インド発の新型コロナ治療薬

インド国内で開発された新型コロナ治療薬がインド当局の認可を得て、いよいよ実用化されるとのこと。面白いのは「新型コロナ感染症治療薬」として開発されたことだけではなく、開発元が政府系の「防衛研究開発機構」であることだ。

どの程度効果のある医薬品なのかは明らかではないが、今後医療機関での利用が進んでいく中で、効果の高いものであること、さらに改良を加えて大量に市中に出回るものとなることに期待したい。インド以外でも新型コロナ治療薬について研究は進んでいるのであろうけれども、ワクチンと違って、その進み具合がどうなのかについては、私たちはあまり知らされていないが、目の前にちょっぴり光明が射してきたような気がしなくもない。

DRDO’s 2DG medicine to treat Covid-19: Availability, dosage, price (Hindustan Times)

インドのコロナの状況

今週のインディア・トゥデイの特集は現在のコロナの状況。表紙は火葬場に防護服姿の人たちが新たな遺体を運び込む様子で胸が痛む。インドで、一時は「これで収束に向かうか?」というムードであったころ(今年1月から2月)があったにもかかわらず、現在の状況に至ってしまった背景の分析がなされている。

日本で取り沙汰される変異株だけではなく、祝祭等(宗教行事や結婚式等)が派手に繰り広げられるなど、安堵感の中での緩みがあったこと、一気に第2波(インドにおける第一波とは全国的なロッグダウン明けからの急拡大から昨年末あたりまで)が広がる中で、ワクチン接種のペースが追いつかなかったこと、医薬品の流通に阻害要因があったことなど、社会的背景などにも切り込んでいる。今後の成り行きがとても気になる。

デリーのコロナ関係の動静について、インド各メディアが市内の大病院、「Ganga Ram Hospital」からの情報を掲載することが多い。この病院名を入れてニュースの検索をすると、たいへん緊迫した状況を伝える記事でいっぱいだ。現在90%の患者はコロナ感染者。大きな総合病院なのだが、心臓外科等を一時的に取りやめて、ほぼコロナ対応専門のようになっているそうだ。

食後の口直しのアレ

インドは食事がおいしいが、レストランで伝票が出てくるあたりで一緒に出される食後の口直しのアレもなかなか良いものがある。もともとはウイキョウのみであったり、角砂糖やザラメを混ぜて出していたりしたものだが、近年は香りや味を付けた個性的なものがよく見られるようになった。

糖衣処理されたウイキョウに八角が混じったものが出てきたりすると、もうたまらない。出てきた伝票をチェックしながら、「あぁ、これは夢見心地の素晴らしさ・・・」と、ひと匙、ふた匙では飽き足らず、次々に口に運んでいるうちに、「ハッ」と気がつくと器に入っていた3/4ほど食べてしまったりする。下手すると「完食」「お替り」しかねないので、注意が必要だ。

以前、グジャラート州でこのウイキョウの加工品の専門店がいくつも集合した一角があり、どの店もこれ専業で儲けているだけあり、試食させてもらったすべてが驚くほど美味だった。小さい容器に入れてもらって購入し、宿に戻ってからツマんでみると、もう止まらなくなり、部屋で完食してしまう。糖分が多いので要注意だが、ウイキョウの香りの良さとあいまって、クセになる。

子供の頃から仁丹の類が大好きだった私にはもってこいの逸品。同じような嗜好の方があれば、きっとズブズブ深く深くハマってしまうことだろう。

今度、良い店を見つけたら大きな瓶を丸ごと買って帰ろうと思う。

インド式行列

感染予防のため、「social distancing」「do gaj ki duri」等々、人と人との取るべき距離について言われているのはインドも同じだが、コロナ後のインドで「インド式行列」が改まる未来はあるのだろうか。

ご存知のとおり、列に並ぶ人たちが身体前部と後部を密接させる、極めてコンパクトな並びかたのことである。列の長さがさほどではなきように見えても油断してはいけない。密度がたいへん高いため、なかなか先頭に出ることができないのだ。

なぜこういう暑苦しいことにになるのかといえば、理由は明快で、「割り込みを防ぐ」ためである。それでもわずかな隙間からねじ込もうとしたり、列の人に話しかけてドサクサで入り込もうとか、「☓☓で超急いでいる」などとウソをついて入り込もうとする輩もいれば、こともあろうに行列全体を無視して、「先頭に割り込もう」とする厚顔無恥な者も少なくないからだ。

このあたりの突破力というのは、明らかに人口過多な超競争社会で揉まれてきたインド人の中でも選りすぐりの猛者はめげることすらない。それらに対して「あんまり猛者ではないタイプ」の普通の人たちが対抗するには、人の鎖を形成して、つけいる隙を与えないに限るのだ。かくして「インド式行列」が形成される。列に並ぶ人たちの「割込みは許さない」という決意と覚悟に満ちた表情をご覧いただきたい。

これが解消されるには、人口過多が解消されたり、人々のマナーが向上したりしていかないと、なかなかむずかしいことかと思う。同様にバスや通勤電車などの激混み状態も器のキャパの問題があるため、こういうところはコロナ禍にあって、さらにはコロナ後になっても、あまり変わりがないことだろうと思ったりする。

24時間の感染者が30万人超え!

いやはや、「30万人超え」とは恐れ入る。

1日の感染者10万人を上回るかと危惧された9月のピーク以来、感染者数は漸減していき、1月から2月にかけては1万人前後で推移して、落ち着きを見せていた新型コロナ感染症の広まり具合であったのだが、3月から再び再燃している。インドにおいては第1波が長期間に渡ったため、現在の流行の波は「第2波」と呼ばれている。

前回のピークでは、超えそうになりながらも、少し手前で踏み留まることができた10万人の壁を突破してしまったことが報じられたのは4月5日。そして20万人を超えたのは4月15日であったが、そこから1週間余りのうちに30万人を超過してしまったニュースが流れたのは4月22日。まだまだピークが見えない今の状況は言うまでもなく、第4波の感染規模がこれまでの比ではなくなっている日本と並べてみても、インドのそれは非常に突出しているのが大変気になる。この「30万人」という数字、人口比から日本に当てはめると、1日の新規感染者が3万人という規模に等しいことになる。大変なことだ。

デリーなど部分的にロックダウンが実施されているが、4月21日のモーディー首相の演説では全国的なロックダウンを示唆する部分もあった。分母が大きく拡大したことにより、死者数もこれまでの最多となっている。死亡率はほぼ変わらないのはまだ幸いではあるが、当然、重症者も増えるため、デリーや西ベンガル州の他から医療用酸素ボンベの不足も伝えられている。本日は、空軍がインドの様々な州に酸素ボンベを輸送機で運搬を開始したとか、その輸送先で強奪されることがないようにと、運搬車両に警護が付いているなどといったことも報じられている。

今後の成り行きを見守るしかない。

India posts world’s highest daily COVID-19 surge with over 314,000 new cases (Global News)