グジャラート州議会選とAIMIMの今後

グジャラート州議会選が面白いことになっている。ムスリム政党AIMIMはハイデラーバードを本拠地とする地方政党ながらも、発言力と強い指導力を持つ党首のアードゥッディーン・オウェースィーのもとで、このところ全国政党化しつつあるのだが、州のムスリム人口11%以上のグジャラート州議会選にて、議席数182のところ30議席で候補者を出馬させる。

これまで27年間、ずっとBJP政権が続いてきた同州、モーディー首相の故郷でもあるわけだが、今回も圧勝の観測のある中、反BJP勢力として初めてこの州で覇権を狙う庶民党がどこまで票を伸ばせるのか、そして退潮の会議派はどこまで持ちこたえることができるのかが焦点であるわけだが、両者の支持層をいずれも削り取る形でAIMIMが入ってきた。

AIMAIMが、俗に「BJPのBチーム」と揶揄されるのは、こうした選挙戦にAIMIMが割って入ることにより、反BJP票の一定部分を同党が刈り取ってしまうため、結果としてBJPに利することになるからだ。つまりAIMIMは反BJP陣営ながらも、BJPから見ると「敵の敵は味方」的な結果を生んでいる。今回もそういうことになるかもしれない。

あともうひとつ面白い点としては、インドでこれまでムスリム自身が存在感のある政党を持たず(ムスリム政党がなかったわけではない)、ムスリムの支持する政党は国民会議派あるいは左派政党であった中、ようやく有力なムスリムによるムスリムの政党が台頭してきたことだ。

ムスリムの政党と言ってもAIMIMは宗教政党ではない。ムスリムの宗教団体が母体ではなく、世俗のムスリムの人たちによる政党だ。党首のアサードゥッディーン・オウェースィーは法曹家という点も昔ながらの保守政党らしいところだ。

職業柄、たいへん弁の立つ人で、この人の演説もなかなか楽しい。知的で含蓄のある受け答えからメディアウケもなかなかで、報道番組への出演も少なくないが、複数の政治家、識者、ジャーナリスト等が出演する討論会でのやりとりはあまりうまくないようで、案外打たれ弱い面を垣間見ることもあるが、この人と彼の政党AIMIMが今後さらに勢力を拡大していき、国政の場でも一定の影響力を持つようになることは間違いないだろう。

Does AIMIM stand a chance in Gujarat? (DECCAN HERALD)

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