英連邦(Commonwealth of Nations)」なんて形式的なものに過ぎないし、その中で敵対関係にある国々もある。
それでも4年に一度、この「名目的な共同体」の中で「英連邦大会(Commonwealth Games)」が開催されているし、英連邦の国々同士で相手国に設置する在外公館も「大使館(embassy)」ではなく、「高等弁務官事務所(High Commission)」と呼ばれる。
名目上、同じ連邦内にある自治体としての「☓☓国」「☓☓共和国」であるからだ。なんか不思議な感じ。
中には英国と豪州のように、カナダも同様だが、名目上の国家元首として英国国王を戴く国々もあれば、英国/豪州間のように、あたかもEU加盟国同士の国々の如く、国民の相互への移動に対して査証の必要はないどころか就労も自由といった関係にある例を除けば、他はそんなことはまったくないのに。
たとえばインドやバングラデシュから英国に渡航しようとすれば厳しい査証審査があるし、英連邦市民てまあるからといって容易に就労できるなどといった措置もない。
昔、デリーで初めてパキスタンの査証を取得した際、出向いた先がパキスタンの「大使館」ではなく「高等弁務官事務所」を名乗っていることに、軽い目眩を感じた。「同じ『英連邦』内の国同士なのに、なぜ戦争までしたり、敵対関係にありいがみあっているのか?」と。
そんな名目上の「Commonwealth」なる連合体なのに、それでいて定期的な行事やイベントもあるなど、旧宗主国英国を中心とするしっかりした繋がりと緩いながらも確たる所属意識もある。
そのとき改めて「英国はすごい」と思った次第。
High Commission for Islamic Republic of Pakistan, New Delhi