インドに生まれてホント良かった!?

dog
 昼間はゴロゴロしているかと思えば、日が傾くころには元気に動き出し、ときに独りでときに群れて町中を我が物顔に行き交う犬たち。ごくごくわずかな『飼い犬』を除けばみすぼらしい野良ばかり。あまり充分に食べている様子はないが、人々の無干渉のおかげでそれなりの繁栄を享受している。
 犬は都市型の動物といえるだろう。インド中どこに行っても人の住むところ犬あり。犬のいるところ人々の姿あり。
 さてこのところの中国南西部では、狂犬病の流行が問題になっている。すでに住民の間にも死者が出ているそうだ。そこで当局が乗り出したのが空前の規模の大がかりな『犬狩り』だ。
 当局の『犬を処分せよ!』という大号令のもと、警察犬や軍用犬を除いたあらゆる犬たち、多くは野犬ということになろうが個人がペットとして飼育している犬とて例外ではない。3日間で5万匹を超える大量の犬が殺されており、その中には狂犬病予防接種済みの4千匹が含まれているという。
 それにしてもこの狂犬病、ありとあらゆる哺乳類に感染することが知られており、犬を処分してみたところで、キャリアはコウモリ、ネコ、リス、ネズミ等々実に様々な動物に及ぶのだから、仮に犬を根絶やしにしてみたところで『これで安心』というわけではない。さしあたりは人間と直に接する機会が多く、また噛み付く危険の高い動物としては犬ということになるのだが。
 ともあれごくまれに捕獲の憂き目に遭ったり、断種させられるという不幸がおそうことはあっても、基本的には無限の自由を与えられているインドの犬たち。さほど邪魔者扱いされず、おとなしくしていれば特に干渉も受けずに(人々の食欲旺盛な胃袋の中に放り込まれることもなく!)貧しいながらも安穏と暮らしていけるという点は、同じく町中を徘徊する牛や猿といった他の動物たちにとっても同様だろう。
 そんな彼らにとって『インドに生まれてホント良かった!』のではないだろうか。
狂犬病殲滅作戦で受難の犬たち  (BBC NEWS Asia-Pacific)

「インドに生まれてホント良かった!?」への3件のフィードバック

  1. いつまで「インドに生まれて良かった」と思っていられるのだろうか?
    デリーの野良牛捕獲の例もあり・・・
    こちらは、限りなく緩やかな安楽死(餓死)と私は睨んでる・・・・
    我が家(日本)の近くの寺の土鳩は何処へ・・・檀家代表のシークレットらしいが・・・他の寺、神社からもめっきり土鳩が減った。糞害!殺すしか能の無い人類の知恵のなさに憤慨している昨今です。

  2. 電車の中から外を見渡してみれば、どこまでも続くコンクリートジャングル。風景・地形まで変えてしまうのだから、人間とは何と環境負荷の大きな生き物か、と思います。
    家庭の中で飼われるペット以外に、人間と動物たちが共存できるうまい手立てはない・・・んでしょうねぇ。残念ながら。

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