ディーウ島

グジャラート州先端に接するUT(連邦直轄地)のディーウ島。ちょうどマレー半島に接するシンガポールみたいな形をしているが1961年まではポルトガル領。

昔訪れたときには、ディーウの小さな町にはポルトガル式のパン屋があり、コロニアル時代の建物がそのまま市街地を形成しており、店はずいぶん長い昼休みを取っているのも印象的だった。

町の真ん中は、ラテンアメリカの多くの街がそうであるように、セントロ、町のヘソというか、公園としての機能を持つ広場で、その周辺を役所その他の公の施設やカトリックの聖堂が囲んでいるという具合で、インドではなくコスタリカとかエクアドルとか、そんなあたりの海沿いの田舎町に来たような思いがした。

私が初めて訪問する少し前までは、同じくポルトガル領でともに歴史を重ねてきたゴアも合わせての連邦直轄地(1987年に旧ポ領の連邦直轄地から分離して州になった)であったためか、ディーウのセントロに面した港からゴア行きの定期船が出航していたらしい。

これら旧ポルトガル領がインドに併合されるにあたり、これらの地域にポルトガルインド市民籍を持って公務に就いていた人などは、他のポルトガル領への職を斡旋してもらえたと聞く。ゴアやダマンなどもそうであったように、ディーウからもモザンビークに移住した人たちはけっこういたのだとか。(ご存知のとおり、その後モザンビークでも独立運動が起きて大変な目に遭ったらしい。)

植民地時代の風情を残していたディーウだが、90年代半ばに再訪してみると、折しもインドの経済成長によるインドの人たちの観光ブームで、小さな町なかや周辺地域で大きな建設ラッシュが起きていることに驚いた。観光バブルで地価が上がり、町の人たちのかなりの部分は家や土地を売却して出ていき、外から投資家や観光関連業者、その下で働く労働者などが大挙して入ってきて、漁村、農村以外の人口は大きく入替っているというような話も耳にした。

こうして動画で今のディーウを見ていると、片側2車線の見事な道路があったり、建物もインドの他の地域と変わらない眺めが映し出されていたりする。今再訪してみたらポルトガルのポの字も残ってないのでは?という気もしてくる。

Diu City 4K Drive Tour – ASMR Ambience – Virtual Tour (Youtube)

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