ロンドン・メトロポリタン大学の騒動

今年の8月30日、イギリスの入国管理局は、ロンドン・メトロポリタン大学に対するEU域外からの留学生受け入れの免許を停止することを発表した。これにより、同大学に在学中の外国人学生2,700名が学業を続けることができなくなる。このうち日本人学生は150名ほどを占めると見られている。同大学での留学を継続できなくなったEU圏外からの留学生たちは、与えられた60日の猶予期間内に、新たな受け入れ先大学を確保しければ、国外退去処分となることになるという、あまりに厳しいものである。

London Met crisis will damage UK’s brand, says vice-chancellor (The Guardian)

少子高齢化が進む先進国等では、近年とみに留学生の受け入れに力を入れているところが多い。自国学生の数が減ることから大学(あるいはその中の学部、研究科等)の存続がかかっていることも少なくなく、留学生の獲得・斡旋等が大きなビジネスになってきている。同大学も積極的に外国からの学生獲得に力を入れており、日本でも独自に相談会等を開催していたようだが、大学当局が関与して留学ヴィザを取得させた志願者たちの中に、明らかに就労目的等の不正な目的で入国した者が少なくなかったことが、今回の処分の原因であるとされる。

大学当局への処分はともかく、すでに大学で真面目に学んでいる外国人学生たちは、大学当局による不手際について何ら責任がないにもかかわらず、巻き添えになってしまうこと、加えて受験期がとうに過ぎて新学期に入った時期にこのような処分がなされるということについては、ちょっと理解しがたいものがある。もちろんこれまで支払った学費等の返還等の補償も講じられていないようだ。

この件については、The Times of India等でも報じられており、ロンドン・メトロポリタン大学で学ぶインド人学生は日本人学生の倍以上の359名とのこと。

London Metropolitan University to challenge licence revocation (The Times of India)

大学当局の不手際による一連の騒動の中で大学から籍を剥奪されることになる留学生たちは、イギリス国内はもとよりオセアニア、米国方面やそれぞれの出身国等も含めて中途編入の途を求めて躍起になっているようだが、その成果は概ね芳しくはないようだ。

留学生を受け入れる大学としても、入国管理行政としてもこのような措置はあるまじきことである。

This entry was posted in academic, column, society. Bookmark the permalink.