シグマDP2発表

DP2
昨年3月に発売され、その評価については賛否両論だったシグマDP1の姉妹機、DP2が発表された。発売時期は未定だが、今年前半には発売となる模様。
35mm判換算で、画角が28mm相等のDP1に対し、DP2は41mm相当である。昔でいうところの『標準レンズ』に近いものであるところから、前者よりも汎用性が高いと感じる人もあるだろう。またF.2.8と比較的明るいレンズを搭載しているのも好感が持てる。
私自身、DP1を1年間使用してみて、操作性以外の部分ではレンズの暗さが気になった。開放でF.4.というのはちょっと・・・。他のデジカメならば余裕で手持ちにて撮れるシチュエーションでも、DP1だとかなり工夫が必要になってくる。
ボディのデザインやボタン等のレイアウトは、DP1を踏襲したものとなっており、操作系統もほぼ同一のようだ。画像処理エンジンは新たに開発したものが搭載されるようだが、果たしてDP1の弱点・・・というよりも、今どきの他のデジカメに比較すれば、『欠陥』と言われかねないほど緩慢な処理速度はどうなっているだろうか?
デジカメの時代に入ってから、カメラを手にした人々がシャッターを押す回数が飛躍的に増えているという。フィルムと現像にお金をかけないと、自分が撮影した内容を目にすることができなかった時代には、ひとコマひとコマに当然ながらコスト意識が働き、趣味で撮るのであれば、対象をじっくり観察してから、シャッターを押すというのが普通であった。
写真を撮る、撮ったものを見るということがタダになったおかげで、特に一眼レフカメラについては、新製品が出るとシャッター耐用回数何万回云々ということがしばしば話題にのぼるようになっているようだ。
言うまでもなくDP1は一眼レフではないが、そんなせっかちな時代に、一枚撮影してから次のアクションに移るまで、メディアへの書き込み中であることを示す赤ランプが点滅するのをじっと待つのは面倒。併用している他のカメラとついつい比較してしまうので、いくら画質の面で突出したものがあっても、なんだかじれったい、ドン臭いカメラだなあ、ということになってしまう。
加えて、RAWで撮影後に現像ソフトで仕上げた画像は、他のコンパクトデジカメをまったく寄せ付けない画質や描写力があり、さすがはコンパクト型で唯一のAPS-Cサイズのセンサー、しかもFOVEONセンサー!と感心するのだが、JPEGで撮るとそれほどの魅力を感じさせるものはなかったりする。RAWで撮影するときとほとんど同じくらい書き込みに時間がかかるのだが。
ただし、このあたりが解決され、サクサクとスピーディーな操作感で、JPEGでも相応に良く撮れるとなれば、DP1に対する世間の評価、賛否両論から賛美へとも大きく変わってくることだろう。私自身についていえば、いまだに愛用しているリコーの初代GRDを放り出して、こちらを常日頃持ち歩くようになるに違いない。
DP2は、画角が違うこともあり、DP1の後継機ではなく、姉妹機という位置付けである。しかし発売時期が1年違うだけに、そのあたりは相応の改良を加えていることを期待したい。
41mmという画角自体、いろいろと使いやすいし、大型センサーによる背景のボケを生かすという面では、21mmのDP1よりも有利ではある。コンパクトデジカメとしては飛びぬけて金額の張るものではあるが、コアなファンの多いDP1ユーザーの中で、現在所持しているそれに加えてDP2も並行して使うという人も少なくないのではないだろうか。
レスポンスとJPEG撮影の部分で大幅な進歩が見られたとすれば、『インドでどうだろう?この一台』の有力候補になり得るのではないかと思う。
シグマDP2 スペシャルサイト
DP2製品カタログ

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