Sony Reader

1年半ほど前に、『ドキュメント・スキャナー』と題して、書籍や雑誌記事類をどんどんPDF化させるために購入したスキャナについて取り上げてみた。

『継続は力なり』という言葉を胸に、日々少しずつ、しかし欠かさずにスキャンを続けた結果、室内がスッキリ片付いて快適になってソファのひとつでも置くことになったかというと、なかなかそうはいかない。まだまだ山積みになっている書籍がある。 結局、電子化作業と並行して、いろいろ買い込んだりしているからそうなってしまうのだが、これでスキャナがなかったらと思うと恐ろしい。 だが、せっかく電子化した書籍類はパソコンに蓄積してあるため、もしこれが突然壊れたら・・・という恐怖もある。ゆえに毎週、外付けHDにせっせとバックアップをとるようにしている。

何はともあれ、電子化は進んできたものの、パソコンやタブレットPCの画面でPDFを閲覧するというのは、通常のワードのその他のワープロ文書を書いたり読んだりするのと、あるいはウェブサイトを閲覧するのに比べて、非常に眼が疲れる気がしてならない。もちろん眼への影響は、それらと変わらないはずなのだが、書籍になっている活字を追うという行為は、これまでずっと紙面上で行なってきたため、どうしても紙の書籍を読むときの疲労具合と比較してしまうのかもしれない。

そんなわけで、もっと楽に書籍を読みたいと思い、液晶画面ではなく、アメリカのE Ink社の電子ペーパーを画面に採用している電子書籍リーダーを購入してみることにした。

だが電子ペーパー画面のモデルは案外多くないため、広く流通していて簡単に入手できるものとなると、やはりamazonのkindleかSonyのReaderあたりということになる。どちらもWi-Fiモデルがあり、簡単なウェブ閲覧やメールのチェックにも使えそうだ。

SonyのReaderとKindle Touchを比較してみた。後者のほうに手頃感があるし、電子版書籍をネット上で購入するならば、Readerとは比較ならないほど膨大な量の書籍が用意されている。だが、私の購入目的は自前で電子化した書籍類を読むことであるし、ウェブ検索やメールチェックの際に日本語入力が不自由なくできるほうが良いと思い、しばらくあれこれ考えてみた結果、後者を購入することにした。Kindleは内蔵の4GBのスペースしか利用できないのに対して、Readerは、内蔵メモリーこそ半分の2GBしかないが、micro SD(最大32GB)を挿入して使うことができるため、電子書籍を保存できる容量は格段に大きくなる点でも有利だ。

Eインク画面を利用するのは初めてだが、さすがに電子ペーパーと呼ばれているだけあり、紙のモノクロ印刷物を見ているのと変わらない感覚であるのが良い。これならば目が疲れやすいということはなさそうだ。液晶と異なり、画面が発光しているわけではないためだろう。もちろん太陽がさんさんと降り注ぐ屋外で見づらいということなく、周囲が暗くなるともちろん読めなくなってくる。紙と同じだ。

少々残念なのは、そのサイズだろうか。6インチという画面はペーパーバックを電子化したものを読むにはまあ充分であっても、単行本をスキャンしたものを扱うには小さすぎる。もともと日本の文庫本や新書あたりのサイズを想定した大きさなのではないかと思う。画面を横表示にして読めば、表示される文字は大きくなるのだが、今度はスペースが狭く感じられる。

ページをめくる際に生じる独特の挙動も液晶画面にはないものなので、最初はびっくりした。瞬間的にバラバラッと白黒反転するので、壊れたのかと思ったくらいだ。ページめくりはタブレットPCよりも遅いものの、じっくり読む本の場合は気にならない。だが辞書やリファレンス用の書籍(そういうものを電子化することはあまりないと思うが・・・)の類を閲覧するのには向かないだろうが、とりあえず私にとって当面は充分だと思っている。電源の持ちの良さは特筆すべきものがある。購入してから10日経つのだが、購入時にチャージしたバッテリーが上がる気配さえない。

電子書籍を読むツールとしては、まだ発展途上という感じがするものの、もう少し大きな画面、そしてページめくりの反応がスムースで自然なものとなれば、100%満足のいくものとなることだろう。あるいは市中に出回るタブレットPCの液晶がもっと目に優しいものになっていき、電子書籍リーダー用として単機能(購入したモデルはWiFi接続してウェブサイトを閲覧可能)しか持たない、こうしたデバイスの存在価値が薄れていくのかもしれないが。

とりあえずカバンの中に放り込んでおき、いつでもどこでもヒマさえあれば取り出して読書を楽しんでいる。

画面はこんな具合

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