
ラージプート建築を模したアジメール・ジャンクション駅。インドの古い駅舎は趣きがある。
本日はシャターブディー・エクスプレスに乗車。始発駅なので出発よりかなり早く前から乗り込んでゆったり出来るのが良い。エアコンが始動したので、まもなく冷え冷えになりそうだ。


インドの鉄道(植民地時代は国鉄はなく、いくつもの鉄道会社が管轄地域で運行)で最初の空調車両導入は、なんと1930年代。ボンベイのバラード埠頭駅からペーシャーワルを結んだ当時の「フロンティア・メイル」(現在はアムリトサル駅が終着となっている「ゴールデンテンプル・メイル」)の一等車両でのこと。当時は大量の氷で車内空気を冷やしたとのこと。どの程度の効きだったのかは知りませんが、ずいぶん贅沢な話だ。
当時、この列車の発車は英国からやってくる定期船の到着とリンクしており、バラード埠頭で下船した人たちがそのまま隣接する駅から乗車できるようになっていたとのこと。このフロンティア・メイルは当時のエクスプレスのなかでも走行優先度が最上位クラスのものであったため、よほどの悪天候や事故でもない限り、終点のアムリトサルまでほぼ遅れなしで走行したと聞く。
アジメールに来るときに利用したのはシャターブディーと同じく走行優先順位最上位クラスのジャン(大衆)・シャターブディーだった。比較的新しく設定されたエクスプレスで、全車両空調クラスのシャターブディーと異なり、夜行の「ガリーブ・ラト」と同様に、このジャン(大衆)・シャターブディーは基本ノンACで1両のみ例外的にエアコンクラスが連結している。先日私が乗車したのはそのエアコンクラス。「大衆」のほうではエアコンクラスであっても通常のエクスプレス同様、食事の提供はない。
近年のインド国鉄の新設エクスプレスの特徴として、「ヴァンデー・バーラト」のような専用車両による高速列車の導入と区間拡大に先行して、大衆クラス主体ながらも優先順位の高いエクスプレスが増えたことも挙げられる。ひもころに較べると、かなり目配りの効いた旅客運輸サービスを提供していると言えるだろう。
汽車旅は日没後は車窓の景色が見えないので、退屈極まりなくなる。そうこうしているうちに先ほどはアルワルに停車。本日の目的地レーワーリーまでは、あとひと駅。

シャターブディーエクスプレスでは車内食の時間だったが、周囲には必ず食事を断る人たちがいる。それでいて、お湯を注ぐだけで出来上がるカップラーメン的なカップ入りウプマを別途お金払って注文していたりする。それならばチケットに込みの食事を食べればいいのに、なんかもったいない話だ。
まあ、今は豊かな時代になったし、シャターブディーに乗る人たちは裕福なので、要らないものは要らないのだろう。確かにシャターブディーの車内食はおいしくはないのだけれども。
そしてレーワーリー到着。

本日、ハリヤーナー州のレーワーリー東口駅前宿泊中。駅出口から徒歩1分という大変便利な場所にある。