映画館の名は不滅

首都の映画館がほぼマルチプレックス化してからかなり経つので、閉館されてから15年、20年くらいかと思いきや、界隈の知っていそうな人たち複数に尋ねると、「8年」「10年」「8〜10年かな」という答えが返ってくるので、まあそんなものなのかもしれない。最後の上映日の最後の上映回以降、時計が止まり、埃が積もり積もってしまった映画館。

映画館の規模といい、クラシックな佇まいとデリーの象徴でもある赤砂岩の色合いを施した建物の色合いといい、個人的にはこうした昔ながらの映画館も好きだ。場末の単館なので、大ヒット作が上映されることはまずなかったのではないかと思う。私もここで他の旅行者たちと観た記憶がある。

映画館は廃止となったが、今もランドマークとしては生きている。オートでここまで来るときに「パハールガンジのインペリアル・シネマまで」と告げて、若い運転手でもわからない人はいない。

取り壊されない限り、建物はそこにあるわけだが、取り壊されて別の建物に置き換わっていても、ランドマークとしての「○○シネマ」が堂々と通用したりする。

映画館は閉館しても、その名は不滅だ。

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