デヴィッド・サッスーンの屋敷

13世紀にバグダードからボンベイに渡った伝説のユダヤ人デヴィッド・サッスーン。ビジネスマンとしても慈善家としてもよく知られるデヴィッドは、今でこそ「ユダヤ人」としてその名を記憶されているが、彼自身は故郷である現在のイラクの生活習慣、いでたちで日々を過ごす「ユダヤ教徒のアラビア人」であったようだ。シオニズム運動が起きる前、ユダヤ国家を想像する人もいなかったので時代なので、当然のことだろう。

植民地期に英国をはじめとする欧州勢や支配層との結びつきにより、植民地現地の買弁として経済力を蓄える過程の中で、次第にインドの白人社会へ軸足を移して「欧州人化」していったのは、彼らよりも1000年くらい先にインドに渡ってきたパールスィーと共通する部分だ。

彼の屋敷が現在は医療施設(薬物中毒者のリハビリ施設)となっているようだ。ボンベイには一族が関わった建物等が沢山あり、今でも「サッスーン・ドック」「サッスーン・ライブラリー(アールデコ著の非常に美しい建物)」などがあるが、彼が暮らした屋敷が現存しているとは知らなかった。

サッスーン一族は、渡印後にボンベイからプネー、カルカッタ、ラングーンなどにも活躍の場を広げていく。 戦前には香港や上海で大きな事業を手がけていたが、現在欧州で活躍する多数の「サッスーン」もデヴィッドの一族。そう、彼らはまさに「ボンベイ発」のビジネス一族であり、彼らのルーツはボンベイで成功したデヴィッド・サッスーンなのだ。

Riches to rehab: Mumbai palace welcomes new tenants (CNN Travel)

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