風刺画 It’s Media

It's Media

もう何年も前にウェブ上で評判になった「It’s Media」という風刺画。何を今さら、と思われるかもしれないが、実に良く出来ている。

同じ出来事を伝えるものでも、各々のメディアの姿勢によっても、かなりニュアンスが異なるものとなる。国際ニュースともなると、アメリカと欧州、中国と日本等で、ずいぶん取り上げ方や伝える内容が異なるのはもちろんのことだが、とりわけ厳しく対立する国同士ともなると、まったく正反対の内容で伝えていたりもする。

たとえどちらも間違った内容を喧伝するのではなく、事実に基づいた報道をしていても、どの部分を切り取るかによって、読み手が「事実」と受け止める内容、そして心に響くものも大きく異なってくる。

印パ間の長年の懸案事項であるカシミール問題にしてもそうだし、越境テロを巡る問題についてもそうだ。それがゆえに、私たち市民にとって、より多くのソースからこうした報道が入手できることが望ましいし、一極に偏った報道について大いに注意を払う必要があることは言うまでもない。

官製メディアは往々にして、政府自身が伝えたいことを前面に押し出すいっぽう、都合の良くないことについては、そういう事実は存在しないかのように振舞うし、商業メディアのほうは、「売れるニュース」を競って伝えるという性格があること、メディア自身にとって都合の良くないことについては、敢えて触れずに沈黙してしまうということが少なくないこともある。

私たちの日本のメディアについても、たとえ元ネタが海外メディアによる発信であったとしても、日本語に置き換えて再発信する際に、かなりバイアスがかかったり、独自の解釈を加えて伝えてしまったりしているので要注意。報道を疑うことも大切だ。

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