立されて乗り入れ先をジワジワと広げつつあった新規参入各社ネットワークは、旧来の会社ほどの体力もないことから経済的に進展著しい地域に特化してきた。その結果、コールカーターを除けば当分の間インド東部には及ばないように思えたのだが、今やその『空白地帯』で異変が始まっている。新興の航空会社がこのところ次々に北東部へ進出してきているのだ。

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ノック・エアーがやってくる!

なかなか立派な面構え
 バンコクの空港ターミナルで私が乗っている飛行機の真横に巨大なクチバシがあった。それはカラフルで途方もなく大きな鳥・・・のごとくペイントされたノック・エアーの飛行機である。
 インドにやや先行して空の便に格安航空会社がネットワークを広げてきたこの国で、タイ国際航空の子会社として2003年12月に設立され、2004年7月から旅客輸送を開始している。 2007年1月現在、タイ国内で11のルートでフライトを飛ばしている。
これは『クジャク』であろう
 ピンク、赤、グリーン、青等々、ベースになるカラーリングは機体によりさまざまで、操縦席のガラス窓がまるでサングラスをかけているように見えるものもあれば、目尻(?)に睫毛が描かれているものもある。それにクジャクをあしらったデザインもあったりして実に楽しい。
 塗装がとってもカッコいい(?)のでぜひ一度搭乗してみたいのだが、いまだ果たせないでいる。もっとも面白い絵が描いてあるのは外側だけで、搭乗して目にするものは他の航空会社のものと何ら変わるところがないはずなのだが。ちなみに使用している機材は親会社であるタイ航空からリースされたものである。
こんな素敵なプロペラ機もある
 実はこのノック・エアー、近々国際線への進出が予定されている。記念すべき初の国外へのフライトが飛ぶ先はなんとインド!らしい。もともと昨年10月に開始を予定されていたのだが、諸般の事情によりしばらく延期となっており、2007年1月にはインドのエアー・デカンと提携してバンコク・バンガロール間のフライトを就航させる・・・というニュースが流れていたのは昨年秋ごろのことであった。
 就航先のバンガロールでも、ノック・エアーのカラフルでポップな機体がしばし話題を呼ぶのだろうか。
バンガロール便の就航が待たれる
Nok Air
Nok Air to fly to India in January 2007(Aviation India昨年9月の記事)

バングラデシュの翼 日本乗り入れ便運休

biman bangladesh
 長らく親しまれてきた(?)バングラデシュ航空の東京便が運休となる。(よくビーマン・バングラデシュという表記を見かけるが、本来『・』の前に部分については『ビマーン』とすべきである)
 この決定がなされたのは今月に入ってからだが、少なくとも今の時点では11月から来年3月まで、東京発着便の運行停止が確定している。4月以降については今のところ未定。同社に問い合せてみたところ、理由は『不採算路線のリストラによるフライトネットワーク再編成』とのことである。
 無論、先進国の首都に飛ばすから儲かるというものではない。今年5月のファクルル・イスラーム・アーラムギール航空大臣の発言によれば、ダッカ・ニューヨーク便についてはフライトあたり8万ドルの赤字が出ている計算になるとそうだ。もちろん発着にかかる費用や燃料費のみではなく、アメリカ現地に事務所を構えて操業するにあたってかかるトータルなコストを含んでの話である。

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団塊パイロット、インド進出?

 日本ではいよいよ来年度あたりから団塊の世代の人々が定年を迎える退職ブームが訪れる。日本の航空業界もその例にもれず熟練操縦士たちが大勢辞めていくことになる。そんなわけでパイロット不足は何も格安航空会社がフライトを伸ばすインドその他の国々に限ったことではないらしい。
 このほど全日空が中心となり、同社から退職するパイロットと米国航空業界などでリストラされた元パイロットたちを集めた操縦士派遣会社が設立された。これで航空会社には機体を操ることのできる人材を補充し、かつ個々の有資格者の雇用をつなぐことができるという、企業と操縦士の双方にとって『渡りに船』の状況を創出したことになる。
 でもよくよく考えてみれば航空会社にとっては人件費の削減への期待が高まり、それとは裏腹に現役パイロットたちにとっては雇用条件が大幅に切り下げられることへのおそれにつながる。実はこうした状況は多くの勤め人たちにとっては対岸の火事ではないのだ。まったく違う業界にあってもこうした風潮は回りまわって自分たちの身にも降りかかりかねない問題なのでちょっと気になるところであろう。
 それはともかく格安航空会社の台頭などにより需要が逼迫している国々への派遣も計画しているとのことだ。インドの航空機に乗り込む日本人操縦士を見かけたり、日本人機長が機内アナウンスで挨拶をしているのを耳にしたりなんて日は近いのかもしれない。
「パイロット派遣します」 全日空など新会社設立へ (asahi.com)