イランではヒジャーブ着用の義務への反対運動が盛り上がり、政府の弾圧により死者も出るなど大変なことになっているが、一方でインドのカルナータカ州では、学校で着用が禁じられているヒジャーブの「着用を許可せよ!」と女学生たちの訴えが最高裁での争いにまでエスカレートし、本日判決が出た。
ムスリムの置かれている状況、政治風土、その他背景にある政治等々すべてが異なる。そのため同列に論じるわけにはいかないものの、ヒジャーブが前近代的だ、抑圧的だとされるのとは裏腹に、置かれている状況によっては自由にヒジャーブを着用できる環境こそが、ムスリム女性たちのアイデンティティーの尊重であり、権利の行使でもあり得るということを改めて思い知らされる気がする。
そんなわけで、「ヒジャーブ=非近代的で抑圧的」であるとは限らず、置かれている状況によっては「ヒジャーブ=自由と権利の象徴」でもあり得るのだ。
決して一元論で語れるような単純なものではない。