ファテープルで、鉄の欄干のある屋敷に面した四つ角からバスをつかまえて、ラームガルへと向かう。ふたたび30分くらいの道のりである。
ラームガルはファテーブルよりも活気のあるところで、人々の行き来も多い。ここでは内部見学できる屋敷は見当たらなかったのだが、大変規模が壮大なものが多い。いくつかの寺を見学してみる。シェーカーワティー地方のどこの町でも感じるのだが、タウンシップの広がりや人口規模に対して、ハヴェーリーの壮大さもさることながら、これらが建ち並ぶ地域のしっかりとした区画と直線的で幅広い道路には、やはり驚かされる。片田舎でながらも、こういう地区でだけは都市的な雰囲気さえ感じる。
通常、こうした小さな町では国道に面した部分以外では、細い道がクネクネと続いているものなので、それだけこうした屋敷の主たちは実行力があり、いかに開明的でもあったということにもなるのだろう。
18世紀や19世紀、シェーカーワティーが陸上交易で栄えていた時代、荒地や貧しい耕作地に囲まれたこの地に、周囲の眺めとはまったく不釣合いな豪壮な屋敷群、あまりに立派な寺院などがそこここにあることについて、当時の訪問者たちはさぞ驚いたに違いない。すっかり衰退してしまっているとはいえ、過去に築かれたそれらのものは今でも人々を圧倒するものがある。
〈完〉