巡り合わせの隣席

成田からバンコクへのひたすら退屈なフライトと思っていたが、なかなかどうして楽しい時間となった。隣席の若い女性が話好きで、この人が取り出すトランプで遊んだり、いろんな話をしたりしているうちにアッと言う間に着いてしまったからだ。

こういう巡り合わせがあると暇な飛行時間が俄然楽しくなる。

この人はスペインからの旅行者で、この月初めに日本に関空に到着して、長野県で山歩きをしたり、お城を見たり、そして関東も何ヶ所か訪れて、東京も気に入ったらしい。

20代後半くらいだろうか。自国では博物館での仕事をしていたが、契約を打ち切られてしまったため、とりあえず次の職探し前に人生初のアジアを訪れたとのこと。

私にとってはごく当たり前の日本だが、彼女にとっては目にするものも食べ物も、何かと物珍しかったらしい。そういう話を聞くと、「へぇ、そんなに面白いならば行ってみようか」と思いそうになるが、それらは私たちの日常風景であった。

生まれ育ち、今も住んでいるのは「とても田舎の村」とのことで、大阪や東京のギガサイズの街並みにも仰天したという。欧州の近隣国以外はどこも訪れたことがなかったとのことなので、ちょうど昔々に私が生まれて初めての海外旅行でインドを訪れたときのような感激であったらしいことがひしひしと伝わってくる。

たまにこうして旅行に出ると、いろんな国の様々な年代の人たちと話ができるのも楽しい。

近年感じるだが、かつてはスペイン、イタリア、フランスなどのラテンヨーロッパから来た旅行者の中には英語をあまり理解しない人が多かったり、中にはほんの片言のみの人たちもけっこういたりしたのだが、今やもうそんな具合ではなくなっている。特に若い人たちはそうだ。

「グローバル化」というのは、様々な分野で進んだが、言葉もまた同様なのだなあと思う。

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