日本で学ぶ インドを学ぶ

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 現在、アメリカで学ぶ外国人留学生の数は約58万人。そのうちインド人学生は6万7千人近く、全体の11.5%と最も多いのだという。(以下、中国、韓国、日本と続く)
 一方、日本に来ている約10万人の留学生たちの中で、インド人留学生はどの程度を占めているのかというと……わずか264人。全体からみても、たったの0.2%しかいないのである。(中国人留学生は70,814人、全体の67.4%)
 異国へ留学するにあたり、新しい言葉を学ばなければならないということは大きな壁になるに違いない。インド人留学生の多くは、語学や地域学のような「日本を学ぶ」学問ではなく、理系の専門分野を志向するため、わざわざ日本語を習得するなんて、時間の上でもコストの面でもムダが多いのだろう。
 もちろん理系大学院の中には英語だけで研究できるコースもある。とはいえ、ごく例外的なものを挙げて「日本は英語で学べる国」だとは全面展開できない。

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雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ…

 どんな悪天候でも大切な手紙や荷物を運んでくれる郵便屋さん。
 「民営化」の流れの中、キビシイ立場に置かれている日本の郵便局だが、確実なサービス、全国くまなく張り巡らされたネットワークから生まれる信頼感にはゆるぎないものがある。赤い配達バイクと濃緑色の制服は、街角風景の一部として私たちの生活に馴染んでいる。
 頑張っているのはインドの郵便局も同様。ヒマラヤ南斜面の山国、ヒマーチャル・プラデーシュ州では、街の郵便局から手書きの文面をスキャナーで読み込み電子メール送信、それを受信した山間の局でプリントアウトして配達…という新しいタイプの配達を行っているという。
 手紙をやりとりする当事者同士で直接電子メールを送受信できれば一番良いのだが、コンピューターが社会の隅々まで行き渡っているわけではない。そもそも田舎では電気が来ていない村だって珍しくないのだから、これは気の利いたサービスだ。
 インドにはまだまだ「辺境」が存在する。ヒマラヤの高地では、初夏から秋口にかけて道路が開いている時期以外は、雪で閉ざされ陸の孤島になってしまう地域も少なくない。雨や風だけではなく、氷雪というさらなる障害が人びとの往来を遮ってしまう。だからといって郵便屋さんは負けていれない。車で行けない地域へは、今でも「飛脚」が走っているというのだからご苦労なことだ。
 90年代後半以降、インターネットの急激な普及により、文章で人とコンタクトを取ることが実に楽になった。送り手から受け手へ、瞬時にメッセージの伝達がなされてしまうのは便利だが、通信システムというものが、人びとのネットワークによって作り出されているということを実感しにくくなってきている。
 生身の人間の手から手へと渡されていく郵便。たとえ時間がかかろうとも、世界屈指の郵便大国インドのネットワークは、この大地に住む人々のニーズにしっかり応えている。
▼ハイブリッド郵便から飛脚まで 人びとを結ぶ郵便屋さん
http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/3514252.stm

里帰りしたサイクルリキシャー

 日本でも「サイクルリクシャー」が着実に数を増やしつつある。遠目にはピザ宅配バイクのような形で、人間がペダルを踏んで進む「タクシー」を目にしたことがある人は少なくないだろう。このVELO TAXI(ベロタクシー)、ドイツ発の環境に優しい交通機関とのことだ。
 現在、東京と京都の一部地域で運行中。客席から見た風景の動画ファイルもある。車体のカタチはかなり違うものの、インドのオートリクシャーのそれを彷彿させるものがある。
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「世俗」ってなんだろう?

グル・ナナク

 フランスでのイスラム教徒女子学生ヘジャーブ、スカーフ着用禁止問題については、今までもしばしばマスコミで取り上げられ、日本でもよく知られる。ところが、このたび新法が施行されると、国内すべての公立学校で、イスラムのみならず宗教を象徴するあらゆるものの着用が禁じられてしまうため、同国在住のスィク教徒たちは危機感を抱いているという。

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店名から見るインド料理店

 前にIndo.toでも紹介していたが「全国インド料理店データベース」というウェブサイトがある。
 これをザッと見みると、日本にあるインド料理店には、「デリー」「ボンベイ」「ジャイプル」といった地名系、「クリシュナ」「ラクシュミー」「ガネーシュ」といった神様・人名系など、ありきたりな店名が多いことがわかる。
 海外の日本料理店に「YAMATO」「TOKYO」「FUJI」あるいは「SAKURA」「ZEN」といった看板をよく見かけるのと同じようなもの。お客さんが一目見て「○×料理だな」とわかるように名付けているのだろう。そんな中「グルガオン」(ハリヤナ州にあるデリーのベッドタウン)なんて名前を見つけると、「ローカルな味」を楽しめそうな気がして期待してしまう。

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