いま何が起きているのか?

プールヴァーンチャル・プラハリー
プールヴァーンチャル・プラハリーपूर्वांचल प्रहरीというヒンディー語紙がある。アッサム州都グワーハーティーを本拠地とする会社が出している新聞で、他に英字新聞も出している。
Times of Indiaのような英文全国紙やデーニク・ジャーグランのようなヒンディー語による広域紙と違い、かなり地元密着型の新聞であるため地元ニュース満載なのがうれしい。しかもごく狭い地域で販売されるようなタブロイド版で印刷の質も悪いローカル紙よりも紙面が多くて各々のニュース記事の精度も高い(?)と思われるのもありがたいし、地元アッサム語あるいは同様に広範囲で使われているベンガル語ではなく、ヒンディーで書かれているのもうれしい。インド北東部の進歩的ヒンディー紙を謳うだけあり、本拠地のアッサム州外でもメガラーヤ州、トリプラ州その他でも売られている。
手が空いているときには何か読むものがないと落ち着かない。それに訪れた先で今何が起きているのか常々興味のあるところだ。そんなわけで、朝食のときに広げて読むことのできる新聞が見当たらない土地ではどうも消化不良気味になってしまう気がするし、逆にこのような地元紙があると食もどんどん進むのである。
近郊の広場でのメーラーの開催が書かれていれば、『行ってみようか』ということにもなるなど観光にも役立つこともあるが、数日間紙面を眺め続ければその土地で今何が問題になっているのかについておおよその輪郭を掴むことができるのがいい。


日々各地で起きている事件等のいわゆる三面記事や経済記事等もなかなか良かったのだが、反政府活動について書かれた各種記事も興味深かった。ULFAの活動が再び懸念される空気の中、政府側に投降した元メンバーたちの告白が連載されていたり、北東地域の反政府勢力各グループと国境向こう側で活動するミャンマーの組織等との連携、それらに対するインドの行政当局の対応、ナガランドの武装勢力による現在のナガランド州より更に広範囲に渡る、元々ナガ族の土地であったとされるグレーター・ナガランド(アッパー・アッサムやアルナーチャル・プラデーシュの一部をも含む)を『ナガー・リム』と改称しての独立要求についての解説等々を通じ、現況の大枠を知ることができるようになっている。
新聞タイトルのすぐ下にURLが示してあるとおり、同紙のウェブ版も公開されていることになっている。ここを離れてからもときどきチェックしてみようと思ったのだが、アクセスしてみると不思議なことにこのメディアとはまったく関係のないサイトにつながってしまうのには思わず苦笑してしまう。せっかく力の入った報道を展開しているのだから、紙媒体以外の手段でも北東インドの状況を域外に日々発信して欲しいものだと切に願っている。

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