シュエダゴォン・パヤー

夕立ちの激しい雨が上がったので、お寺参りに行くことにした。これまで幾度か訪れたことがあるものの、優美や姿といい、壮大な規模といい、非常に手入れが行き届いている有様といい、シュエダゴォン・パヤーのを訪れると、やはり気が引き締まる思いがする。

周辺は素晴らしい住宅地だ。広大な敷地に植民地時代からの大きな屋敷が多い。それらの中にはミャンマー様式を取り入れた家屋もあるが、庶民の家屋とはまったく異なる次元の規模。軍や政府の高官が住んでいるのかどうかは知らないが、とてもうらやましい環境である。

シュエダゴォンの入場料は9ドルになっていた。以前は5ドルであったと記憶しているのだが、最近改定されたのだろうか。私自身はこういう場所での外国人料金もやむを得ないと思っている。ミャンマー人の多くは寺院訪問の際に多少のお金は置くはずだが、外国人の場合はその限りでない。こういう形での徴収も仕方ないのではなかろうか。こうした収入があるがゆえに、このお寺については、ケチのつけようがないほど、完璧に整備されているということもあるだろう。だが9ドルというのはちょっと取りすぎであると思う。

夕方到着して、しばらくは空が青かったが、次第に夕焼けとなり、やがて日が沈んで暗くなった。とりわけ暗くなってからの寺院内の眺めが素晴らしい。黄金色に輝く寺院はメタリックでSF的な空間にも見えてくる。

荘厳な雰囲気の中で境内を歩くが、さきほどの雨のため非常に滑りやすくなっている。白い大理石の部分はいいのだが、模様を与えるために敷かれている色付きの石?タイル?の部分が非常に滑りやすいのである。濡れているときに裸足で歩くのはかなり危険である。

裸足といえば、かつて植民地時代には、英国人はここを土足で出入りしていたのだという。イギリス人にとっては、かしこまった場所で靴を脱ぐということ自体が、自分たちの価値観に合わず、非礼な行為であるという論理である。

これについてはビルマ人の独立の活動家であり、弁護士でもあった人物が法廷で争い、イギリス人も裸足にならなければならないという決着を勝ち取っている。しかしながらいつもお寺に入る際に裸足となるのはインドその他でも同じことなのだが、こういう雨のときにはちょっと困ったりする。滑りやすいため危険ということもあるし、いちいち面倒ということもある。またミャンマーの場合はタイと違ってソックスも必ず脱ぐこと、お寺のお堂のみならず、敷地内に入ったときから裸足にならなければならなかったりもするのである。

この人たちとしばらく話をしながら境内を周回した。境内では各国からの観光客が見物しているが、とりわけ人数が多いと感じたのはタイ人観光客だ。隣国という地の利もあるし、それだけ周辺国に旅行する人たちが増えているということである。昔は考えられなかったことだが、インドでもずいぶん多くのタイ人観光客が来ていて、その中には若い人たちも大勢おり、タイという国が豊かになったことをそんなことからも感じたりする。

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