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  • インドの食事

    インドの食事

    2009年に出た『インドカレー紀行』という本がある。

    南インド史研究の第一人者の辛島昇氏が著した書籍である。タイトルからわかるとおり、一般向けに書かれたものだが、インド各地の料理と文化的・歴史的背景、古来インド固有のものではなかった食材の伝播と定着に関する過程等も含めてわかりやすく解説してある。食事から見たインド文化誌といった具合だ。本文中にいくつも散りばめられているレシピもぜひ試してみたくなる。

    カラー版 インドカレー紀行

    カラー版 インド・カレー紀行 (岩波ジュニア新書)

    辛島昇著

    大村次郷写真

    出版社: 岩波書店

    ISBN : 4005006299

    2006年に日本語訳が発行された『インドカレー伝』(リジー・コリンガム著/東郷えりか訳)と重なる部分もあるのだが、特に代表的な料理を論じている関係上、自然とそうなってしまうのだろう。

    『インドカレー紀行』によると、インド料理の本が数多く出版されるようになったのはここ40年くらいのことであるという。早い時期から全国的に普及していた北インドの料理はさておき、その他はごく当たり前の日常食として地方ごとの家庭で伝えられてきたものであり、特定の地域の料理がそれと関係のない地域で食されるということがあまりなかったためらしい。インド国内における一種の『グローバル化』現象のひとつということになるのだろう。おそらく娯楽としての外食産業の普及という点もこれに寄与しているのではなかろうか。

    ともかく、人々の間で地元以外の料理についての関心が高まり、ローカルなレシピであったものが『インドの料理』というナショナルレベルに持ち上がることとなり、そこから今でいうところの『インド料理』という捉え方が出てきたという指摘には思わず頷いてしまう。

    歴史の中で、各地で生じた様々な食文化の混淆、新たな食材と料理法の導入の結果、生み出されてきたのがインド料理の豊かなレパートリーである。その末裔に当たるのがイギリス経由で入ってきて日本で定着した『カレーライス』ということになる。

    かつてなく各地の味を楽しむことができるようになっており、加えてレディーメイドの調合スパイスや食材、レトルト食品なども広く流通してきている昨今、とりわけファストフード等の普及により、特に若年層の好みの味覚は確実に変わりつつあるだろう。そうした中で、新たな味覚が創造されつつあるのもしれないが、同時に各家庭あるいは地域ごとの味のバラエティが少しずつ収斂されて『標準化』されつつあるのではないかとも思われる。

    この『インドカレー紀行』について、今後続編の計画があるのかどうかは知らないが、個人的には『インド菓子紀行』が出てくれると大変嬉しい。ラスグッラーとゴアのベビンカは取り上げられていたが、本来の食事同様にバラエティ豊かで味わい深く、それ以上にカラフルなインドの甘味の世界だ。『インド菓子文化』をカラー画像入りでを包括的に取り上げた本が出れば『本邦初』の快挙となることだろう。

  • モノクロームの遠い過去

    今年の7月に『古い写真の記憶』と題して取り上げてみたOld Indian Photosは、主に19世紀から20世紀前半にかけてのインドの古い写真が紹介されている。かなり頻繁に更新されているようで、しばらく見ない間に新たなクラシック写真が沢山掲載されている。

    過去のアップロード分が月別になっているだけではなく、年代別、地域別、関係別になっているので参照しやすい。例えばIndustryの項をクリックすると、19世紀末の大規模な工場の作業現場の写真を見ることができるし、Railwaysからは、インドの鉄道草創期から発展してゆく過程、事故の画像、駅の賑わいや乗客の人々の姿を垣間見ることができる。当時はまだインドの都市だったカラーチー、ダーカー、同じくインドの一地域であったビルマはもとより、ブータンやネパール等の周辺国の画像もある。

    各地の藩王国の貴人たち、市中の人々、農民や部族民など、各地の様々な人々の姿が出てくるが、それらの人々の装いを眺めているだけでも興味深い。繊維産業のマスプロダクション化が進む前の時代なので、衣類に地域性が極めて高く、まさに格好そのものがそれを着ている人となりを表していたことが看て取れるだろう。着ているものが新しいとかヨレヨレとかいう話ではなく、衣服の様式やデザインといった意匠についてであることは言うまでもないだろう。

    もちろん今のインドでもそういう部分はあるのだが、多くの人々が洋服を着るようになり、『インドの衣装』そのものが大資本によりマスプロ化され、地場の町工場の製品もそれに追随しているため、地域色は限りなく薄くなっている。

    エンジンの付いた乗り物、スピーカーで電気的に増幅した大きな音が存在しなかった時代、都会の街中でもさぞ静かであったのではなかろうか。モスクから流れるアザーンの呼びかけがスピーカーを通して流れるようになったのはどの年代からだろうか。大きな通りも往来に気を配ることなく悠々と横断できたことだろう。

    写真に姿を残している人々の姿を手掛かりに、往時の街中の雑踏の様子に想像を巡らせるのもまた楽しい。

  • コシナのマイクロフォーサーズ用レンズ フォクトレンダー NOKTON 25mm F0.95

    コシナのマイクロフォーサーズ用レンズ フォクトレンダー NOKTON 25mm F0.95

    ボディとレンズのコンパクトさと軽さから、このところ一眼カメラはマイクロフォーサーズを愛用している。どこにでも常時携帯できる気軽さがいい。

    だが物足りなく思うのはレンズのバリエーションの少なさである。キャノンやニコンのAPS-Cサイズの一眼レフであれば、様々なタイプのものが用意されているし、メーカー純正以外にもシグマ、タムロンその他のサードパーティーからも個性的なレンズが沢山出ている。

    マイクロフォーサーズの場合、構造上フランジバックが短いため、マウントアダプタを介してクラシックレンズを楽しむ目的で購入するマニアも一部いるものの、主に初級者向けに販売されているという事情があるため、いたしかたない。ゆえに余計な物欲に振り回されずに済むということは言えるかもしれない。

    そんな中でも大変気になるマニュアルフォーカスの単焦点レンズがある。

    フォクトレンダー ノクトン25mm F0.95 (コシナ)

    フォクトレンダー ノクトン25mm F0.95はマイクロフォーサーズマウント用のフルマニュアルレンズ

    F.0.95という、人の眼を超えた明るさの驚異的なレンズである。開放側では被写界深度が紙のように薄いことだろう。現在市販されているレンズとしては、ライカのノクティルックスM F.0.95 / 50mm ASPHと並び最も明るい。

    こんな個性的なアイテムが、没個性なマイクロフォーサーズのレンズ群の中にあるのは面白い。このレンズを使いたいがゆえにマイクロフォーサーズ機を購入した人もいることだろう。

    このレンズについてのレビューと実写画像は以下のサイトをご参照願いたい。

    コシナ「フォクトレンダーNOKTON 25mm F0.95」(デジカメwatch)

    コシナ NOKTON 25mm F0.95 実写レポート (GANREF)

    ファインダー越しに広がる味わい深い世界をぜひ体験したみたいものだ。

  • 日本の技をおみやげに

    日本の技をおみやげに

    食品サンプルの出来栄えは、日本製品の右に出るものはないだろう。発祥は80年ほど前のことという。レストランや食堂のショーケースに並ぶ本物そっくりのそれらを目にしていたく感激し、東京都台東区の合羽橋あたりで買い求める外国人は少なくないようだ。

    これらは外国へのみやげにいいかもしれないが、製作を体験できる教室を開いている業者もある。在日の外国人の方を誘って出かけてみると喜ばれるかもしれない。

    サンプルFAN FUN FAN (大和サンプル製作所)

    料金等は以下を参照のこと

    食品サンプル体験(大和サンプル製作所)

    実は最近妻が子供と一緒にサンプル作りにトライしている。手前ミソながら、初めての割にはまずまずの仕上がりなのではなかろうか。私も今度試してみようと思う。

    素人が初めてトライした割にはまずまずの出来かも?

     

  • 地震情報

    今年3月11日の東日本大震災の揺れが発生したとき、私は東京都内のビルの中にいた。

    突然、耳慣れない音声と電子音が聞こえてきた。「あと××秒で強い揺れが来ます。注意してください。あと××秒で強い揺れが来ます。注意してください。予想震度5」という機械的なアナウンスに続いて警報音、ふたたび同様のアナウンスが流れるといった具合だった。

    最初は何かの訓練かな?と思った。それを耳にしている周りの人たちもキョトンとした様子でポカンと宙を見つめている人たちもあれば、そうしたノイズに気を取られず、あるいは気が付かずに自分の仕事らしきものに没頭している人たちもあった。

    「あと10秒、5秒・・・」

    音声は続いた。

    それが終わらないうちにカタカタと小さな振動が始まっていたことで、ようやく私はさきほどの「予想震度5」というアナウンスが、訓練ではなく本当の警報であったことに気が付いた。

    この予想どおりの震度であれば、倒壊する建物はほとんどないにしても、私はこれまで体験したことのない規模の揺れだ。小さな振動は急激に大きな揺れへと展開していき、建物の下の階にいたものの、ここにいて大丈夫なのか?と不安を覚えた私は即座に外に出た。

    周囲の建物はグラグラと揺れている。大きな木々だってまるで根本から巨大な手で揺さぶられているかのようにユラユラとしなっている。 立っている私も酔ってしまいそうだ。

    大地の震動が収まり、ホッと一息ついて建物の中に戻ると、先ほどの警報が鳴ったので再び外に飛び出す。まもなく同じくらいの規模の地震が来た。

    揺れがあった時点では、震源地がどこであるかわからず、まさか東北地方の東沿岸を中心に大きな津波被害が出ているなどということは想像もしなかった。

    津波はともかく、地震については、それがやってくる数十秒前、あるいは10秒ほど前でも判ればだいぶ被害を減らせるのではないかということはわかった。最初の揺れのときには警報が一体何だかわからなかったものの、2回目のときには即座に対応できた。例え逃げ場のないところに居たとしても、最悪の被害を回避するために相応の努力はできるのではないだろうか。

    日本の携帯電話やスマートフォンで、地震を事前に知らせる機能が付いているものは多い。またSignalNow Expressのように、パソコンにインストールできる無料ソフトもネットで配布されている。

    ところで、南アジアにも地震多発地帯は少なくない。近い将来、巨大地震が来ることが予想されている地域もある。そうしたエリアの中でもとりわけ地震の多いヒマラヤ沿いの地方において、インフラ事情は日本とは比較にならないとはいえ、携帯電話の普及については先進国並みであったりする。スマートフォンをはじめとする高性能機種も広く使われているとはいえ、庶民の間では通話とSMS送受信しかできない廉価な機種を持つ人が多いという点はネックではある。

    それでもネット経由で地震発生を事前に知らせるネットワークがあれば、たとえ限られた層のユーザーであっても、強い揺れの到来を事前に知らせることができれば、それなりの高い効果が期待できるに違いない。

    このシステム、地震多発国で共有できないものだろうか。もっとも震源があまりに近いと予報が間に合わないことがある、つまり直下型地震の場合は震源地の人々の間での有用性があまり期待できないという欠点はあるのだが。

  • インドの雑誌デジタル版

    インドの雑誌デジタル版

    すでにIndia Todayグループ系列の雑誌や同グループのウェブ広告にて、これらの雑誌のデジタル版が利用できるようになった旨が告知されている。紙媒体で販売されているものと同じ誌面がデジタルで配信される。

    これらはmagzeterを経由しての販売だ。ちなみにインディア・トゥデイ(英語版)は一部売りで0.99ドル(日本からは85円)、年間購読は23.99ドル(日本からは2,100円)で、インディア・トゥデイ(ヒンディー版)の場合は、一部売りが同じく0.99ドル(日本からは85円)であるものの、年間購読は16.99ドル(日本からは1,500円)と低めになっている。

    例えば、iPadユーザーであれば、magzeterでユーザー登録と支払いをすると、使用しているiPadならびに自分自身のアカウントでログインしたパソコンから閲覧できるようになる。定期購読の場合は、発売日に新しい号が配信される。

    私自身、試しに購入してみた。Newsweek のように掲載誌面にいろいろ仕掛けがしてあって、デジタルならではのインタラクティブな仕上がりになっているわけではなく、あくまでも紙媒体と同じものが表示されるだけだ。それでも紙媒体をスキャンして作成したPDFのような表示のもたつき(グラフィックが多い際の)は無い。おそらくデバイスに占める容量も少ないのだろう。

    違法コピー防止のため、タブレットPCのアプリケーション内に保存されるだけで、通常のパソコン内に保存したり他のデバイスに移動したりすることはできないあたりは不便に感じる。始まったばかりの新しい試みなので、これから変更や改善が積み重ねられていくことと期待したい。

  • インド優勝 試合を分けた痛恨のPK 快進撃のアフガニスタン散る SAFF CHAMPIONSHIP

    インド優勝 試合を分けた痛恨のPK 快進撃のアフガニスタン散る SAFF CHAMPIONSHIP

    自国国家を斉唱するアフガニスタン選手たち

    開催国インドに挑むのは今大会で旋風を起こしてきたアフガニスタン。準決勝までとは打って変わり、ジャワーハルラール・ネールー・スタジアムには大勢の観客が詰めかけた。もちろん今日が日曜日ということもあるが、開催国インドが進出しての決勝戦なので、こうでなくてはならない。おそらく西ベンガル、カルナータカやゴア等、サッカー人気の高い州から駆けつけてきたファンも少なくないのではなかろうか。

    インドとアフガニスタンは、12月3日に行われたグループAでのリーグ戦で最初に対戦して1-1で引き分けた同士だが、やはり今日の決勝戦もタフな試合となった。前半戦は両チームとも互角の闘いを展開。どちらかというとロングパスを多用するインドに対して、アフガニスタンは中盤で細かいパスをつなぐテクニカルなサッカーが持ち味だ。

    前半は決定的な場面を作れなかったインドだが、アフガニスタンにはぜひ決めておかなくてはならないシーンがあった。自陣に攻め込んできたインド選手たちをほとんど置き去りにしてのカウンター攻撃で、最前線へのパスを受けたFWバラール・アールズーがペナルティエリア内に持ち込み、GKカランジート・スィンと1対1の状態で放ったシュートが正面に入ってしまい弾き返された。

    一昨日のネパール戦での不調がまるで嘘のように、本来の調子を取り戻したアフガニスタンは攻守ともに充実していた。両チームともに無得点のまま前半を終了してハーフタイムに入った。

    後半戦も互角のゲームが展開されていた。心情的にはインドに期待しながらも、大躍進を見せているアフガニスタンのMFイスラフィール・コーヒスターニーの豊富な運動量とチャンスメイキング、左サイドバックのハルン・ファクルディーンの旺盛なオーバーラップ等々、観ていて楽しいのはアフガニスタンのほうであった。

    だが試合が大きな波乱を迎えたのは後半20分。インドのサイヤド・ラヒーム・ナビーが前線に送ったボールをFWジエジエがペナルティエリア内で受ける際にアフガニスタンDF選手と交錯して倒れた瞬間、主審のスクヴィール・スィンが笛を吹いて判定はペナルティキック。これに対して抗議をしたのはアフガニスタンGKのハミドゥッラー・ユースフザイ。これに対して主審は即座にレッドカードを出して退場を命じた。拮抗した試合の中で、ほんのわずかの時間に思いもかけないハプニングが起きてしまった。

    今後、アフガニスタンは11人のインドチームに対して、10人という数的不利の中で闘わなくてはならない。ましてや相手のペナルティキックというこの試合最大の危機を迎えることになってしまった。退場となったハミドゥッラー・ユースフザイに替えて控えGKのワシール・エヘマド・ダマンがゴールを守ることとなり、MFのグラーム・ハズラト・ニヤーズィーを下げることになった。

    PKはインドのエース、スニール・チェートリーが冷静に決めた。もっとも蹴る前にインド選手の1人がフライングしてペナルティエリアに入ってしまい、ペナルティキックのやり直しを命じられるというハプニングがあったのだが。スニール・チェートリーは今大会通算7点目をマークした。

    GKの退場劇とペナルティキックの成功で、試合の流れがすっかり変わった。すっかり勢いづいたインドは、自らとは対照的に浮足立ったアフガニスタンに対して、後半33分にスニール・チェートリーが中央から右に流したボールを受けたクリフォード・ミランダーが、ディフェンダーを1人かわして切り込んで豪快なシュートを叩き込んだ。

    そのわずか1分後には同じくスニール・チェートリーが左サイドからドリブルで持ち上がり、中央にいるジエジエに速いパスを送り、これを見事にアフガニスタンゴールに突き刺す。これで3-0となって試合は完全に決まったのだが、その後スシール・クマール・スィンの強烈なミドルシュートによる4点目が入った。

    後半中途まで、あれほど拮抗した試合を展開していながらも、GK退場劇とそれによるプレイヤー人数減、ペナルティキックによる失点というハプニングの後、総崩れになったアフガニスタン代表の有様は不憫でさえあった。実力的には互角でどちらが勝ってもおかしくない試合であったが、件のペナルティキックの判定はかなり微妙なものであることに加えて、アフガニスタンGKの抗議に対して即レッドカード(何か非常に汚い言葉を吐いたのでもなければ、あまりに唐突であった。)という判断も合わせて、インド人でもなくアフガニスタン人でもない第三者から見ても何とも言えない部分がある。

    このことについては、アフガニスタン・インドともに快勝 SAFF CHAMPIONSHIPでも触れたように、微妙な判定が勝敗を左右した場合、見た目からしてインドとの縁が深いと邪推されかねないスィク教徒が主審というのはどうも収まりが悪い。シリア、韓国、マレーシア他から、立派なキャリアを持った審判員を招聘しているのだから、敢えてインドの試合、しかも決勝戦での主審という役目をスクヴィール・スィン(国籍はシンガポール)に負わせるのは、適切な判断であったのだろうか。

    スクヴィール・スィンは、今大会で幾度か主審を務めており、現在28歳とまだ若いものの的確かつ冷静なジャッジングをする審判員だと私は思っていた。だが本日の決勝戦での微妙な判定とそれに続いてのGKの抗議に対する一発退場については、とりわけ『極めてインド寄り』の外観から『インド側と事前に何か打ち合わせがあったのかも?』という疑念を生じさせるのに不足はない。ましてや今大会の開催地はインドである。

    大会始まってすぐからインドとアフガニスタンの決勝進出を予想していたが、これが現実となって非常に嬉しく思っていた。サッカーのスタイルがまったく異なるが、チーム力の差はほとんどないため、緊張感あふれる好カードになるに違いないと期待していた。確かに後半途中まではそうであったのだが、試合の流れを完全に変えてしまった判定については、第三者的な視点に立てばやはり疑問符を付けずにはいられず、何とも後味の悪い結果となった。今大会のインド優勝を素直に喜ぶことができないのが悲しい。

    SAFF優勝に沸くインド代表チーム
  • インドとアフガニスタンが決勝進出 SAFF CHAMPIONSHIP

    インドvsモルジブ

    12月9日の準決勝第1試合はインドvsモルジブ。両チームとも良い立ち上がりを見せ、序盤から互いにゴールを脅かすシーンが幾つか見られた。均衡が破られたのは、クリフォード・ミランダの右からのクロスをジィェジィェが頭で合わせたボールを、サイヤド・ラヒーム・ナビーが強引に押し込んだゴールだ。

    実力が拮抗している両チームだけに、これで試合がそのまま決まるはずはない。ハーフタイムの後、後半10数分の時間帯で、モルジブのシャムウィール・カースィムが見事なミドルシュートを決めて同点に追いつく。シャムウィールは、アリー・アシュファクと並んで、南アジアを代表する優れたサッカー選手だ。このゴールで試合の流れが変わり、優勢に転じたモルジブにインドが苦しめられるシーンが続いた。

    だがインドに起死回生のチャンスをもたらしたのは、FWでエースのスニール・チェートリーだった。ドリブルによる強引な切り込みが相手のファウルを誘いPKを得た。これをよく落ち着いてゴール右隅に蹴りこみ、再びインドが勝ち越す。

    小国ながら技術・戦術ともにレベルは高いモルジブの中盤は、今大会参加チームの中で最高レベルだろう。幾つもの好機を演出しながらも、ゴールを挙げることができないままに、時間が経過していく。終盤では守備を1人減らして、オフェンスの選手を投入しての猛攻が続く。

    なんとかインドが守って逃げ切ってくれ!と祈るような気持ちで観戦しているうちに、時計は90分を回った。ロスタイムは3分くらいだろうか?と思ったあたりで、長いドリブルで持ち上がったFWのジィェジィェからのパスを受けたスニール・チェートリーが冷静にゴールを決めた。このあたりの安定感はさすが『バイチュン・ブーティヤーの後継者』である。今日の2ゴールで、今大会通算6ゴールで得点ランキングトップに立った。

    この試合でもたびたび決定的チャンスを生み出してきたジエジエの名前も記憶しておいたほうがいい。ミゾラム州出身でまだ19歳。非常に才能に恵まれた選手だ。これからのインド代表の歴史は彼とともにあることだろう。

    準決勝なので当然といえば当然の話だが、今大会これまでの試合の中で最も見応えあるゲームであった。

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    アフガニスタンvsネパール

    続いて準決勝第2試合はアフガニスタンvsネパール。今大会で旋風を起こしているアフガニスタンだが、南アジアの雄、ネパールを前に押し込まれるシーンが続く苦しい立ち上がりだった。グループのAでの華やかな試合運びがまるでウソのように、防戦一方の展開が続く。この日の中盤の出来は最悪で、前半戦はFWのバラール・アールズーが大きく引いてカバーに回るシーンが散見された。

    劣勢に終始したアフガニスタンにとって、初めてのチャンスは前半の30分過ぎに訪れた。左からのクロスをゴール右に走り込んだ選手が頭で落として、ゴール前のバラール・アールズーに合わせるといった絶好の機会であったが、バラールはこれを確実に決めることができなかった。ネパールに圧倒されて非常に苦しい中、数少ない好機をモノにできないとどうにもならない。バラール・アールズーは、そのしばらく後も右サイドからのフリーキックを頭で合わせたものの、ボールはゴールのクロスバーを叩いてしまい得点ならず。今日はどうもツキに見放されているようであった。

    後半に入ると霧が濃くなってきた。嵩にかかって攻めたてるネパールに対して、散発的にカウンターを仕掛けるアフガニスタン。圧倒的にネパールが支配している試合だが、実のところごくわずかな攻撃の機会ながらもきっちりと決定的な場面を作ることができているのはアフガニスタンであった。中盤を支配しても、アフガニスタンの最終ラインを崩せずにいるネパールに不安なものを感じたのは私だけではないはずだ。

    ついに0-0のままでタイムアップ。短い休憩を挟んで延長戦に入る。ここでもやはり豊富な運動量とパスワークでゲームを支配するネパールに対して、防戦一方のアフガニスタンがときおりカウンターを仕掛けるといった具合だ。それにしても今日のアフガニスタンの中盤の不甲斐なさといったらない。90分終了してからもまったくスピードが落ちないネパールのタフさには感心するものの、アフガニスタンの手堅い最終ラインを崩すためのアイデアがない。ワンパターンの攻撃を仕掛けては弾き返されている。

    そんな膠着状態の中、ネパール選手たちが自陣深く入り込んだところでボールをインターセプトしたアフガニスタンは、一気に最前線に繋ぐ。バラール・アールズーが飛び出した。追いすがるネパールのディフェンス選手たちをかわして、後方に置き去りにし、放ったシュートがネパールのゴールに鮮やかに刺さる。まさに一瞬の出来事であった。

    これで試合は決まった。この後、ネパールはボールを支配しながらも、アフガニスタンのゴールを襲うことができない。今日のアフガニスタンの出来は最悪であったが、バラール・アールズーという切り札のここ一番での活躍により、8割方支配されていた試合を勝利で飾ることができた。

    準決勝第1試合のインドvsモルジブのような充実した内容はなく、あまりに雑で退屈な試合であった。唯一の見せ場が延長戦でのバラール・アールズーのゴールだ。バラールは、これで通算6点目となり、先の試合で2ゴールを決めたインドのスニール・チェートリーに追いついた。

    12月11日にインド時間午後6時試合開始の決勝戦では、インドとアフガニスタンの勝敗とともに、得点王がどちらの手に渡るかという個人タイトルの面からも楽しみだ。今大会、インドにとってグループリーグでの初戦の対戦相手がアフガニスタンであった。スコアは1-1で引き分けている。南アジアにおいてトップレベルの代表チームを相手に互角に戦った見事な試合だった。

    今日のアフガニスタンは散々な出来だったが、決勝戦はベストの状態でインドと当たって欲しい。南アジアのサッカー界の頂点のプライドと地元開催の名誉にかけてインドが勝利をモノにするのか、あるいはこの地域のサッカーの世界の勢力図を塗り替えて大きなサプライズを呼んだ新鋭アフガニスタンが、自ら王者となって更なる驚きと衝撃を南アジアサッカー界に与えるのだろうか。

    南アジアのサッカー関係者たちにとって、今大会の決勝戦はまさに『時代が動く』瞬間かもしれない。

  • グループAからはアフガニスタンとインドが準決勝進出へ SAFF CHAMPIONSHIP

    グループAからはアフガニスタンとインドが準決勝進出へ SAFF CHAMPIONSHIP

    インドvsスリランカ 試合開始直前

    12月7日のカードは、第1試合アフガニスタンvsブータンと第2試合インドvsスリランカ。アフガニスタンはブータン相手に8-1と大勝。両チームの力量の差が甚だしく、一方的な展開に終始したため、試合経過については特にコメントするつもりはない。

    だだし、注目すべきは、この試合での8得点中、4点は背番号9を付けているFWのバラール・アールズーによるものであることだ。これによって、初戦のインドとの試合での1得点と合わせて通算5ゴールと、今大会の得点ランキングのトップに躍り出た。目下、これに続くのはインドのFWで『バイチュン・ブーティヤーの後継者』とされるスニール・チェートリーが4得点。2得点では、モルジブのアリー・アシュファーク、アフガニスタンのサンジャール・エヘマディーが並んでいる。

    今後、準決勝、決勝で対戦する各チーム同士の力の差は小さいので、ゴールが量産される試合はないだろう。ゆえに得点王はアフガニスタンのバラール・アールズーとインドのスニール・チェートリーの間で争われることになるだろう。

    グループAのトップには、アフガニスタンとインドがともに2勝1分けで並ぶが、得失点差により前者が1位、後者が2位での通過となる。そのため12月9日の準決勝で、アフガニスタンはグループBで2位のネパール、インドはグループB1位のモルジブとの対戦となる。

    どちらのカードもグループAから進出するチーム、つまりアフガニスタンとインドのほうが戦力は上のようだ。だがスケジュールがタイトなこの大会において、懸念される要素がひとつある。昨日最終戦を終えて中2日休むことができるグループBのネパールとモルジブに対して、アフガニスタンとインドは中1日しか休養できないことだ。そのあたりを考慮しなければ、準決勝は順当に行けばグループA通過のアフガニスタンとインドがそれぞれ勝利して決勝に駒を進めることなると予想される。

    いよいよ大詰めを迎えつつある今大会だが、準決勝進出を決めるため地元開催のインドにとって大切な一番であったにもかかわらず、スタンドはガラガラであったのが気になるのは私だけではないだろう。南アジアにおいて、インドに限ったことではないが、サッカーのレベル向上のためには、足しげくスタンドに足を運ぶ大勢のファンたちの姿が必要だ。ゲームを観る人の数は、そのスポーツに対する人々の愛着の深さや関心の高さを如実に反映し、同時に競技人口の多寡を示すものでもある。

    こうした寂しい状況下でも、情熱的にこの競技に打ち込んでいるプレーヤーたちに敬意を表したい。同時に、スタンドに足を運んでいるファンたちのハートに共感を覚えずにはいられない。

    最後にひとつ付け加えたい。昨日12月6日にカーブルで発生した爆弾テロ事件により、アフガニスタン代表MFのムスタファ・マダル選手の親族4名が亡くなっている。これにより帰国することなく、自国代表の戦列に留まっているムスタファ選手の胸中を想像すると、やりきれない思いがする。スポーツの世界は、政治やテロ等と無縁であって欲しいものだが、なかなかそうもいかない現実がとても残念である。

  • グループBはネパールとモルジブが準決勝進出 SAFF CHAMPIONSHIP

    本日のSAFF Championshipは、第一試合のネパールとパーキスターンのゲームは1-1の引き分け。第二試合はモルジブがバーングラーデーシュを3-1で下した。最初の2試合をはともにドローであったモルジブだが、南アジアにおいてはそれなりの存在感を見せている対戦相手を完膚なきまでに叩きのめしたゲームであった。ネパールとモルジブは、ともに1勝2分けで勝ち点5。だが得失点差でわずかに1点上回る後者が1位、前者が2位での準決勝進出となる。

    明日、12月7日にグループAのアフガニスタンvsブータン、インドvsスリランカが行われる。インドとアフガニスタンはともに1勝1分けで、前者はブータン戦での大量点が効いて、得失点差でアフガニスタンを3点上回り、現在は首位立っている。すでにグループリーグ敗退が確定しているブータンとの対戦において、アフガニスタンの圧倒的な優位は揺るがないはずだ。準決勝進出は間違いないだろう。だがインドについては、実力的にそう大きな差はないと思われるスリランカが相手だ。最低でも引き分けで通過できるので楽観したいところだが、うっかり負けてしまうようなことがあると、勝ち点で逆転されて、地元開催ながらもグループリーグで敗退という屈辱が待ち受けている。

    首尾よく、インド・アフガニスタンともに12月9日の準決勝に駒を進めることとなれば、グループAを1位通過したほうがネパールと対戦、2位通過したほうはモルジブと戦うことになる。今日のところまでの全試合の中継を観戦して受けた印象を踏まえて、12月11日に行われる決勝戦に進出するのは、総体的な選手層の厚みを持つインドと華やかな海外組メンバーを抱えるアフガニスタンではないかと予想している。その両者のうち、晴れてSAFFカップを手にするのは、心情的には『インド!』と叫びたいところだが、欧州等のクラブチームでプレーするメンバーが多いアフガニスタン代表チームが要所要所で『魅せてくれる』プレーのほうに気持ちが移ってしまう。

    アフガニスタンのサッカー事情に詳しくはないのだが、選手層は決して厚くはないはずで、海外組の選手たちもアフガニスタンで上手くなって外国クラブに引き抜かれたというわけでもない。多くは生まれてから祖国とあまり縁の無い生活を送ってきた人たちらしいので、将来の更なる発展につながるようなものではなく、現在の高いチーム力は今回限りの一過性のもののようでもある。そうしたチームが『南アジアのワールドカップ』とも言われるこの大会を制覇することにでもなれば、この地域のサッカー界、とりわけ南アジアを代表するトップリーグ、I-Leagueを擁するインドの面目は丸潰れだ。

    それでもアフガニスタンを贔屓したくなるのは、内戦からの復興途上であるとか、弱小国の快進撃などといったものではなく、この大会で現在までのところ最もスペクタクルな試合見せてくれるチームであるからだ。ぜひ栄冠をカーブルに持ち帰ってもらいたい。

  • アフガニスタン・インドともに快勝 SAFF CHAMPIONSHIP

    アフガニスタン・インドともに快勝 SAFF CHAMPIONSHIP

    SAFF CHAMPIONSHIP INDIA 2011

    12月5日のSAFF CHAMPIONSHIPのグループA第一試合はスリランカvsアフガニスタン。大会開幕以前、Aグループの1位通過は順当にいけばインドで2位通過はスリランカ、場合によってはその逆もあり得ると誰もが予想していたことだろう。 ところがこのグループの初戦でインドと1-1で首尾よく引き分けたアフガニスタンが、ブータン戦を終始支配して3-0で退けたスリランカを相手に劇的な勝利を収めた。私自身、インド戦で『意外に侮れない』と感心していたアフガニスタンだが、南アジア諸国を相手にするこの大会において、その強さは本物だった。

    前半の早い時間帯に、スリランカはモハマド・ザイーンのゴールで先制したものの、その後はサイドからの折り返しをサンジャール・エヘマディーに強引に押し込まれて同点に追いつかれる。サンジャール・エヘマディーはさらにもう1点追加。後半にはアター・モハンマド・ヤムラーリーが左からのセンタリングを豪快なヘッドで叩き込む。このあたりで勝敗はほぼ決まった。

    アフガニスタン代表チームの登録メンバーの中には外国でプレーしている選手が8名もあり、それらの中には欧州・北米のクラブでプレーしている者が多く、母国の土をほとんど踏んだことがない選手もあると聞く。そのため、単純に『長らく続いた内戦からの復興の中で頑張っている』チームとは言い切れないものがある。 放送の中でインド人アナウンサーは、今大会におけるアフガニスタンの活躍を歴史的な快挙であるといった調子で伝えていたが、このチームは間違いなく優勝をさらう可能性もあるチームである。インド戦での引き分け、スリランカ戦での快勝ともに奇跡でも快挙でもなく、実力があるチームであるがゆえの相応な結果だ。

    とりわけ背番号10番と9番、サンジャール・エヘマディーとバラール・アールズーは今大会最強のツートップではないだろうか。両選手ともに南アジアのレベルを凌駕するFWプレーヤーだ。ゆえに前者はドイツで、後者はノルウェーのクラブチームでプレーしているわけだが。 本日の試合で2点を決めたサンジャール・エヘマディーに対して、先のインド戦を引き分けに持ち込む貴重なゴールを奪ったバラール・アールズーはスリランカ戦では得点がなかったものの、やはり幾度も好機に絡んでいたし、前半には右サイドから流し込まれた低い弾道のパスをゴール右側からインサイドで後方に流しての難易度の高いシュートを試みるなど、観る者を唸らせる素晴らしい見せ場を演出していた。

    アフガニスタンの次のゲームは、12月7日にブータンを相手に行なわれる。アフガニスタン、インド、スリランカ、ブータンから成るAグループの上位2チームが、12月9日の準決勝に進出する。ぜひインドとともに駒を進めて欲しいと私は願っている。

    この日の第二試合で、インドが日本人の松山博明監督率いるブータンと対戦するカードは、両者のレベルがあまりに違いすぎて楽しむことができなかった。スコアは5-0でインドの大勝。得点者は『インド版メッシ』と形容されることもあるドリブルの名手、サイヤド・イブラヒーム・ナビーが1点、クリフォード・ミランダーとスニール・チェートリーがそれぞれ2点ずつ記録した。

    インドvsブータンの試合を観戦していた方々は、主審が大柄なスィク教徒であることに気が付いたことだろう。その当人、スクヴィール・スィンはシンガポール国籍で、他の国際試合がどれもそうであるように、試合当事者たちと無関係の『中立国の審判』であることは間違いない。だがインドに対する個人的な思い入れが深いであろうと邪推されかねないため、今後もインド戦でホイッスルを吹くことがあれば、対戦国が力の拮抗した相手であったり、準決勝、決勝に駒を進めたりした場合、自国開催のインドに有利に働く可能性があると批判を浴びる可能性は否定できず、決して好ましいことではないだろう。

  • Karbonn SAFF Championship India 2011をネット観戦しよう!

    Karbonn SAFF Championship India 2011をネット観戦しよう!

    今回のSAFF (South Asian Football Federation)  Championship 2011の開催地はインド。デリーのジャワーハルラール・ネルー・スタジアムで全15試合が行われる。2009年にバーングラーデーシュで開催された前回大会で優勝したインドは自国での大会に臨んでいるわけだが、これまで5回という最多優勝国としてのメンツもあり、前回に続いての連覇が期待されるところだ。

    グループA(アフガニスタン・インド・スリランカ・ブータン)とグループB(ネパール・モルジブ・パーキスターン・バーングラーデーシュ)に分かれて、それぞれ総当たりのゲームが実施される。ふたつのグループのそれぞれ上位2チームが決勝トーナメントに進出する。グループAの1位とグループBの2位、そしてグループAの2位とグループBの1位が準決勝を戦い、それぞれの勝者が決勝戦で対戦するといった具合。

    Ustreamがこの大会のゲームをライブ配信することについては、当サイト右側にあるツイッター記事にもあるとおりだが、同様にYoutubeでも専用チャンネルを設置して中継映像を流している。すでに終了した試合を視聴することも可能だ。

    12月2日、開幕戦のBグループパーキスターンvsバーングラーデーシュは、0-0の引き分け。同じくネパールvsモルジブも1-1で引き分けた。昨日12月3日は注目のインドの初戦で、相手はアフガニスタン。前半の早い時間帯で、中盤選手がのバックパスを受けたインドの左サイドバックのマヘーシュ・ガウリーのお粗末なボール処理により、アフガニスタンのエース・ストライカーのバラール・アールズーにインターセプトされて先制点を決められてしまう。しかしその後、スティーヴン・ダイアスが蹴った左コーナーキックをスニール・チェートリーの見事なヘディングによる同点弾がアフガニスタンゴールに突き刺さった。

    先制点を決めたアフガニスタンのバラール・アールズー

    概ねインドは優勢に試合を進めていたとはいえ、明らかに格下であり、しかも国内事情がスポーツの育成という状況ではないアフガニスタン相手に引き分けというふがいない結果になった。だがサッカーのアフガニスタン代表チームを見る(中継ではあるが)のは初めての私は、アフガニスタンは意外に侮れないという印象を受けた。

    世界的に見れば低い位置につけているとはいえ、南アジアのサッカー界では大きな存在感を持つインド相手に遜色ないゲームを見せてくれた。先制点を決めたFWで背番号9のバラール・アールズーは幾度も好機に絡む活躍を見せていたし、同じくFWの10番付けたサンジャル・エヘマディーも見せ場を作っていた。攻撃の起点として活躍したMFで7番のイスラフィール・コーヒスターニーも良かったし、DFで16番を付けた長髪のジャラルッディーン・シャリアテャールも巧みに最終ラインを指揮していた。

    これら4名のうち3名は国外でプレーしている選手だが、アフガニスタンのサッカー事情を紹介しているFOOTBALL AFGHANISTANというサイトによると、代表チームの中に占める国外クラブでプレーしている選手の数は、インドのI-League所属の選手も含めて8名とかなり多い。今回の試合で特に印象に残った4名以外においても、アフガニスタン選手たちは総じて技術的にはかなり高いものを持っており、体格面でも恵まれておりフィジカルも強い。サッカーという競技における素質の高さを感じさせるものがある。

    将来、国内が安定して競技人口も増えてくると、またジュニア世代から適切な育成がなされる時代がやってくるならば、地域の強豪国として台頭してくるのではないかと思う。インド戦で垣間見せたゴールへの旺盛な意欲は、隣国イランの華やかな攻撃スタイルを思い起こさせるものがある。たぶんアフガニスタン選手たちにとっての『お手本』とは、地域的にもイランのそれであることは容易に想像できるが。インドの初戦勝利を期待していたものの、結果は引き分けでちょっとがっかりしたのだが、その反面アフガニスタン代表の意外な善戦により、最後までゲームを楽しく観戦することができて良かった。

    インドvsアフガニスタンの後に行なわれたスリランカvsブータンは3-0で前者が圧勝。続いて12月4日のバーングラーデーシュvsネパールは、0-0のままタイムアップになろうかという間際に、サーガル・ターパーの芸術的なフリーキックによる得点により、ドラマチックなエンディングを迎えた。今、この記事はパーキスターンvsモルジブを観戦しながら書いている。試合はすでに後半に入ったが、スコアは0-0のままだ。

    パーキスターンvsモルジブ

    明日、12月5日はアフガニスタンの第2戦目。相手はスリランカだが、ここでもアフガニスタンの活躍を期待したい。この試合の後にインドがブータンと対戦する。引き分けでスタートしたインドは、これを確実に勝たなくては非常に苦しい。

    今後、12月5日、6日、7日にグループリーグのゲームが行われ、12月9日に準決勝、12月11日に決勝戦となる。準決勝までは第1試合は午後3時から、第2試合は午後6時からとなる。決勝戦は午後6時キックオフだ。いずれもインド時間なので、時差3時間半先行している日本在住者には観戦しやすい時間帯だ。もしご興味があれば、SAFF Championshipのネット観戦はいかがだろうか。