パナジーへ2

旅行とは、「筋書きのないドラマ」的な側面もある。
「これで終点のパナジーまでラクチン」とタカをくくっていると、そこからさらに3時間ほど進んだところで、バスはお馴染みのブレークダウン!

往来の少ない道路でバスが故障という状況からの「突破」を図ろうとする乗客たち

ーインド人の突破力ー

何度もエンジンをかけて、しばらく吹かしている運転手。何事かと尋ねると、圧縮ブレーキの圧力が不足しており、ここから下り坂が続くので、不安とのこと。それはホントに危険だ。運転手の敗北宣言を耳にしたインド人乗客の対応は素晴らしかった。

乗車たちは手ぶらで身軽な人も大荷物を抱えた人も即座にバスを出て、道路際で待機する。往来がやけに少ない道路で、ようやくやってきたバス乗り込めないと、バスで目の前を塞がれて停車した自家用車やトラックのドアを空けて我先に乗り込む。おばさんたちも『どこか町までよろしく!』と、太い腕と大きな尻をぐいぐい押し込んで乗車する。確かに一人で乗ると、どんな人のクルマかわからないので怖いのだが、同じクルマに5人、6人乗れば安心。見事なものだ。そこに割り込もうとした私だが、バワー不足で入れず。

車掌は通りかかりのバイクを止めてくれたが、パナジーまでかなりあるし、ヘルメットなしというのも怖い。リュックもあるので、さすがに遠慮しておく。私の代わりに若いインド人たちが乗っかっていく。

インド人とはいえ、みんながみんな、押しが強いわけではなく、私と同じく突破力に不足している控えめな人たちが取り残された。

その後、だいぶ経ってから、さきほど敗北宣言したはずの運転手が『まぁ、なんとか行けるかも?』と、バスを転がし始めることになったのだが、『やっぱりねぇ、圧縮ブレーキのプレッシャーが足りなくて怖いや・・・』とボヤきつつ、ノロノロと運転。

私の今後の課題は、やはり「突破力」である。

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