インドの5年ヴィザ

観光目的でのe-Visaで「5年間有効」というものが導入されたのは昨年の夏の終わりから秋口にかけてであった。

1回の滞在が180日以内、入国回数はマルチプルで取得日から5年間は、航空券さえ買えばインドに出入自由となることから、ずいぶん助かると思っていた。

e-Visaによる入国は、インドにおける28の空港(アーメダーバード、アムリトサル、バグドグラ、ベンガルール、ブバーネシュワル、カリカット、チャンディーガル、チェンナイ、コーチン、コインバトール、デリー、ガヤー、ゴア、グワーハーティー、ハイテラーバード、ジャイプル、コルカタ、ラクナウ、マドゥライ、マンガロール、ムンバイー、ナーグプル、ポートブレアー、プネー、ティルチラッパリ、トリバンドラム、ヴァラーナースィー、ヴィシャカパトナム)及び海港(チェンナイ、コーチン、ゴア、マンガロール、ムンバイー)のみ可能となっており、陸路での入国は不可とされるらしいが、出国においては外国人が通過できるチェックポストならばどこでも可能なようだ。

つまりインドから隣国のネパールに出てからインドに戻るという場合、例えば陸路でゴーラクプルからネパールに入り、カトマンズから空路でデリーに入るというような具合になるのだろう。

これまでのヴィザの場合、いちいち申請する手間はもちろんのこと、パスボートにシール状のものが貼られるため、回数を重ねると冊子が厚くなってしまうのも難点であった。

それまでのe-Visaは事前に出発前に申請した後、インドの空港に到着してから取得ということになっていたし、事前準備なしで空港で申請できるアライバルヴィザについては、担当官の対応がスローでとても時間がかかったりすることがあった。到着が深夜など変な時間の便だと疲労困憊することに加えて、事前に取得しておかないと、インドのことだから何かあるかもしれないという不安感からも、このところは事前に大使館で申請・取得することにしていたのだ。

今回のe-Visaは、申請してからPDFで発行される。インドに行く際には、印刷したものを持参し、出国するまでこれを持参しておくというもので、これが5年間使えるというのは大変ありがたいものであった。このe-Visa取得に先立ち、10年旅券を申請した私である。

同じパスボートで幾度もインドヴィザを繰り返し申請していると、大使館で「何の目的か?」と尋ねられて担当官との面接まで実施させられたこともあったし、あまり良いことはないため、これまでは有効期間5年間の旅券を繰り返し取得していた。

そんなこんなで、5年間有効のe-Visaを取得したのは今年の1月のこと。これで安心していつでも時間と航空券を工面すればインドに行くことかできる、そして長い期間有効なインドヴィザを持っているので、途中で何回かパキスタンを訪問することについても懸念はないと安心しきっていると、新型コロナウイルス感染症の流行に足元をすくわれたのが今年の2月の終わりあたり。インド政府がイタリア、日本などの国籍の者に対して「発行したヴィザの効力を停止する。既に入国して滞在している者についてはこの限りにあらず(しかし出国すると再入国不可)」ということを発表したからだ。

新型コロナウイルス感染症については、これまでで一番ひどいときには9月12日の97,570人、9月17日の97,894人をはじめとする10万人超の大台に迫ろうかという勢いであったが、10月6日には8月25日以来の61,267人という数字にまで下がっている。(それでも1日で6万人超というのは大変な規模だが・・・。)

新型コロナ感染症の広がりが、ピークを過ぎようとしているのか、これから秋・冬と季節が移ろう中で、再度拡大していくのかについては、まったく予断を許さない状況にある。人口規模が大きいだけに、拡大していくとすればその伸びしろも大変大きなものとなってしまう。

10月6日現在で新型コロナ感染者が世界で最も多いアメリカで7,679,908人、次いで2位のインドが6,685,082人という数字になっている。インドにおいて幸いなのは、日々の新規感染者数に近い規模の人数が毎日回復していると報じられていることだが、人口構成が若年層に厚いためだろう。。

当分の間、インドに入国することはできなくなってしまっているが、人口大国のインドにおいてなんとか終息の方向へと進み、人々の暮らしや経済活動が再び軌道に乗って進んでいってくれることを切に願わずにはいられない。

 

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