Ansal Plaza

久しぶりにアンサル・プラザに出かけてみることにした。
開業したのは1999年。デリーで最初のショッピングモールであるとされる。当時、かなり素敵な店が多数入っていて、音楽関係にしても、衣類やアクセサリー類等にしても、実にセンスの良い品物が揃っていた。

それまでは街中のマーケットの中に、ポツポツと洒落た店が点在していても、こうした大きな空間の中すべてがこうした気の利いた店であるということについては、どこか異国的なものさえも感じたものだ。

その後、こうしたモールがデリー各地に林立するとともに、これらがひとつの地域に複数並ぶようになったり、少し郊外に出ると破格の規模の広大なモールが見られるようになったりした。同時に、北インドの中規模の都市においても、こうした施設を見かけることは珍しくなくなるなど、時代は変わったものである。

変わったのは時代だけではなく、このアンサル・プラザも然りである。2002年11月に、ディーワーリー直前の買い物客で混雑していたこの場所がテロの標的となるほどのものであったのだが、市内各地に新しいモールが次々に出来てくる中、次第にじり貧になってくる様子が感じられていた。入居している店舗のレベルが下がってくると、客足はもとより客層にも変化が生じてくる。

だいぶ時間が空いて、このたび訪れてみたのだが、今回の様子はまず外観からして異様だった。ずいぶん煤けて汚くなっており、こうした施設が与えてくれるワクワク度が感じられない。

敷地入口から入って左右対象のふたつのウイングの建物から構成されているのだが、向かって左側では、空いてしまったままのテナントも目立つことにショックを受けたが、右側では、空きになっているところのほうが大半であることに唖然とした。店舗が入居しているスペースにおいても、旅行業らしき看板は掲げているものの、中で数名がウダウダしていて、何の事務所かわからないようなところはあるし、ガラの悪い連中が出入りする酒屋などが入っていて、もう惨憺たる状態。

トレンドで売っていた施設は、その流れについていけなくなると、その役目を終える。もうこんなところに出店したいという業者はないだろう。そう遠からず廃墟となりそうだ。残念ながら、デリー最初のモールは息絶えつつある。

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