その写真、どうやって撮ったの?

Exif Viewer
 Exif Quick Viewerというフリーソフトがある。デジタルカメラで撮影した写真に埋め込まれたExifという画像情報を読み取るものだ。ある新聞記事で紹介されているのを目にして、『ああ、そういうのがあるのか』と何の気なしにダウンロードしてみると、これがなかなか興味深いものであった。
 このソフトを起動して、該当する画像をエクスプローラからドラッグ&ドロップすると撮影時の情報がポンと出てくる。シャッタースピード、絞り値、焦点距離や使用したレンズのタイプ(これはニコンとキヤノンのみとか)まで表示されるのだと新聞記事には書かれていたのだが、それだけではなく使用した撮影モード、測光モード、ホワイトバランスといった情報も表示されるのだ。自分の撮影した画像のこれら情報を見てあれこれ反省するのもいいが、上手い人たちの作品からExif情報を読み取るのもいい勉強になるかもしれない。
 デジタル写真が主流になってからというもの、撮ることがコスト的に負担にならなくなった。そのため人々の撮影機会はグンと増えたためではないだろうか。巷にこれほど『いい写真』が氾濫する時代はかつてなかったように思う?しかもそうした作例だけではなく、それらの撮影情報もふんだんに入手できるのだから。スゴイ時代になったものだとつくづく思う。さあインドでガンガン写真を撮ろう!
Exif Quick Viewer(フリーソフト)

でかいカメラの呪縛

CANON G7
コンパクトなデジカメが欲しいと考えているのだが、興味を引かれるモデルがなかなか見当たらない。今やデジタル一眼レフ全盛の時代なってしまい、ちょっと前まで市場に溢れていた『ハイエンド機』なるものがすっかり淘汰されてしまったことを少々いまいましく感じている。
かく言う私もデジタル一眼レフは持っているのだが、ちょっとそのあたりを散歩するのにいちいち『でかいモノ』を持ち歩く気はしない。旅行に出るとなれば荷物はなるべく小さくまとめたいので、やっぱり大きなカメラは嫌だということになってしまう。プロでもないのに機材はデカいというのは何だかスマートじゃないし、小さいながらもさりげなく高機能かつグレードの高いモノを持つこと、余計なモノを持たずに肩の力を抜いて楽しむのが賢い大人(?)いうものではないだろうか・・・とも思うのだ。
ならばそもそも何故そんなものを買ったのかと叱られてしまいそうだが、まあそれでも写真を撮ることは楽しいし、荷物や体力に余裕さえあればいろいろ持ち歩きたいという気はある。
 それはともかく『でかいモノ』を持ってきていても、取り出せる雰囲気ではなかったりすることもあるだろう。それでも臆することなくシュパッと懐から取り出して遠慮なくシャッターを切れるような一台というのがありがたい。
目下、リコーのGR-Digitalを日々持ち歩いて使っているのだが、いかんせん28mm単焦点であることから、なんでもこれ一台でOKというオールマイティーさはない。この28ミリから100mm超の焦点距離のズームレンズ、広角端での開放値がF2..4くらい、細かいマニュアル設定が可能でそれらの操作が一眼レフ並みに扱いやすい高画質なコンパクトデジカメ・・・というのはちょっと見当たらないものである。
 一世代、二世代前のそうしたデジカメの高級機にはそれなりにアピールするものがあった。デジタル一眼レフブームが始まる前だったので、各モデルごとに対象となるユーザー像がはっきりしており、利用目的によりいろいろ比較検討することができた。ウチでホコリを被っている当時のデジカメはもちろん、中古カメラ屋に行けばそれらが格安で販売されているのだが、やはりデジモノは秒進分歩で陳腐化も早いので旧型モデルなど触る気も起きない。描写、書き込み速度その他諸性能のうちの大部分において今の『押すだけカメラ』以下だったりするからだ。それだけデジカメは急速に進化したといえる。ただしコンパクトデジカメ市場はどれも似たり寄ったりの金太郎飴状態になってしまい面白みを失った。

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一眼レフ 出先で手軽にゴミ掃除

DD Pro
 近ごろ一眼レフを手にする人の姿がとっても多くなった。急に進行した低価格化、そしてパナソニックやソニーといった家電メーカー等の参入もあり、機種選択の幅も多様になったためだろう。もはやデジカメ商戦の主戦場は一眼レフにシフトしてしまっているのは、コンパクト・デジカメのラインナップから『ハイエンド』と形容される高級タイプが姿を消していることからもよくわかる。そんなこともあってデジタルで初めて一眼レフを手にしたという人も少なくないことから、その普及のスピードには目を見張るものがある。
 銀塩の一眼レフからデジタルに移行すると、廉価版モデルで採用されているAPS-Cサイズのセンサー、オリンパスやパナソニックなどによるフォーサーズ、高価格帯のモデルではフルサイズと複数の異なるサイズのセンサーが使用されていることから、同一規格のマウントのレンズを利用してもボディのタイプによって画角がずいぶん違ってしまうのが少々厄介なところだ。
 そのセンサーだが、やがてフルサイズの機種からも低価格タイプのものが出てきて、それが市場を席巻してしまう・・・という具合にはどうやらなりそうにない。一眼レフの大衆化によってAPS-Cの存在感がここ数年で爆発的に膨らんでいる。なにしろ販売数や機種数からして10万円前後の普及モデルは圧倒的なマジョリティだ。主要カメラメーカー以外にもシグマやタムロンといったレンズメーカー(シグマはカメラ自体も製造しているが)が『デジタル専用』と銘打ってAPS-Cサイズに特化したものを多数生産するようになっているからだ。
 当初フルサイズ低価格化までの過渡期をつなぐだけの存在にも見えたこのサイズのセンサーが目下デファクト・スタンダードとなっており、フルサイズのモデルはプロフェッショナルか一部の金に糸目をつけないマニアックな人たちの専用機として、一般ユーザーの間ではそれほど注目されるものではない。

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旅先のお役立ちレンズ

SIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DC OS
 ズームレンズは描写力、画質その他の面で単焦点レンズにはとうてい及ばないのは言うまでもないが、このところいろいろ出てきている高倍率ズームの『一本でアレもこれも』という便利さはとってもありがたいもの。旅行先での写真を楽しみたくても、それ自体が目的ではないし、荷物はできるだけ軽くしたいからだ。『デジタル一眼ブーム』がはじまってからというものの、これまで考えられなかったペースで新たなレンズ群が市場に次々投入されるようになっているのは皆さんご存知のとおり。そこに市場があれば、技術の進歩というものは限界を知らないようだ。
 この秋もやたら便利そうなレンズがいくつか発表されており、人それぞれいろいろ注目のモデルがあることだろう。昨年3月と4月にタムロン、シグマの両社から相次いで18-200mmの高倍率ズームレンズが発売されて好評を得ていたが、同年12月にニコンからAF‐S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mmF3.5-5.6G (IF)という、35mm換算にして27-300?相当の焦点距離、そして4段分の手ブレ補正付きのレンズが出た。これは評判もすこぶる良く、他社のカメラを使っている人たちはニコンのユーザーたちがちょっと羨ましくもなったことだろう。ちょっとISO感度を上げれば夜の街中でも自然光でしかも手持ちで撮影できる。また条件さえ合えば夜景だって三脚無しで写すことができるのだから。
 この秋になって、シグマからついにこの類のモデルの開発が発表された。18-200mm F3.5-6.3 DC OSというモデルだ。先述の18-200mm焦点域にOS(OPTICAL STABILIZER)機構という手ブレ補正機能を搭載したものである。サイズはふた回りくらい大きくなってしまうようだが、旅先にぜひともこういうレンズを一本携行したいと思う。
 シグマが手ブレ補正で注目を集めれば、ライバルのタムロンからは『同クラス世界最大』のズーム比(13.9倍)をうたうAF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro (Model A18)が名乗りを上げている。35mm換算でなんと28mmから388mmというオドロキの超高倍率である。ここまで来ると解像度他に問題はないのか、400mm近いテレ端側を使う際にはそれこそ手ブレ補正が欲しいなどと考えてしまう。しかしこのレンズを常用すれば、旅程に野生動物の見物、例えばコルベット国立公園にトラ見物、バラトプルの鳥獣保護区でバードウォッチングなどといったものも含まれていても、マルチに対応できて便利そうだ。
 両モデルとも発売時期は未定だが、おそらく年内か年明け早々には新製品として市場に並ぶのではないだろうか。インドでは今後半年近く旅行に適した時期が続く。お気に入りのカメラとレンズを片手に、被写体の宝庫を存分に満喫されてはいかがだろう。
AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro (Model A18)

インドに『韓流デジタル一眼』がやってくる?

SAMSUNG GX-10
サムソンGX-10
PENTAX K10D
ベンタックスK10D
 昨年のちょうど今ごろだった。ペンタックスとサムソンがデジタル一眼レフを共同開発すると発表したのは。前者のブランドネーム、光学技術とレンズ群、後者のデジタル技術の融合・・・とくれば、やはりキチッと魅力あるもの、手堅いものが出てくるであろうことは想像に難くなかった。
 今年に入ってからペンタックス一眼レフの普及モデル*ist DL2*ist DS2(いずれも2005年に発売)の韓国版としてのGX-1LGX-1Sを発売して、レンズ交換式一眼レフ製造メーカーとしてデビューしたサムソン・テックウィン社。デジカメの他に光学部品や航空機用エンジンなどを製造している会社だ。2005年に韓国国内でデジタルカメラのトップシェアを獲得したという同社は、2007年には世界の三大デジタルカメラメーカーのひとつとなるという大きな野望を掲げている。(キヤノン、ニコン・・・そしてサムソンということか!?)
 ここにきて今年11月30日に発売が予定されているペンタックス最上位機種のK10Dの姉妹機GX10 のリリースも発表となっており、なかなか目が離せない状況になってきているようだ。
 ペンタックスの接続規格「Kマウント」のレンズ群が使用できるそうだが、これと同スペックで自社による「Schneider」ブランドの「D-XENON」と名付けられたレンズのラインナップがある。現在までのところサムソン製のレンズのバリエーションは乏しいものの、これからさまざまな新しいモデルを次々投入してくるようだ。
 こうした共通仕様のモデルを日本市場ではペンタックス、韓国ではサムソンが販売という棲み分けがなされるのはもちろんのことだ。そのためであろうか、サムソンの一眼レフの操作メニューには日本語は用意されていないらしい。(ペンタックス機には韓国語メニューがあるのだが・・・)
 おそらく日韓以外の第三国での販売テリトリーについてもエリアごとに分担するのではないかと思う。そうなってくるとインドはどうなのだろうか?日本国外ではヨーロッパと北米以外にしっかりとした販売網を持たないペンタックスに対して、現地で手広く事業を行なうサムソンだ。同社のインド向けのウェブサイトには同社のいくつかのデジタルカメラの紹介がなされている。おそらく機を見てインドに廉価版のモデルを投入することもあるだろう。
 今のところ日本のメーカーはインド市場での販売にあまり熱心ではないようで、販売やサービス拠点の多くは直営のものではなく委託を受けた地元業者が行なっているようだ。もともと一眼レフ、ましてやデジタルものともなればプロや一部の愛好家たち除いた一般の人々の間での普及率はとても低い。けれども富裕化する中で趣味のモノ、高いモノが売れるようになってきた中で、およそ都市部に限られるにしても写真に興味があり潜在的に今後より高級なカメラに手を伸ばそうという人たちは決して少なくないように思われる。そうした新規ユーザーはカメラのアクセサリー類や周辺機器を持ち合わせていないため、メーカーを超えての互換性がないことからくる既に所有している『レンズ資産』その他により特定のメーカーに縛られることもない。価格と性能のバランス、サービス網の充実具合その他の条件をもとに自由に選択することができる。
 カメラ販売業者が独自に外国から輸入したものはさておき、ひとたびサムソンが自社製一眼レフをインド市場に本格的に投入することがあれば、『韓流現象』が起きるのではないかと予想している。同国におけるプレゼンスの高さ、知名度、豊かな営業力を背景に、とりわけアマチュアを中心とした新規需要の多くを一手に取り込んでしまうのではないだろうか。もちろん製品を手にするユーザーたちの満足度も相当高いはず。発売元は一眼レフの分野では無名のニューカマーとはいえ、中身は名門ペンタックスのカメラと共通だ。この分野では世界の最先端を走る日本市場で販売されているモデルと同スペックであることは人々に強くアピールするだろう。もちろん細部の仕様やチューニングの具合にはペンタックスとの間に若干の差異が見られたりするのかもしれないが。
 近々帰国を控えた在印の日本人にとっては、サムソンの一眼レフがインドで発売されたとしても、同社のカメラの販売エリアに含まれていない日本に持ち帰ってから不具合等が起きた場合(大阪に一箇所サービス拠点があるのみ)のことを考えるとお勧めできない。しかしペンタックスのレンズ以外のアクセサリーについての互換性も問題ない(この部分については著者は未確認)とすれば、インドはもちろんサムソン・テックウィン社の販売網がカバーするエリアに含まれるその他各国に暮らす人々にとって非常に魅力的なものであることは間違いないはずだ。