昼食は、ラージパトナガルのアフガニスタン料理へ。ホウレンソウの炒め物とケバーブ。とても上品な味わいだ。そして甘い緑茶にはカルダモンが効いていて、これまた美味である。この地区では、いろいろな顔立ちをしたアフガン人たちのナーン屋が、様々な種類のナーンを焼いて売っている。この料理屋で出てきたのは丸くて厚いウズベク式ナーンであった。おかずを注文すると自動的にナーンも出てきて、何枚頂いても良いというのがアフガニスタン式らしい。サイズが大きく、かなりお腹に溜まるので、そんなに大量に食べられるものではないが。
若いインド人カップルが店に入ってきてプラオを注文した。料理とともにナーンも出てくると、「これをおかずにナーンを食えというのか？」などと難癖をつけている。とりあえず食事を注文すると、これも同時に供されるのが習わしのようなので、勘弁して欲しいものだ。ここではナーンの料金は取らないし、食べなければ次のお客に回すのだろうから。
そしてデリーメトロのR.K.アーシュラム・マールグ駅近くにあるウズベク料理屋で夕食。店内にはウズベクのポップスが流れていて、それらしい雰囲気がある。注文したのはウズベク式のプラオ、サフランの色がとても濃くなったビリヤーニーのように見えるが、あっさりと薄味の脂ごはんという印象。これにスパイスやトウガラシを足すと確かにビリヤーニーになるという感じがする。このプラオがインドで現地化されたものがビリヤーニーなので、まさに同類の食べ物である。
翌日はマージヌー・カー・ティーラーのチベット人居住区でチベット料理を食べる。本場チベットから移住してきた人たちが営む店が軒を連ねており、食事を出す店も少なくないが、人気の店はいつ訪れても常にお客で一杯だ。トゥクパと揚げたモモを注文する。中華料理の影響を強く受けてはいるものの、やはりチベット料理には独自の味わいがある。
デリーにて、ムグライ料理、パンジャービー料理も素晴らしいのは当然だが、こうした近隣地域の料理屋もまた非常に美味なものを出すところが多い。とりわけ、そうした料理の本場の出身の人たちが大勢集う店では、決してハズレることなく、とても旨いものにありつくことができる。さすがは国際都市デリーだ。