ペンタックスのQマウントの三代目がついに7月5日に発売となる。
現行機のQ10とサイズ、重量、バッテリーは同一ながらも、センサーのサイズが1/2.3から1/1.7型へと大型化し、交換レンズの画角も35mm判換算で5.5倍相当から4.6倍相当へと変更となる。
廉価版コンパクトカメラと同等のサイズの小さなセンサーを搭載している割には、思いのほか写りは良好であるとして評判であったQ10ならびにその先代のQだが、センサーが大型化することにより、画質が向上することが期待できるし、暗所にも強くなることだろう。もちろんメーカー側としても群を抜く小型軽量さ(機動性)と表裏一体の関係にあるセンサーの小ささ(画質面の不利)についていろいろ検討した結果、こういう選択をすることになったのだろう。
画角の変更により、標準ズーム(F2.8-F4.5)の広角端が35mmの判換算で約27.5mmから83mmであったところが、Q7では23mmから69mmとなり、望遠ズームの望遠端(全域でF2.8というのは特筆すべき!)については、Q10までは83mmから249mmであったものが、Q7では69mmから207mmとなる。単焦点(F1.9)のレンズについては、47mmであったものが39mmに変更となる。
総体として広角側に寄ることになり、私としてはそちらのほうが好みではあるものの、人によっては不満に感じる場合もあるだろう。新型機で使用した際の画角変更に伴い、さらに望遠側に特化したズームレンズも近い将来Qマウントのレンズのバリエーションに追加されることもあるかもしれない。
もともと小型で軽いことがウリのこのカメラなので、Q10あるいはさらにその先代機のQと合わせて二台持ちで出かける人も多いのではないかと思う。異なる画角であるがゆえの使い手がある。
これまで7種類レンズが発売されており、魚眼やトイレンズといったチープなテイストの面白レンズもあり、総じて通常のデジタル一眼カメラの交換レンズに比べるとかなり安価である。サードパーティーのレンズは発売されておらず、レンズのバリエーションに限りがあることから、アレもコレもといろいろ物欲が生じないのはいいかもしれない。
そんなわけで、数量限定(公称1,000セット)のコンプリートキットというのはなかなかいいと思う。このセットで用意されているボディの色はブラックのみだが、Qマウントのレンズ7種類すべて用意されていて、おまけに本来は別売りとなっているレンズフードも付いてくるし、このすべてを収納できるというカメラバッグも含まれている。これらをすべてバラバラに量販店で買う場合と比較すれば、2割くらい安く済むようだ。
すでにQやQ10を使用している人たちは、こうしたレンズの多くを所持していることだろうから魅力は感じないことだろうが、初めてQシリーズに手を伸ばして使い倒してみようという向きには最適だ。
ペンタックスにとって、Qマウントのユーザー層の拡大は、同社のデジタル一眼の主力であるKマウントの売り上げにも貢献するものである。マウントアダプターを介して、Kマウントのレンズを装着して使用できるためである。
Kマウントのカメラが採用しているセンサーのサイズは1/1.7型であることから、Kマウントのレンズを使用すれば、500mm、1,000mm以上といった物凄い超望遠に相当することから、通常のデジタル一眼を使っていては望むべくもない体験をすることが「安価に」可能となるのがミソ。
そんなわけで、「もともと他社のデジタル一眼を使っていたが、携帯用にペンタックスのQシリーズに手を出してみたら、いつの間にかペンタックスのKシリーズも使うようになっていた・・・」という例も少なくないのではないかと思う。
まだ実機に触れていないため、正直なところ何とも言えないのだが、久々に「インドでどうだろう、この一台??」ということで取り上げてみることにした。