リコーGR-Digitalを越えるか? シグマDP1

シグマ DP1
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 昨秋発売されたリコーのGR-Digital。ほぼ一年間使ってみた感想としてはレンズ性能、搭載機能、充実したアクセサリー類を含めた拡張性等非常に満足度が高いモデルだと思う。胸ポケットにすっぽり収まってしまうコンパクトさもまた大きな魅力だ。そのおかげで常日ごろどこへ行くにもまさに肌身離さず持ち歩いている状態なのだ。
 しかし不満もある。1/1.8型という小さなセンサーを使用しているためだろうか、ISO感度を高くすると画像がひどく荒れてしまって使えないし、ラティテュードが狭く被写体のコントラストが高ければいとも簡単に白飛びしてしまう。それでもコンパクトな大きさで28mmの単焦点のモデルは今のところGR-Digitalしか存在しないので特に目移りすることはなかった。
 ところが・・・である。ドイツのケルン・メッセにて開催のフォトキナ2006で参考出品されているシグマのコンパクトデジタルカメラ「DP-1」はどうだろう。35mm判換算で28mmの単焦点レンズを持つこのカメラは、発売されればおそらく日本で始めてとなるFOVEON X3センサー(1406万画素)を搭載していることだ。このタイプのセンサーの特色は、光の三原色を1画素で捕らえることができることである。そのため銀塩写真に最も近い画質を実現できるのだとか。これに対して現在一般的な撮像素子は1画素で1色を取り込んだ後に補間処理による画像生成が行なわれる。FOVEON X3センサーは偽色の発生を抑え、より鮮明で正確な色を再現するといわれる。 
 
 このセンサーは今年11月に発売予定の同社の一眼レフSD14に搭載されるものと同じである。コンパクトタイプのデジタルカメラに一眼レフ並みのAPS-Cサイズのセンサーが搭載されるのは世界初だ。これでようやく先述のGR-Digitalに感じていた不満の解消が期待できるだろう。ただレンズの開放F値が4.0と暗いのが気になるところだが、『撮像素子にスタビライザー機能を搭載している』とのことで、どうやら手ブレ補正機能が付いてくるらしい。いまのところ細かいスペックは明らかになっていないが、画像を見る限りではGR-Digitalとよく似たフォルムであり、ボディサイズもほぼ同等らしい。発売から一年にしてようやくGR-Digitalの対抗馬の姿が浮かび上がってきた。
 発売時期は未定だが、来年1月あたりには・・・という話がある。発売に先行して店頭での予約受付が始まった途端フラフラと注文してしまう自分の姿が目に浮かぶ。。コンパクトデジカメとしてはかなり高価なものとなるはずだが、日常や旅先でもマルチに重宝する高品位なカメラとしても注目されることだろう。そしてもちろんインドでも大いに役立ちそうな予感。
コンパクトデジタルカメラ SIGMA DP1開発のお知らせ(シグマ)

インドでいかが?

レンズベビー 2.0
 近ごろネットなどで話題になっているLensbaby 2.0を手に入れてみた。鏡胴部分が樹脂でできた蛇腹状になっていてグリグリと曲げることができる。ここに捻りを加えることによって画面にアオリを生じさせて画像の周囲を流したりボカしたりという効果をいろいろ加えることが可能。日本では昨年初夏に発売されて評判を呼んだレンズベビー・オリジナルの改良版とでもいうべきもので、日本では昨年8月から発売となっている。
 価格は前者が12,600円、後者は19,950円である。両者の違いといえば『2.0』で開放値がF2.0(オリジナルはF2.8)となり、絞りの板の固定がマグネットでなされるようになったこと、レンズが光学ガラス2枚構成となりコーティングも改良されたことなどである。
flower
 オモチャみたいな造りのこのレンズは35mm判で50ミリ相当の画角を持つ。一眼レフ製造各メーカーのマウントの規格に合わせたものが販売されており、銀塩、デジタルともに使用可能である。絞り優先オートとマニュアルモードで撮影することができる。
 フォーカスは完全に手動。先述のとおり蛇腹部分をビヨヨ〜ン伸ばしたり縮めたりして焦点を合わせ、グイグイッと捻ってアオリを加えるのだが、ごく微妙な力の入れ具合で効果が全く違ってしまうため、風景や静物を連続して撮影していても同じ写真は二度と出てこない。まさに一期一会であるのが難しくも面白いところだ。自在に操るには慣れが必要みたいだ。   
 絞りはF2.0, 2.8, 4, 5.6, 8と5段階あるが、真ん中に穴が開いた絞り板をレンズの上から指で落としこむという素朴なものである。作業はやや面倒くさいのだが口径部に付いている小さな磁石固定されるため、撮影中に台風並みの強風でも吹かない限り簡単に落ちてしまうことはない。 もちろん絞り込むほどにアオリの度合いが少なくなり、普通の写真に近くなっていく。
噴水
 オプションで販売の専用フィルターを装着してマクロ撮影も可能だ。カメラ本体に装着すると実にユーモラスな姿となる。やたらと癖があるレンズだが人物、建物、自然、 マーケット、夜景など何を撮ってもそれなりに面白い絵になることが期待できそうだ。
 ただしAPS-Cサイズのセンサーを持つカメラではほぼ中望遠域の画角になってしまうためワイドコンバーターが欲しくなる。そこでKenko社製のワイドコンバージョンレンズ0.5倍と合わせれば使用機会がより増えることだろう。
ビル
 こんな奇妙なレンズを常用する人はあまりいないと思うが、ごく小さなモノなのでカバンの隅にでも放り込んでおけば、ときに面白い絵と出合うことができるはず。インドでも大活躍する潜在力を秘めたアイテム・・・かもしれない。
レンズベビー

やっぱり良かったこのレンズ

 被写体という『ソフト』の宝庫がインドならば、カメラやその周辺機器といった『ハード』大国はニッポンだ。特に写真がデジタル時代を迎えてからはその傾向が一層顕著になっている。
 先日『旅行に最適な一本!』として取り上げてみたシグマ17-70mm 2.8-4.5 DC MACRO を手に入れてみた。レンズの長さ、鏡胴の太さや重量はおなじくシグマのデジタル専用レンズ18-125mmあるいは18-200mmといったものと同等でかなりコンパクトだ。
 正直な話、17-70mmといえば焦点距離の重なるレンズを複数持っているため、このテのズームレンズをマクロ機能目当てに購入するのはもったいない気もしていた。それならばちゃんとしたマクロレンズを購入したほうがいいだろうと。
 しかし店先で試用品に触れてみて「あぁ、これはいい!」と迷いは吹っ切れて、その場で購入。なんがそんなに良いかといえば、やっぱりマクロ機能なのである。最短撮影距離がズーム全域で20センチ(カメラボディの撮像素子表面からの距離)なので、70mmのテレ端を使う場合はレンズ表面に衝突してしまうくらい接近できる。この焦点域では開放値が4.5と暗くなってしまうものの、一本のレンズでマクロ撮影を含めてほぼ何でもこなせてしまうのはとっても便利だ。それに広角端では開放値は2.8と同程度の焦点域のズームレンズよりも明るいこともなかなか気に入った。
 さっそく試しにユリの花を撮ってみる。
ユリ
 シグマとタムロンの両社は常に一方が目新しいモデルを出せばもう一方も同種の競合モデルを出し、交換レンズの分野でしのぎを削りあう二大巨頭といった感じだが、今回もやはりシグマのこのレンズにぶつける魅力的な製品を市場に送り出している。それは 
SP AF17-50mmだ。テレ端が50mmと短いものの、ズーム全域でF2.8という使い勝手の良さそうなもの。焦点域によって最大開放値が変動するシグマ17-70mm 2.8-4.5 DC MACRO(標準的なズームレンズはたいていそうだが)に対し、この部分は大きなアドバンテージだ。
 最短撮影距離27センチと大きいためマクロ的に使う場合は前者のシグマ製品に軍配が上がるのだが、こちらもまた優れたレンズだと思う。
 近ごろはデジタルカメラもいろいろと多種多様になってきている。次から次へと興味をそそるものが出てきて目の毒だ。

αの復活

a100
 かつて一眼レフのオートフォーカスの先駆者であったミノルタ。合併してコニカミノルタとなってから一眼レフ機のデジタル化に出遅れたものの、完成度の高いα7 DIGITALそして 廉価版のαSweet DIGITALと、内容の濃い骨太モデルを投入して巻き返しを図ったもの時すでに遅く、デジタル化に先行したキヤノンとニコンの前になすすべもなかった。今年春先にはファンから惜しまれつつもカメラ事業の舞台から退場することとなる。
 このため一時は消滅するのかと思われていた『α』ブランドが息を吹き返した。このたびソニーから期待のデジタルカメラが発表された。7月21日に発売される同社最初のデジタル一眼レフ機は、その名も『α100』である。
 ミノルタ伝統のカメラ事業をそっくり引き継いだソニー。いったいどんなカメラが登場するのか興味津々だったが、やはり旧ミノルタの偉大な資産、αシリーズを継承したことで長年のミノルタファンはホッと胸をなでおろしたことだろう。これまでのコニカミノルタの路線を継承するものであり、旧来のシステムをそのまま使用できるからだ。
 すでに購買予約受付は始まっている。ボディのみの価格は10万円前後となる見込みらしい。コニカミノルタ時代のモデルよりも強化された手ブレ補正機能 (2〜3.5段分)がレンズではなくボディ自体に組み込まれているのはありがたいし、レンズ交換の際などにCCD表面に付着しがちなゴミへの対策も織り込まれているのもいい。もっとも後者については、本来すべての一眼レフデジタルに装備されているべきだと思うのだが。
 
 第一作目は旧メーカーのブランドネームや既存システムといった資産を活用し、従来のαシリーズの路線を踏襲したものとなった。新規参入ながらも、旧来からのコンポーネンツやユーザー等をそのまま引き継いでいるのは強みだ。新モデルのデザイン、操作スイッチ類の配置、設定等に関する液晶画面の表示方法なども、旧メーカーのものを踏襲しているようだ。従来からのαシリーズのユーザーたちからは好感を持って迎えられるのではないだろうか。また購入検討中の潜在的顧客層からみても、ソニーはこの分野では未知数のメーカーだが、あの『ミノルタの後継者』ということから安心して購入できるのではないだろうか。
 コニカミノルタの写真事業撤退以来、カメラ屋で同社製品は投売り状態だったり、ショーケースの隅っこに置かれたりするようになっていた。ところがこのところちょっとした異変が起きているのだ。東京中野にあり名前がよく知られた大きなカメラ屋さんでは、店舗入口真横に『α』コーナーが設けて、ソニーによる新生α広告チラシとともに、ミノルタ時代、コニカミノルタ時代のαシリーズの在庫を並べて、『お一人様一点限り』で売り出しているのだ。ソニー効果で急に需要が出てきたらしい。またお店にとってはこの機会を利用して売り切ってしまいたいところなのだろう。
 既存の路線をそっくり受け継いだように見えるα100は、とりあえずは試運転といったところなのだろう。発売後の反応などを見てから、ソニー独自のカラーを強く押し出したモデルが登場してくるに違いない。
 カール ツァイスとの共同開発レンズを含めた21本の交換レンズ群も順次発売予定とあるし、その他様々なアクセサリー類も続々投入される予定だ。今後の進展から目が離せない。光学機器メーカーが長年育んできた優れた技術とハイテクメーカーによる卓越した画像処理テクノロジーの融合。この夏、新生αの逆襲が始まる。
 被写体の宝庫インドでどんなカメラを使うか。目的や好み人それぞれだが、こうして次第に選択肢が広がっていくのはうれしいことである。もちろんレンズを含めた周辺機器類も合わせると高額な買い物となるため、目移りしてもすぐ他社のものに乗り換えるわけにはいかない。これまでコンパクト機のみ使ってきた人たちが一眼レフに乗り換える例がとても増えていることもあり、デジタル一眼レフ市場はこのところやたらとホットで、わずかここ数年の間に急速に成熟しつつある。
 ともあれどんなタイプのモデルであろうと、お気に入りのカメラを片手に試行錯誤しながらインドの美しい風景を切り取るのは楽しいものである。

旅行に最適な一本!

シグマ
 先日は『旅行仕様の楽しいカメラは?』で、旅先で手軽かつ便利なカメラについて考えてみた。今回は旅先にレンズを持っていくなら何だろうかと探ってみることにする。もちろん身軽であることを大前提である。あえて一本でだけ持参するならば何か、最も便利なものはどれだろうか。
 汎用性という部分を重視すれば、画質に優る単焦点レンズよりもズームレンズということになる。このところコンパクトデジタルカメラの高級機種購買層がデジタル一眼レフ汎用機種にシフトしていることが示すとおり、主要各社ともこのタイプのカメラは高級なものからエコノミーなタイプまで、ほぼ出揃ったようだ。それだけに数年前までは『デジタル一眼専用設計』(35mmサイズよりひと回り小さいAPS-Cサイズのセンサーを持つカメラ用)なんてコトバが新鮮に響いたものだが、いまやこの手の様々なタイプのレンズが大量に市場に出回るようになっている。
 銀塩カメラやデジタル一眼レフでも最高級クラスで『フルサイズ』つまり35mmサイズのセンサーを装備したものよりも画角が狭くなる。そのため焦点距離の1.5〜1.6倍くらいの描画となってしまうため、従来使われていたレンズを装着すると望遠側に有利だが広角側が弱いなんて言われていたのも今や昔。 APS-C自体の画角に合わせた規格のレンズが各社から続々出ているため、もはやそんなことを口にする人はいなくなった。
 しかしこの『デジタル専用』レンズはフルサイズのセンサーを持つカメラで使用すると、元来の画角の違いから周辺がケラれてしまうため使えない。そのため昨年発売になったキヤノンの5Dの例に見るように、フルサイズのデジタル一眼レフが次第に低価格化してきたら、それまでに買い揃えたAPS-C用レンズを見捨てて飛び着くか、それとも高級機はフルサイズ、汎用から中級機クラスはAPS-Cといった棲み分けが今後も続いていくのか、気になる人は少なくないだろう。
 ともあれ一眼レフレンズとしては手頃な価格帯かつ汎用性の高いタイプの中で魅力的なレンズはいろいろある。シグマの30mm F.1.4 EX DC HSM は、35mm換算でほぼ従来の標準レンズに相当する画角だ。開放値がとても明るく描写も美しい優秀なレンズである。普段、便利だからとズームレンズばかり使っている私などは、このレンズを手にするとあらためて単焦点のレンズって違うなあ・・・と感心してしまう。
 ズームレンズではタムロンのベストセラーAF28-300mm Super Zoom F/3.8-5.6 Aspherical XR [IF] MACROはデジタル対応のDi仕様となり相変わらずの人気らしい。だがこれでは広角側が不足して困るではないか・・・と思っていたら、2004年に出たシグマの18-125mm F3.5-5.6 DCは大きな反響を呼んだ。
 やっぱりこういうレンズを待っていた人は多かったのだ。何しろこういうカメラは重くて大きい。持たなくてはならない荷物は他にもある。『どれか一本だけ付けて出かけよう』となれば、広角から望遠までひとつでカバーできるものがあればありがたい。このタイプのレンズ、続く2005年には同じシグマから望遠側の焦点域を大幅に伸ばした18-200mm F3.5-6.3DC、そして同社のライバルであるタムロンからはAF 18-200mm F/3.5-6.3 XR Di II LD が発売となり、『これは便利だ』と飛びついた人は多いのではないかと思う。年末近くなってからはニコンからAF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)という同じ焦点域ながらも手振れ補正機能、しかもその効果たるや4段分というからスゴイ。このテのレンズの真打登場といったところだろうか。個人的にはニコンを所持していないので使うことができない。購入を検討するわけにもいかないのは残念である。
 でもよくよく思えば、ただ旅行するだけで200?の焦点域、35mmカメラ換算でなんと320mm!なんていう超望遠を利用することなんてほとんどないと思う。
 従来、一眼レフの交換レンズにおける手振れ補正機能といえば、焦点域が特に長い超望遠レンズによく付いているが、それ以外でISつまり手振れ補正が付いたものは今のところあまりなかった。私自身は2004年に発売されたキヤノンのEF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMを使ってみてとても感心した。開放値がやや暗いのは気になるが、三段分の補正機能は、特に薄暗い朝夕の手持ちで撮る際、あるいは屋内での自然光での撮影など、旅先での大きなアドバンテージであろう。テレ端は85mmだが35mmカメラ換算で136mm。このくらいあれば充分だとは思う。
 超広角ズームも各社からいろいろ出ていて面白い。場合によってややエキセントリックな画となるかもしれないが、キヤノンのEF-S10-22mm F3.5-4.5 USMは非常に重宝かつ楽しいレンズだ。つまり従来の35mm銀塩カメラに換算すれば、16mm〜35mm程度に相当するのだ。16mm!というややムチャな画角で撮っても歪みは想像していたよりもずいぶん少なく、一見マトモな絵に見えてしまうのがうれしい。胸のすくような広がりを写せるし、あるいはスペースの関係で後方に引くことができないところでも非常に便利である。試しに猫の額ほどの中庭しかない(失礼!)東京代々木上原の東京ジャミーで一枚撮ってみた。もちろん10mm(35mm銀塩換算で16mm)の広角端を使用した。ここを訪れたことのある方ならば、このレンズの効果のほどはお判りいただけると思う。
東京ジャーミー
 ぜひバッグの中に常時放り込んでおきたい一本ではあるが、やや特殊なこのレンズでなんでもかんでも撮るわけにはもちろんいかない。
 また出かけた先でブツ撮りもやってみたい。するとちゃんとしたマクロレンズも欲しくなるのだが、こちらもやはり必要に応じてのワンポイント起用になるはずだから、『これ一本で』の候補にはなりえない。欲しいものすべてをうまく掛け合わせたものはないものだろうか・・・。
 そうした中で、今年2月に出たシグマのレンズはとても気になっている。17-70mm F2.8-4.5 DC MACROは、『被写体に寄れるデジタル専用大口径標準ズームレンズ』とのこと。最短撮影距離はズーム全域で20cmだそうだ。コンパクトデジカメと違って一眼レフの場合、この距離とは銀塩カメラのフィルム面に相当するセンサー表面からの距離なので、実際のワーキングディスタンスはわずか3cmほどになってしまうのだからスゴイ。被写体にレンズがカチンとぶつかりそうなくらい接近できるのである。ウェブ上で作例や製品レビューなどを見てみると、なかなか評判が良いらしい。
 35mm換算で27mmから112mmほど。望遠域はやや弱いとはいえ、もともと銀塩時代は今のデジタル一眼レンズみたいな超高倍率なものはなかったし、このくらいが最も実用的ではないかと思う。ズームレンズとしてはかなり明るいF2.8というのもうれしい。しかも本格的なマクロ機能付きとくれば、すぐにでも飛びつきたくなってしまう。これならば特に他のレンズを携行しなくても不便は感じそうにないし、埃っぽいインドでレンズ交換の際、センサーに向かってドカドカと大小のゴミが飛び込んできて付着するのに悩まされなくて済みそうだ。
 あれこれ考えていると私自身が買う気に満ちてきてしまった。人それぞれ写真を撮る目的は違うし、好みや考え方だっていろいろだろう。あくまでも私個人の独断であり、しかも性急すぎるかもしれないが、このレンズこそ現在『インド旅行に最適な一本!』と言い切ってしまおう。