コールカーターの「魯迅路」と「中山路」1

 

ふと目が覚めると外はまだ暗い。早朝のコールカーターは、昼間の喧騒とクルマの多さがまるでウソのようにガラガラだ。人々は一体どこからやってきて、どこに帰っていくのだろうか?とさえ思う。 

ともあれ早起きは三文の得なのかどうか知らないが、ともあれコールカーターの朝といえば、まずは中華朝市に向かうのが私の習慣になっている。 

本当は日曜日が最も露店が多いし、休日のため華人たちの人出もやや多くて良いのだが、平日であってもなかなか楽しい。肉まん、シュウマイ、蒸し餃子、中華風スープなど本格的な中華軽食が待っていてくれるのはこの地域を置いて他にない。この朝市を簡単に紹介する以下のようなビデオがある。

Kolkata Chinatown Breakfast (Youtube) 

とりあえずタクシーをつかまえて朝市に向かう。地下鉄ならばセントラル駅北口に出て、目の前のNew C.I.T. Rd.(少し西に進むと通りの名がIndia Exchange Plaxe Extn.に変わる) を少し西に向かったところにある。この通りは別名Lu Shun Saraniと言う。 

Lu Shunとは、中国のピンイン式の表記ならばLu Xun即ち20世紀初頭の中国の作家、鲁迅のことである。この「鲁迅路」のすぐ南にはSun Yat Sen St.がある。これまた中国に因んだ名前だ。Sun Yat Senとは孫逸仙こと孫中山、言うまでもなく孫文のことである。そのためSun Yat Sen St.とは、中国や台湾の街で言うところの「中山路」となる。いかにも「中華街」らしい。ここからしばらく西に進むと、Old China Bazar Rd.という通りも見受けられる。かつてこのあたりに華人たちが多数居住した名残だろう。 

今でも華人たちによる食堂、靴屋、美容室、ドライクリーニング屋などといった、いかも華人的な商売の店が少なくない。加えて建築資材や塗料その他の店や小規模な会社のオフィス、中国寺院、同郷会館といったものが点在している。このエリアはムスリム地区に隣接しており、元々中国人たちの下で働くムスリムの人たちが多かったこともあり、旧来から出入りは多かったはずだが、「ここが旧中華街である」と言われなければ、ワーキングクラスのイスラーム教徒たちが多い地域だとしか思わないはず。 

路地を歩きながらよくよく眺めてみると、苔むした中華風の雰囲気を漂わせるボロ屋を出入りする彼らは多いが、華人の姿はごくごく少ない。ゆえに「旧中華街」と表現するのが適当だ。それでも最近はコールカーターの外から来たインド人観光客がグループや家族連れなどが、わざわざ早起きしてこの朝市を訪れ、シュウマイその他のスナックをつまむというケースが増えてきているのだとか。 

<続く>

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