いい仕事

インド国鉄のウェブサイトを開けば、サイドメニューのところにある『Time Table Information』のところから、現在駅で販売されている内容の鉄道時刻表Trains At A Glanceのコンテンツがそのままダウンロードできる。
PNRのステイタスもウェブでチェックできるし、割り当ての席数の関係からか、窓口ではまだ空席があっても、けっこう早く満席と表示される傾向があるものの、IRCTCのサイトで列車がネット予約できるのは便利だ。IRCTCのコールセンターは比較的つながりやすいし、問い合わせのメールを送れば、これまた割と迅速に対応してくれる。
これらは、今ではごく当たり前のことになっているが、近隣国の鉄道事情を鑑みれば、インドの鉄道の利便性はネットワークの広大さと合わせて比較しようもないほど際立っている。
駅や車内設備については言うに及ばず、濃霧や大雨の時期など、天候条件のよくない季節にはダイヤが乱れるきらいはあるし、目を覆いたくなるような大事故のニュースも珍しくないなど、器の面での進歩の速度に較べて、90年代以降の列車予約に関するソフト面でのサービス向上には著しいものがある。
かといって、ハード面では進化していないなどと言うつもりはない。よくよく考えてみるまでもなく、ハードの部分でも相当な進化を続けていることも忘れてはいけないだろう。
空調付きのクラスとその車両が増えたことに加えて、長距離ならびに中・近距離の特別急行、ラージダーニーとシャターブディー双方の運行ネットワークの広がり、これらの廉価版ともいえるガリーブ・ラト、首都デリーと様々な州の要所をごく少ない停車数で結ぶサンパルク・クランティといった、近年導入された新規の特別急行もある。
比較的目立ちにくいものの、利便性向上とネットワークの効率化に多大な貢献をするものとして、メーターゲージ路線のブロードゲージ化の進展がある。これによって、先述のTrains At A Glance綴じ込みの鉄道地図を見てわかるとおり、図上で紫の線で示されたメーターゲージは、今やグジャラート、ラージャスターン、タミルナードゥの特定部分を除けば、ほとんど目立たなくなっている。
とりわけ前者二州、つまりグジャラート、ラージャスターンといった旧藩王国が割拠していた地域では、狭いゲージの藩立鉄道路線が多く、あまり合理的とは思えないルーティングも少なくなかったようなので、これらをかなり整理してブロードゲージの幹線に統合できたのは大きな進歩ではないだろうか。
そんなわけで、昔と違ってデリーから直接ジャイサルメールに乗り入れることができるようになっているし、かつてはメーターゲージのジャンクションだったジョードプルも幅広なゲージでより多くのエリアと繋がることになった。さらにはグジャラートのカッチ地方の最大の町ブジにさえもデリーから途中乗り換えすることなく、ブロードゲージの路線で到達することができる。
他にも高速鉄道導入計画もあるし、私たち乗客としての目から眺めて気がつくところは他にもいろいろあるにしても、旅客輸送以外にもうひとつの大きな業務である貨物輸送の分野でも、我々の気づかないところで、いろいろな進化があるのではないかと思う。
いい仕事をされていますなあ、インド国鉄のみなさん!

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