自らの奥行き深い文化に加えて、長い歴史の中で周辺地域から大小さまざまな影響を受けつつも、それを借り物としてではなくじっくりと消化して独自のものとしてきたインド。絵画、音楽、建築、言語etc…どの分野においてもそうしたハイブリッドさが顕著で、インド文化のリッチさや多様性をするひとつの要素といえる。
さて突然卑近な話で恐縮ではあるが、私たちが日々使用するもののうち、私が心底惚れ込んでやまないものがある。それはこれだ。
昔々からある便器だが、まさにインドだからこそのアイデアと社会的な実情に対応した高い機能性を実現している。このタイプのものが果たしていつ考案されたのか知らないが、トイレ事情に関する深い考察と旧習にとらわれない柔軟な思考なしでは成しえない偉業ではないだろうか。
メジャーなところでHSIL社から『ユニバーサル』という商品名で、またReliance Sanitarywares社からは『アングロ・インディアン』という名前でそれぞれ販売されているが、どちらもズバリ的確なネーミングがなされている。このトイレについて、私なりの考えをまとめてみたので後日掲載することにする。