王子様、旅立つ!

photo by Mantra Online News
 ちょうどいま、インドは総選挙の時期を迎えている。日程は地域によって異なるが4月20日、4月26日、5月5日、5月10日に投票が行なわれる予定。
 国民会議派総裁=ソニア・ガーンディーの息子、ハーヴァード大学卒34歳のラーフル氏がアメーティー選挙区からの出馬を正式決定したことに国民の注目が集まっている。
 今回の選挙には娘のプリヤンカーが出るのではないかという予想もあったが、彼女は兄の選挙キャンペーンの応援に回ることになった。同地はウッタル・プラデーシュ州にあるネルー=ガーンディー家の伝統的な選挙区だ。父親で元インド首相の故ラジヴ・ガーンディー氏もかつてここで戦ったことがある。
 近年ジリ貧状態に追い込まれている国民会議派にとっては、初代首相の曾孫、「女帝」インディラの孫にあたる人物の登場は明るい材料ではあるが、政治経験もない青年にどれほど期待できるものだろうか。
 彼が無事当選し、しばらく経験を積んだ後、ようやく母親のソニア氏は家庭に戻れるのかもしれない。出馬したラーフルの胸のうちは本人にしかわからないが、かつて王朝とまで揶揄された家の嫡男に生まれたことで、結局政治以外の道を選ぶことを許されなかったのではないか。
 余談になるが故ラジヴ・ガーンディーの弟で、1980年に自家用機の事故で亡くなったサンジャイの妻マネカとその息子、つまりラーフルの叔母と従兄弟は国民会議派と相対する陣営にいる。こちらの動向も注目したいところだ。
▼’Rahul and I are inseparable’
http://timesofindia.indiatimes.com/articleshow/602854.cms
▼Rahul Gandhi files election papers
http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/3602091.stm

「世俗」ってなんだろう?

グル・ナナク

 フランスでのイスラム教徒女子学生ヘジャーブ、スカーフ着用禁止問題については、今までもしばしばマスコミで取り上げられ、日本でもよく知られる。ところが、このたび新法が施行されると、国内すべての公立学校で、イスラムのみならず宗教を象徴するあらゆるものの着用が禁じられてしまうため、同国在住のスィク教徒たちは危機感を抱いているという。

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一寸先は闇…

 インド・パキスタンを結ぶ唯一の列車、サムジョーター・エクスプレスの運行が2年ぶりに再開された。昨年夏から再びデリー・ラホール間を走りはじめたバス、今月初めから復活した空路とあわせ、印パ間の往来はようやく平常に戻ったように見える。
 近頃マスコミが報じる両政府の動きを見るかぎりでは、隣接するふたつの国の関係は、これまでのところ順調に修復へと向かっているようだ。

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