人はいくつまで生きるのか?

ムンバイーといえば、垢抜けた都会的なイメージと、湾岸諸国や西洋に大きく開けた玄関口という印象がある。また世界各国から先進医療を、往々にして自国よりも低コストで受けるために人々を引き寄せるメディカルツーリズムの都ということからも、レベルはピンキリでも、医療へのアクセスが容易そうであることから、人々は割合長生きなのではないかと思っていた。
ところが以下のリンク先の記事を見ると、どうやらそうではないようだ。
Maximum city, minimum life — Mumbaikars dying young (msn News)
ムンバイーの男性の平均寿命が 52.6 歳、女性が58.1歳で、インド全国平均の 63.7歳に較べてずいぶん見劣りがするとのことだ。またマハーラーシュトラ州の平均と較べてみても12年ほど短いとのこと。
スラムに暮らす人々の生活条件が厳しく早くして亡くなる人が少なくないことが、全体の数値を下げてしまうということもあるようだが、経済的にゆとりのある層にいたっても、日々のストレス、運動不足、栄養過多な食生活等、いろいろ問題があるのだそうだ。
ところで、広大なインドの人々はいくつまで生きるのか?と問うのはナンセンスだろう。個々の経済水準、生活習慣、職業等によって大きく異なってくるのはどこの国も同じだ。だが大まかな傾向をつかむことは、それなりに意味のあることではないかと思う。
データは1995から1999年のものとのことでやや古く、チャッティースガル、ジャールカンド、ウッタラーカンドといった州が成立する前のものではあるが、インド各地の平均寿命は以下のようになっている。
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先ほどの記事中のムンバイー市とこれを州都とするマハーラーシュトラ州の平均寿命に大きな乖離があったように、これらの州でも地域差は大きいのではないかと思う。過密な都市部とそれ以外といった条件以外にも、ヒマーチャル・プラデーシュ州や西ベンガル州のように、州内で地理的・気候的条件に差異が大きなところも数値はかなり異なることだろう。
この表の中では、ケーララ州の男女ともに平均寿命が70歳を超えていることは特筆すべきだろう。突出して高い識字率とともに、平均して良好な生活水準であることがうかがえる。
それとは反対に、オリッサ州の低水準、加えてビハール州とU.P.州では、女性の平均寿命が男性のそれを下回っていることが注目される。
これら平均寿命の背景には、地域の行政、生活や医療等の水準、文化的・地理的背景等々が複雑に絡み合っているはずなので、とても興味深いものがある。また別の機会を設けてじっくり考えてみたいと思う。

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