SWINE FLU

インドでもSwine Fluとしてニュースの話題に上ることの多い新型インフルエンザ。
First batch of swine flu vaccines in India by Dec (Hindustan Times)
そういえば、先月末には、グジャラート州首相のナレーンドラ・モーディーが発症したことが伝えられていた。
Narendra Modi tests positive for swine flu (ZEE NEWS)
そのインフルエンザが我が家にもやってきた。ここ数日間、四人家族のうち三人が相次いでバタバタと罹患し、そろそろ私かも?と思っていた矢先、熱がバーンと上がり、医師の診察によれば、家の他の者たちと同じA型で、目下流行っているのは、まず間違いなく新型インフルエンザであるとのことだ。とりあえず各自タミフルないしはリレンザの処方を受けた翌日あるいは翌々日には平熱に戻った。
これが、今年4月の後半あたりからメディアで大々的に報じられてきた新しいウイルスか、と思うと、ちょっと感慨深いものがないでもなかった。半年ほど前ならば、感染経路を詳細に調べられたり、それまで接触した人々も調査の対象となったりといった具合に、周囲を巻き込んでの大わらわになるところであったのだろう。
そもそも当時の・・・といってもそんなに前のことではないのだが、メディアと行政が一体となってのあの狂乱ぶりは一体何だったのかと思う。新型ウイルスが、ヒトからヒトへ効率よく感染するようになり、世界的な流行が始まっているというパンデミック宣言がなされた時点で、すでに症状等は季節性のものと変わらないということが伝わっていたにもかかわらず、しばらくの間はあまりに過剰な対応がなされていた。
しかし今回の騒動で、肯定的に捉えることができる部分が二点ほどあるのではないかと思う。まずは、現在出現が危惧されている高病原性鳥インフルエンザが私たち人間の間で流行するようになった場合、対策として何が有効であるのかないのかを判断するシミュレーションにはなったであろうということだ。
加えて、現在流行中の新型インフルエンザについては、症状や治療方法が季節性のものと変わらないため、少なくとも日本国内では、両者につき同じ『インフルエンザ』として扱うようになっており、行政の示す指針に区別はなくなっていることも挙げられる。
・・・というのは、これまで、悪くすると死に至る病気であるインフルエンザが軽視され過ぎていた。学校や幼稚園等の場合は、クラスで一定数を超える患者が発生下場合、学級閉鎖の措置が取られてきたが、社会人の場合は職場で特にそうした対応はなされていなかった。ただのカゼの一種という意識で、熱や頭痛を我慢して職場に出てくる人もあったし、たいていの人はとりあえず熱が落ち着けば仕事に戻っていた。
実は、インフルエンザにより、日本国内だけでも年により数字は大きく異なるものの、1万数千人から3万人もの方々が亡くなっていること、基礎疾患があると、重症化しやすいということを今回の新型インフルエンザ騒ぎで初めて知った人も少なくないだろう。
本来、インフルエンザが『怖い病気』であることが再認識され、それなりのきちんとした対応がなされるようになったことは、きわめて前向きに評価できることだと思う。暦がひと巡り、ふた巡りもすると、もはや新型ではなく『Aメキシコ型』とでも呼ばれるようになるのだろう。
罹ったことのある人が大幅に増えて、今後数年間は流行の主体となるのがこの型のインフルエンザであろうという見通しがなされていることから、ワクチン等も潤沢に用意されるようになることだろう。それでも感染の拡大と重症化を防ぐために、『タミフル・リレンザ投与を開始して、解熱後2日間開けてから登校・出勤』という体制はしっかりと維持されるべきだ。
現在、世間で言うところの『新型インフルエンザ』を含めた既存のインフルエンザについて、早期治療と充分な休息により、普通は大事に至らずに済むとはいえ、罹患した人々の6割が死亡すると推定されている高病原性鳥インフルエンザが、『ついにヒトの間で流行』となった場合、果たしてどうやって私たち自身を守ることができるのか?という疑問と不安を感じることは否定できない。

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