シェムレアップ到着

シェムレアップの空港からは宿が差し向けたオートが待機していた。ここから市内に向かうのだが、まず空港エリアから大通りに出たところで驚いてしまう。片側3車線の見事な道路だ。市内へ進むにつれて、大きな建物が増えてきて、ずいぶん昔のことを言っても仕方ないのだが、かつて木造の家屋ばかりが並んでいたころとはまったく異なる。

宿に着いてチェックイン。知らなかったがここは日本人が経営するホテル。ブッキングコムで予約したら日本の方から連絡がきた。日本人スタッフがいるとは珍しいなと思ったら、日本の個人が所有するホテルとのこと。カンボジアで会社登記しているそうだ。

宿の隣の食堂メニュー。カンボジアの旅行事情はよく知らないのだけれども、旅行者ゾーンとはいえ普通の食堂に見えるのに、すべてドル表示というのはすごくなぁ。

こういうところで地元の人たちはいくらくらい払っているのか知らないけど、外国人旅行者たちにとって、日本の外食はずいぶん割安だなぁと今更ながら思う。もちろんカンボジアのほうがトータルなコストは安いのだけれども。

ドンムアンの朝

バンコクのドンムアン空港向かい、ワット・ドンムアンの斜向かいにあるゲストハウスを利用したが、ここからすぐ近くに早朝まだ暗いうちから賑わうマーケットがあるのが嬉しい。夜が明ける前からいろんな生鮮食品類が売られており、マーケットの中でもすぐ外でも、そこで働く人たちやお客さんたち目当ての露店や食堂がすでに商っている。

市場の露店の肉と野菜のぶっかけご飯は美味しそうだったし、すぐ外の店の何種類かの串焼き肉も良さげだったが、心地よいガス臭に誘われて行った先には、「銘菓ドリアン」があった。これから空港に行くので切り身でないといけないため、このくらいでちょうど良い。殻を切り開いて順に取り出した果肉を分けているはずなのだが、房のひとつひとつで味わいが異なり、同じ房でも部位により、微妙に味覚が異なるのがドリアンの面白いところ。

市場の片隅にスペースを見つけて食べる。本日の朝食はドリアン、つまり果物という名の洋菓子である。カスタードクリームと生クリームが不揃いに混ぜてあるムース、それでいて繊維感もあり、洋酒の香りとオニオンの臭みをかけあわせたハーモニー。

ドリアンを食べてからしばらく続く、この安堵感と恍惚感。いわゆる「ナチュラル・ハイ」である。この「ハイ成分」の正体が何であるのか、今に解明される日がやってくるに違いない。

ドンムアン空港へ

翌日朝はドンムアン発でチェックインが早いので、スワンナプーム空港からの無料シャトルバスで移動。到着ロビー3番ドアの出たところでドンムアン発のチケットを見せると乗車できる。

午後8時半に出発して、午後9時15分にドンムアン空港出発ロビー到着。空港に面した道路の反対側へ。宿はワット・ドンムアンの正面にある。

狭くて簡素だが宿の人たちの感じは良い

巡り合わせの隣席

成田からバンコクへのひたすら退屈なフライトと思っていたが、なかなかどうして楽しい時間となった。隣席の若い女性が話好きで、この人が取り出すトランプで遊んだり、いろんな話をしたりしているうちにアッと言う間に着いてしまったからだ。

こういう巡り合わせがあると暇な飛行時間が俄然楽しくなる。

この人はスペインからの旅行者で、この月初めに日本に関空に到着して、長野県で山歩きをしたり、お城を見たり、そして関東も何ヶ所か訪れて、東京も気に入ったらしい。

20代後半くらいだろうか。自国では博物館での仕事をしていたが、契約を打ち切られてしまったため、とりあえず次の職探し前に人生初のアジアを訪れたとのこと。

私にとってはごく当たり前の日本だが、彼女にとっては目にするものも食べ物も、何かと物珍しかったらしい。そういう話を聞くと、「へぇ、そんなに面白いならば行ってみようか」と思いそうになるが、それらは私たちの日常風景であった。

生まれ育ち、今も住んでいるのは「とても田舎の村」とのことで、大阪や東京のギガサイズの街並みにも仰天したという。欧州の近隣国以外はどこも訪れたことがなかったとのことなので、ちょうど昔々に私が生まれて初めての海外旅行でインドを訪れたときのような感激であったらしいことがひしひしと伝わってくる。

たまにこうして旅行に出ると、いろんな国の様々な年代の人たちと話ができるのも楽しい。

近年感じるだが、かつてはスペイン、イタリア、フランスなどのラテンヨーロッパから来た旅行者の中には英語をあまり理解しない人が多かったり、中にはほんの片言のみの人たちもけっこういたりしたのだが、今やもうそんな具合ではなくなっている。特に若い人たちはそうだ。

「グローバル化」というのは、様々な分野で進んだが、言葉もまた同様なのだなあと思う。

空港のオオトカゲ

成田空港のトイレで手を洗っていたら鏡の向こうに直立歩行するオオトカゲが視界に入った。

「えぇっ?!」と思わず直視してしまったが、歩いてきたのはインバウンド旅行者と思われる若い西洋人。

衣類から露出しているところ全てにタトゥーが入っており、坊主頭にもきっちり模様が刻まれているため、視界の端っこのほうで大きな爬虫類にみえたのだ。いやーすごいなぁ、こりゃあ。「耳なし芳一」かよ?たぶん衣類の下もあんな調子なんだよね?

待合室でも見かけたので、彼も同じフライトの乗客らしいが、その彼女と思われる人もこれまたすごい。

粋がってとか、お洒落でタトゥーを入れる人は多いが、度が過ぎると自傷行為に他ならないのではなかろうか。こういう人たちには治療が必要なんじゃないかと思う。おせっかいかもしれないけど。