ブラック・ファンガス

このところインドのテレビニュースを含めた各種メディアで新型コロナ感染の患者が回復期に「ブラック・ファンガス」に冒されるという事例が多く報じられている。「真菌感染症」のことだが、致死率は50%で、眼球や顎の骨を切除しなくてはならなくなったりする場合もあったりするというから恐ろしい。

「ブラック・ファンガス」といえば、私たちは食材のキクラゲを思い浮かべてしまうが、同じ「菌類」でも、それとこの病気の原因となるものとはまったく異なる。新型コロナの症状が重くなった患者には、炎症を抑えるためにステロイド系の薬が投与されるが、この副作用として免疫力が低下すると、生活環境に普遍的に存在する真菌類がと取り付いて起きる真菌感染症「ムコール症」。新型コロナに感染さえしなければ、こうした薬を投与されることはなかったため、この病気に関連して起きたものだと言える。

インドの国営放送「ドゥールダルシャン」のニュース番組では、この「ブラック・ファンガス」について、『患部が黒くなる場合が多いので「ブラックファンガス」と呼ばれるが、必ずしも黒くなるとは限らない。気が付くのが遅れないよう注意する必要がある。』と報じていた。

州によっては、この「ブラック・ファンガス」について、エピデミックを宣言しているところもあるが、コロナそのものと異なり、「ブラックファンガス」自体は人から人へ感染する類のものではない。身の回りのどこにでもある真菌類が原因のとても稀な症状で、前述のようにステロイドの大量投与で免疫力が極端に低下するという特殊環境で起きるものであるからだ。

インド、新型ウイルス患者の間で真菌感染症が急増(BBC NEWS)

 

「ブラック・ファンガス」への2件のフィードバック

  1. 数年前にインド旅行中に、お尻の穴周辺が痒くなったので、
    薬屋でClofereshという軟膏を買ってつけていた。
    その薬の箱にはstronger ant-fungal creamとあったが、
    詳しい成分には、ofloxacin、ornidazole 、terbinafine
    clobetasolとあって、調べてみるとそれぞれ抗菌薬、原虫・高アメーバ薬、抗真菌薬、ステロイド外用薬だそうだ。
    要するに、何でも効く薬なのだ。
    帰国後、皮膚科に行くと女医さんが患部から採取したモノを顕微鏡で
    見てくれて「カンジダですね」と抗真菌薬を処方してくれた。
    ピンポイントに効く薬だ。
    ティラキタにもインドの風邪薬は飲み込むのがタイヘンなほど
    大きくて、何でも入っているとか。
    インドは薬を安易に使いすぎているのだ。
    (もっとも日本も「高齢者」が日常服用している薬の数は10種類だと薬局で聞いたけど!!!!)

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