コーラープト 3 社会活動に熱心なジャガンナート寺院

 町中にあるトライバル博物館を訪れた。この地域の様々な少数民族に関わる展示がなされている。各民族が民族衣装を着けている姿の写真、生活用具や家屋の一部の再現、生業についての紹介その他があり、なかなか参考になる。 

コーラープット地域における稲作の歴史は長く、太古の野生種で原種の稲やその近隣種などが、今でもこの地域で栽培されているとのことだ。そうした原種なのかどうか、それらと関わりのある種類の稲なのかどうかは知らないが、現在部族の人々が村で栽培している稲の種類の展示もある。米の種類があまりに沢山あることに驚かされる。 

この博物館は政府の施設ではなく、コーラープットのジャガンナート寺院が設立した団体による運営である。入場無料(代わりに若干の寄付を求められる)で写真撮影も自由。部族に関するワークショップやメーラーも時折開催されるようだ。 この寺院は近くに部族の子弟が学校に通うためのホステルも運営するなど、まるでキリスト教団体のように社会活動に力を入れている。

学校に通う部族出身の子弟のためのホステル

博物館のすぐ東側にそのジャガンナート寺院がある。建築自体はプリーにある同名の寺院を模して建てられたものである。プリーのそれよりもかなり規模は小さいが、ここは外国人でも入場することができる。

寺院への階段の参道の両脇には、寺院が運営する宿泊施設もある。これらはいわゆるホテルである。収益事業としてやっているのだろうか。参道に向かって右側はアティテイ・バワン、左側はアティティ・ニワスという名の宿だ。前者のほうが規模が大きく、食堂もあるが、後者は宿泊のみである。前者の食堂には菜食ターリーしかないが、これはジャガンナート寺院の本殿境内の脇でプラサードとして参拝客たちに出しているターリーと同じ内容だ。 

これらの宿はなかなか人気のようで、団体だか家族連れだかの客たちが次々に到着している。他にこのクラスの宿がないこと、私が利用した宿は昨年オープンであまり知られていないことなどから、現在競合しているのは近くで州観光公社が運営するヤートリー・ニワースくらいしかないということもあるだろう。 

コーラープトへは、オリッサ州都のブバネーシュワルはもとより、西ベンガル州都のコールカーターからも直通列車が運行している。この町自体にも部族の人々は多く出入りしており、周囲は基本的に部族エリアであることから、今後部族の人々のマーケット等を見学するといった形の観光が盛んになってくると、ここをその拠点として訪れる人々が増えると思われる。 

<完>

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