ミャンマー初の世界遺産登録

このほどユネスコの世界遺産として、ミャンマー中部のエーヤーワディ河流域の「ピュー古代都市群」が登録されることとなった。同国の経済関係以外の文化面における国際社会への復帰を象徴するかのような出来事といえるだろう。

ビルマ族最初の王朝であるバガン王朝以前に、ミャンマーの先住民族であるピュー族が建設した古代都市遺跡で、みっつの都市の遺構に宮殿、要塞、埋葬所、産業地域、仏塔、灌漑施設等が残っている。

他にも文化的遺産が豊富な同国で、ちょっと専門的な知識がなければ見物してもよく判らないような遺跡がなぜ一番最初に登録されることになったのか不思議に思う向きもあるかもしれないが、敢えてビルマ族による文化遺産ではなく、先住民族が創り上げた都市国家遺跡を登録することによlり、従前はビルマ族の民族主義をゴリ押ししつつ、国内に暮らすその他の民族のナシュナリズムの高揚を圧殺してきた同国政府が、国内外に自国における多民族・多文化の共存をアピールする政治的な意味があるのではないだろうか。しかもピュー族自体はすでに消滅してしまっているがゆえに、現在ミャンマーに暮らしている少数民族たちのナショナリズムを刺激することもないため、政府にとって「安心」でもある。

世界三大仏教遺跡に数えられるバガンの遺跡群については1996年に当時の軍事政権が申請を提出したものの、保全計画の不備を理由(ならびに軍事政権に対する圧力?)により、却下されてしまった経緯がある。今後はバガンの世界遺産登録に向けての最申請の準備が進められているようである。観光業振興にも大いに役立つ看板にもなるため、他にもこの国から世界遺産登録申請はいくつか続くことと思われる。

Myanmar’s first site inscribed to World Heritage List (UNESCO)

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