Namaste Bollywood #13

Namaste Bollywood #13
早いものでもう2カ月かぁ・・・と思う。4月に12号が出てから、アッという間に時間が過ぎ去って行った。
今号の目玉は、『はやわかりボリウッド』とのことで、映画界に関する豆知識が散りばめられている。ムンバイーで製作される映画の国際性、映像技術の高さ、大人が楽しめる質の高い作品群等々に情報がぎっしりと並んでいる。こういう努力の積み重ねが、日本の映画ファンの間で根強いボリウッド映画ひいてはインド映画全体に対する誤解や先入観を解き、が様々なジャンルの異なるテーマの無数の作品群の中から好きなものをいくらでもチョイスできる無尽蔵の宝箱のようなボリウッドの世界の魅力に開眼する手助けとなることだろう。
また個人的にちょっと気になる記事があった。リライアンスグループを率いるアニル・アンバーニーが映画製作に意欲を示しているとのこと。飛ぶ鳥を落とすような勢いの新興財閥がエンターテインメントの世界で何を仕掛けてくるのか?という期待とともに、欧米嗜好のテイストが好みらしいことから、限りなくハリウッド的なボリウッド作品、あるいはボリウッド的なハリウッド作品を量産しようとしているのでは?という不安も感じないではない。
他にも5月にバングラーデーシュから来日したバウル・ロッカーへのインタビュー、ヌスラット・ファテ・アリー・ハーンの後継者であり甥でもあるラーハト・ファテ・アリー・ハーンに関する記事、書籍の項には往年のボリウッドのダンスシーン彩ったヘレンの伝記『HELEN』の紹介等々、いつものごとく何でもアリのリッチな誌面だ。
巻末のBollywood Filmy Pedigreeに登場するのは、サイーフ・アリー・カーンとその親族。『世が世なら』の正真正銘の王子様であることは広く知られているが、彼が持つ高貴な雰囲気と傲慢さはまさにその血筋ゆえのことだろうか。元妻のアムリター・スィンの叔父は有名な著述家クシュワント・スィンであることはちょっとビックリしたが、それ以上に興味を引かれたのは、パタウディーのナワーブであった父方のほうも、ボーパールのナワーブであった母方のほうも、印パ分離独立時に親族もインド側に残る者あれば、パーキスターンに移住した者ありといった具合であったとのこと。映画以上にドラマチックな出来事に満ちた王子様の家族史の糸口が行間に見え隠れしているようである。
今号もまた非常に力のこもった濃い内容のナマステ・ボリウッド誌だ。

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