Namaste bollywood #21

namaste bollywood #21
Namaste Bollywood誌の創刊3周年記念号である。巻頭の特集記事は『ボリウッド日本浸透作戦』と題して、近年公開された作品の中から、日本でのヒットが狙えそうなものを取り上げている。
ボリウッドに限らず、その映画が製作された地域の文化的背景をある程度把握していないと、作品の意図するところがうまく伝わらない可能性がある。ユニバーサルなヒットを生むハリウッド映画にしてみてもそういう部分はあると思う。
だが、これがアメリカという良くも悪くも、これまたユニバーサルな影響力を持つ国と、南アジアの地域大国インドとでは、その文化圏外ないしは周辺地域と、まったくそれ以外の国々との間で、理解の度合いに大きな較差があるし、また興味の対象となり得る可能性自体にも相当な隔たりがあるのはいたし方ない。
海外における日本発のカルチャーの受容の大半が漢字圏ないしは東南アジア地域に集中していることとも共通しており、文化圏を越えて普遍的に浸透することは、そう容易なことではないようだ。
そんな中で、大きな話題を呼んだGHAJNI,やDELHI 6などのメガヒット作に加えて、『ミニシアター系』として、TAHAANやCHEENI KUMなど、これまで日本におけるインド映画のマーケット(・・・というのがあるとすれば)において、取り上げられることのあまりなかった小粒ながらも力のこもった作品にも焦点を当てている。
また劇場公開で大きな興行収入は見込めなくても、DVD販売やレンタル等でそれなりの利益が見込めそうなTAXI NO. 9211のような秀作もピックアップされている。
お馴染み巻末のBollywood Filmy Pedigreeで取り上げられているのはチェータン、デーヴ、ヴィジャイのアーナンド三兄弟。今のボリウッドの華やかな映画からちょっと視線を写して、ときには昔のモノクローム映画にじっと見入ってみるのもいいかもしれない。
ともあれ、近ごろでは日本国内でインド映画が上映される機会は確かに多くなってきているようだ。Namaste Bollywood誌の今後ますますの発展とともに、日本でインド映画がこれまで増して注目を集めていくことになることを期待したい。

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