コーラープト 1 近郊のコートパドへ

 列車内で目が覚めた。窓の外は起伏のある緑豊かな大地。ところどころに川が流れる田園風景が美しい。 

ダマンジョーリーという駅では沢山のタンク車両が線路上に停車している。どれもNALCOと書かれている。National Aluminium Company Ltd.という政府系企業の略称である。 

地域で採れるボーキサイトを原料とするアルミの生産を行なう拠点となっており、ここは丸ごと『NALOの町』であるらしい。 

朝9時半にコーラープット着。町は駅から少し離れており、乗り合いオートを利用する。このあたりは海抜870 m前後。高原というほどでもないが、お茶の栽培ができそうな丘陵地帯である。 

ここでの宿泊はRaj Residencyという2009年開業のホテル。まだ新しいので部屋等はきれいだが、ちゃんと手入れされているわけではない。そのため順調に『標準化』が進んでいるため、今後ずっと快適であるという保証はない。 

客室内の照明が明るいのは助かる。日記を書く習慣があるため、机があるとないとでは効率も疲労度もずいぶん違う。だがエコノミーな宿で、室内に机があるところは案外少ないものだ。何かしら書く習慣のある人以外にはほとんど無用のものであるからだろう。 

昼からクルマでコーターパドという町に行く。ここの町外れにある職人たちが暮らしている一角では、多くの家庭で手作りの布地を作っている。糸をつむぐところから仕事が始まり、染色から機織まですべての工程が手作業である。 

多くは綿地だが、タサルつまり野蚕を紡いだ糸で織ったショールもあった。タサルといえば、ビハールやジャールカンドで採れるものがよく知られているが、ここオリッサでも産出しており、アーディワースィーの人たちが収穫してくるとのことだ。 

コーラープトからジャイプルを経由して行ったが、ところどころ道がかなり悪い部分がある。ジャイプルはローマ字では新聞等でしばしばJaipurと書かれることがあるものの、概ねJeyporeと植民地時代風の綴りで書かれる、 

<続く>

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