オーバーウェイトでクビ!

国営航空会社二社合併に伴う合理化、近年の航空業界の不況、他社との競争等々、いろいろな理由があるのだろう。エアインディアが同社では前代未聞の動きに出ている。それは『オーバーウェイト』のエアホステスのリストラである。このほど解雇が通達されたのは
国内線に搭乗していた10人。彼女たちには地上職に転進する道は用意されていない。
解雇が通告された人たちは法廷の場で争う構えだ。しかし昨年6月には、客室乗務員の肥満は自身の健康はもちろん、万一の際の安全確保の際の障害となりえるという航空会社の意見に同調する見解を出しているとともに、競争の激しい業界の現場で働く人たち健康や容姿が、自身の品格の一部として重要な位置を占めているという発言をしているため、なかなか難しいものがあるかもしれない。
フィットネスクラブやダイエットなどが都会生活の一部としてすでに認知されているし、映画で活躍するヒロインたちのスタイルも大きく変化した。とはいえ、まだまだ体型の変化(?)について寛容な国(もっとも北米などについても一般市民レベルでは肥満についてさほど関心が強いとは思えないが)であることは間違いないのだが、こうした事例を見るとやはりそういう時勢であるらしい。
ちなみにエアインディアの示す基準としては、18歳の場合で152cmの場合は体重上限が50キロ、同じ身長で26歳から30歳までの年齢の場合は56キロが制限ラインなのだとか。ただ体重といっても、普段からスポーツをしている人、もともと筋肉質の人の場合は見た目よりも体重が重くなりがちだし、筋肉の量に加えて骨格などによっても適正体重はかなり違ってくる。
ただこうしたニュースがエアインディアに関するものであるがゆえに、メディアでちょっとした話題になっているのだろう。新興航空会社が伸長する前の時期においても、ジェットエアウェイズのフライト・アテンダントといえば、男性はハンサムなマッチョ型、女性は可憐なモデル風というタイプが典型だった。肥満型の乗務員など記憶にない。
現在、キングフィッシャー・エアラインやスパイスジェットなどに搭乗してみると、機内乗務員は顔立ちや肌の色合いを除けば、まるで『既製の工業製品か?』と思うくらい近似した容姿体系の見目麗しき男女が多く、厳しい健康・食事管理等がなされていることが想像される。
私自身は、身体が太い細いといったことにあまり関心がない。ちゃんと元気に動くことができればそれでいいのではないだろうか。何ごとも無駄を削ぎ落としたギリギリで頑張るよりも、多少のゆとりがあったほうがいいのではないかと思う。グローバル・スタンダードなスリムさ(?)ではなく、サーリーの脇からちょっと(ときに大胆に)はみ出た贅肉の鷹揚さにすこぶる肯定的な意見を持っている私である。
Air India sacks 10 ‘overweight’ air hostesses (Deccan Herald)
Air India Fires 10 Stewardesses For Being Too Overweight For The Plane (YouTube)

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