デンジャラスな『構造』

タクシーでアッサム州のシブサーガルの遺跡めぐりをしていると、ふたつの事故現場を目にした。どちらもトラックの右車輪が上を向いて路肩に止まっている。横転する直前でなんとか持ちこたえたという感じである。前輪左右をつなぐシャフトが折れていた。昔からこういう事故はよく目にするが、過積載が原因であるにしてもどうしてこんなところが折れるのだろう。もともと構造上問題があり強化すべき箇所なのかもしれないが、相変わらずこういう現象は多く目にする。
自動車、特にトラックの欠陥については日本でも近年、自動車メーカーによるリコール隠しが話題となっていたが、インドでも同様に構造不良による事故はかなり多いのかもしれない。でもよくよく考えてみるとインドでは本来設計時に織り込まれていない使いかたがなされることが多い。ギネスに挑戦しているかのようにびっくりするほど大人数を詰め込んで走る乗り合いのSUMO、荷台よりもはるかに巨大な積荷を載せて走るトラック、メーカー想定外の改造がなされた車両などが多いことを思えば、本来の仕様を越えた使い方にまで製造者が責任持つ必要もないはずだ。でもそれを承知で無理をする市場があることを知りつつ各メーカーは販売しているはずなので、ちょっと考えさせられるものがないではない。
ご存知のとおり、インドの好景気に乗り遅れまいと国内外さまざまなメーカーにより、以前は想像できなかったほど豊かなバリエーションの乗り物が市場に送り出されるとともに、海外から新規参入や既存メーカーの生産ラインの大幅な拡大が続いていることが報じられている。いっそのこと最初から同じサイズで『過積載仕様』に設計した『4人乗りバイク』『14人乗りSUMO』『20トン積みトラック』『屋上座席付きバス』といった超ヘビー・デューティーなクルマをリーズナブルな価格で投入してみては?なんて無理なことを夢想してしまう。

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