異なる世界の狭間 ミャンマー

3回連続でのミャンマー関係の話題で恐縮である。

しかしながらインドの隣国であること、英領期にはインドと合邦していた時期もあること、ムガル最後の皇帝バハードゥル・シャー・ザファルの流刑地であったこと、20世紀初頭のヤンゴンは事実上「インドの街」であったことなどから、インド繋がりで関心のあるミャンマーということでご容赦願いたい。

Travel Visionのサイトを閲覧していると、今年の7月から8月にかけての古い記事になるが以下のようなものがあった。

ミャンマー国際航空、9月にチャーター4本、JTB九州単独で (Travel Vision)

首都圏や大阪エリア以外でもミャンマーへの航空需要の観測気球が上げられているようだ。今年のGWには成田と関空以外からも、福岡と沖縄からミャンマー国際航空(MAI)のチャーター便が飛んでいたとは知らなかった。

またこんな記事もある。

全日空、ミャンマーの新興航空会社に投資、株49%取得 (Travel Vision)

「現在は国内線のみを展開しているが今年10月には国際線の就航を予定」とあるものの、今年11月現在までのところ、国際線への進出は果たしていない。しかしながら今後は全日空とのコードシェア便等の導入がなされることがあれば、大いに利用価値のあるものとなるかもしれない。

一度就航して、間もなく運休していた直線距離にして100km程度ながらも、タイ南部からが再就航した、こんなルートもある。

ミャンマー、タイ、ノックエアー「モーラミャイン~メーソート」間の直行便再開(9月~)(Travel Vision)

ミャンマーのモーラミャインとタイのメーソートの間にあるミャワディ/メーサウ国境は、今年8月末ごろから、ミャンマーとタイの他の3つの地点(タチレイ/メーサイ、ティーキー/プナユン、コタウン/ヤナウン)とともに、往来がタイ・ミャンマー以外の第三国の人々に対しても自由化(これまでは制限付きでこれらの地点を越えることができた)されることとなった。人の流れとともに、物流も盛んになることだろう。

Four border checkpoints to be opened to all this week (The Nation)

もとより、タイひいては東南アジア地域とインドを結ぶ動脈としての展開が期待されているミャンマーだけに、国境の東側、つまりタイ側と較べて半世紀ほど時代を遡ったようにみえる現在のミャンマーのこの地域においても、その時差をダッシュで取り戻そうとしているかのような変化が訪れることになるであろう。

タイ側は経済活動が活発なので、いろいろな動きが伝えられてくるが、反対側の国境つまりインド側は経済面でも政治面でも後背地であるため、華やかなニュースに欠ける。しかしながら、ナガランドからミャンマーへの鉄道接続計画、北東インドの街からミャンマーの街への国際バスルート開設の構想なども聞こえてくる。

当然のことながら、同じく国境を接している中国とミャンマーの間の行き来も非常に活発で、雲南省と隣り合わせのミャンマー北東部のラーショーなどのように、商売のため越境してくる中国人のプレゼンスが大変目立っていたり、このエリアで走り回る乗用車、トラック、バイクなども日本車ではなく、中国からの輸入車両が多かったりといった具合に、中国の存在感が大きい。

何よりも、ミャンマーが欧米先進国等による経済制裁下にあった時代、大手を振って進出してきて広く浸透したのが中国資本であり、市場を席巻する中国製品である。

中国と東南アジアの狭間であり、南アジアと東南アジアを繋ぐ地勢でもあり、また中国とインドをリンクする地域でもある。

経済発展により、多民族国家の生活様式や文化の多様さは失われていく運命にあるのかもしれないが、周囲との行き来が活発になることにより、ミャンマーを取り囲む、文化・伝統が異なり、政治体制も経済も何もかもが異なる「世界」からの影響を受けて、どのように変化・発展を遂げていくのか非常に興味のあるところだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください